8年8ヶ月前に乳癌の温存療法手術で入院して、
その後、退院後の様子を綴っていきます。
1997年6月13日に退院した後は、
放射線科、乳腺外科、呼吸器内科に通院しながらの日々を送った。
放射線科→温存療法のあとの放射線治療と診察
乳腺外科→乳癌の経過観察
呼吸器内科→喘息の診察
梅雨から夏にかけての時期に、
毎日(土・日以外)の放射線治療は大変だった。
副作用もでてきて、当時の日記を見ても、
「身体がだるい」「吐き気がする」「疲れやすい」と書いている。
心身ともに疲れている様子がみえる。
例えば・・・
当時の日記より・・・★
【7月2日】
今日はとても憂鬱。
こんな病気をかかえ、どのように生きていけばいいのだろう?
腋の下に少ししこりがあるような気がして、再発転移が不安になった。
気になるので放射線治療の時にK医師に相談したけど、
今の段階でその場所への転移は考えられないとはっきり言われた。
安心していいのか?
身体がだるい。 少し吐き気もする。 皮膚炎は痛い。
友人からTELがあったが、誰にも会いたくない。
はじめて自殺を考えた。
温存療法手術で乳癌と周りの組織とリンパ節と、
全部悪いところはとってもらった。
一番安心してもいいこの時期に、
私は再発や転移のことばかりを心配している。
と、今、日記を読み返しながら感じます。
手術の後も放射線治療をし、抗癌剤も飲んでいるのに、
とても神経質に考えているのですね。
やはり「癌」の恐怖は、こういうところにもあるのかなあ。
手術で解決できない恐怖が・・・。
7月17日、31回の放射線治療も無事終了しました、
でも放射線治療後9日目に、放射線の副作用が出たのです。
【7月26日(土)】
昨日から何か体調が悪いと思っていたが、
やはり今日起きた時から、喘息は出るし、
身体はだるいし、検温したら37、7度あった。
台風なんて言っていれなくて、
肺炎になってると大変だから近くの個人総合病院に行った。
身体がだるい上、
体力が減少していて、近くの病院で済ませたかった。
胸部レントゲンと診察の結果、
「肺炎は大丈夫です」と言われた。 よかった!
喘息の点滴をして風邪薬をもらって、12時ごろ帰宅。
一日中安静にしていた。
【7月27日・日】
昨日点滴をしてもらったので、
今日は喘息は大分落ち着いた。
でも身体がだるく、検温したら37、2度あった。
頭が重く氷枕をして寝ていた。
洗顔をする気持ちも起こらず、
本を読む気も起きず、ずっと横になっていた。
こんな身体では…生きがいも失い、夜悲しくて涙がでてきた。
【7月28日・月】
今朝起きた時調子がよく、回復したと思った。
いつものように家事をしていたら、9時ごろから発熱。
38、4度あり、座薬を使用し、氷枕でずっと安静にしていた。
そして15時~、一昨日お世話になったN病院のN医師の外来時間に行って、
再び肺炎のことを訴えた。
私は何度も肺炎を経験しているから、
このだるさは肺炎の時の症状のような気がしてならないのだ。
でも、あまり相手にしてもらえず、喘息の点滴をして帰った。
【7月29日・火】
今朝も起きた時は、36、8度に下がっていた。
でも10時ごろには37、5度まで熱が上がった。
また座薬を使い、一日中安静にしていた。
26日からお風呂にも入っていないし、洗髪もしていない。
気持ち悪いけど我慢している。
何故熱が上がるのか? 肺炎ではないのだろうか?
【7月30日・水】
お風呂に4日間入っていないので限界がきた。
朝お風呂に入り、洗髪して 気持ちよくなった。
朝36、8度だった熱が、1
0時ごろには37、7度に上がった。 座薬を使った。
安静にして様子をみたけど、気になり、再びN病院に行った。
5日間熱が下がらないのだから、N医師も風邪ではないと気づくだろう。
採血と検尿の結果、白血球は7000位、CRP(炎症反応)は4、0だった(少し高め)。
検尿も異常なしだった。 肺炎でないことがわかり嬉しい。
【7月31日・木】
今日も熱が出た。
朝起きた時は36、8度なのに、
家事をしていて9時ごろには37、4度に上がっていた。
今日は、座薬は使いたくなかったのに、
11時頃検温したら38度になっていて、
14時になっても37、7度あったので、やはり座薬を使用。
今は下がっている。
明日はH病院(乳癌の手術をした病院)の放射線科の診察日なので、
相談してみようと思う。
食欲が全然ない。
【8月1日・金】
今日は久しぶりにH病院に行った。
放射線科の受信日だった。
今日も熱が37、4度あり、K医師にこの1週間の症状を相談した。
胸部レントゲンと、CTを検査した結果、
やはり「肺炎」だった。
乳癌の手術をしたばかりだし、
はやくH病院に来るべきだったと後悔した。
それにしても、N病院のN医師の言葉や診断が許せない気持ちになった。
乳癌のことも放射線治療のことも全部話し、
「肺炎ではないですか?」と、何度も確認したのに、「違う」って言われた。
自分で診断できにくかったのなら、
正直に私に「手術されたH病院で診てもらってください」とか、
「CTをする必要があります」って、何故言ってくれなかったの?
くやしいので、放射線科で診断書を書いてもらって、
N病院のN医師宛てに郵送した。
「先日はお世話になりました…」のお手紙も付けて・・・。
今回の肺炎は、放射線の副作用による肺炎だと言われた。
稀にあるらしい。
これまでの肺炎は抗生物質の点滴とかお薬の治療だったのに、
今回の肺炎は特殊らしく、
プレドニン(ステロイド)のお薬のみ。
プレドニンは、すでに喘息で飲んでいるので、
量を増やす、ということで、今回の肺炎で朝昼夜3回2錠づつ処方された。
プレドニンで肺炎が直るって、初めて知った。
【8月2日・土】
昨日肺炎と診断されたので、今日は安静にしようと努力した。
すぐ無理してしまうので。
熱は朝7時に36、8度。
11時に37、6度まであがった。
夜は36、5度に下がった。
体力が弱っているため、
夕食は久しぶりに夫と串焼き屋「T」に行き、栄養をつけた。
【8月3日・日】
大分調子がよくなった。
激励のお手紙をたくさんいただいているので、お返事を書いた。
【8月4日・月】
今日は放射線科の受信日だった。
とてもよくなってきているので嬉しい。
やはり、適格な病院に行き、
適格な処置をしていただくことが病気を治す第一条件だと思った。
身体がだるいから…と、近くの病院で済ませたのが大失敗だった。
病院選び、そして医師との出会いは大切だということを、
今回つくづく感じさせられた。
早く健康になり、主婦業を復活させなければと思う。
☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★
以上、当時の日記から綴りました。
肺炎騒動がありましたが、
この日ごろから体調を戻し、元気になっているようです。
今、振り返れば早くH病院に行けばよかったと思います。
やはり、「癌」という病気は、甘くないと思います。
ちょっとした変化でも、
手術をしたH病院に行って、相談する方が望ましかったのです。
それ以降私は、少しの症状でもH病院で相談し、
いろいろな科を全部H病院にかかっています。
近頃は病院もそれぞれのデスクにパソコンを置き、
そのデーターを医師と患者が見ながらの診察なので、
他の科のデーターも見ることができ、連携がちゃんとできています。
しっかりした病院にカルテがある方が、
土・日やお正月や時間外でも、
急患の場合に気持ちよく診ていただけるので、とても心丈夫です
でも、この時から3年先に、
温存した右乳房に再発するのです・・・