瀬戸内寂聴「生きることば」より
◆愛する人に別れたことのない幸せな人は、
愛する人に別れた人に、
やさしい手をさしのべることはできないでしょう。
悲しみを知らない人は、
人の悲しみがわからないからです。
◆どんなつらい病気をしても、
死ぬ瞬間まで努力してください。
人の命は、そうするに値するものなのですから。
◆自殺など考えないで。
小さく思える自分の存在が、
だれかたった一人でもいい。
その心に温かな灯をともす人間になれれば、
本当にありがたいことです。
たくさんの人にでなくていい。
たった一人でいい。 犬でもいい。
この犬は、わたしがいなければ生きていかれない。
それもすてきな生きがいです。
あなたの生きがいを見つけましょう。
肺癌で入院したとき、妹がこの本を送ってくれた。
乳癌だけでもつらかったのに、
肺癌が見つかった時は、病院で泣きじゃくってしまった。
乳癌から4年目に肺癌の宣告・・・。
「死」を覚悟し、絶望的だったその当時、
この本にとても勇気づけられたことを想い出します・・・