管理会社による旧来型の管理に強い懸念を持つ管理組合で、自主管理に切り替えるところが増えています。
では、『旧来型の管理』 とは何であって、そして懸念する点とは、どのようなことでしょうか?
私が 『旧来型』 と言うのは、管理会社の考え方、プライオリティ(優先順位)の持ち方を指します。
『何よりも、マンション・区分所有者・住民や管理組合の利益と安全を優先する 管理会社』 と 『先ず 自社の利益と論理を優先する 管理会社』 の違いです。
実例を挙げてみます。
管理組合の管理費などの預金口座。 管理会社が通帳を作り、その印鑑は自社の印鑑。 当然のように、通帳も印鑑も管理会社で保有していました。 管理組合の資産である管理費などの保管口座ですよ!
通帳と印鑑を持っていますから、支払いは勝手に行われます。 殆どの場合、管理組合理事会や理事長には事後報告です。 たまに事前に報告があっても口頭です。 理事長が何かにサインや押印することは皆無に近かったのです。
私は、理事長に相談されて決算書類をチェックしました。 請求書・領収書などと決算の内訳は整合しています。 しかし、色々な支出の必要度合いや支払われた金額の適合性・妥当性は、まったく分からないのです。
「これでは、管理会社が自由に管理費を使えますね。 しかも、必要な支出だったか、金額は妥当か、もっと良い方法や発注先が無かったのか、一切わかりませんね。」
「そうでしょう。 支出の疑問を管理会社に聞いても、曖昧な答えなのです。 当時の理事長に聞こうとしましたが、何か疑っているような印象を持たれて、止めました。 理事長は毎年交替するので、尚更、管理会社任せとなっています。」
「先ずは、管理費預金口座から自由に引き出せる体制を変えましょう。」
「どうすれば良いでしょうか?」
「新たに、管理組合名義の預金通帳を作るのです。 組合員への通知と引落し変更の手続が必要です。 私がサポートしますから大丈夫ですよ」
「その通帳は誰が持ちますか?」
「管理委託を続けるのなら管理会社です。 委託を継続しますか?」
「いや。 別の方向で理事メンバーに提案します。 是非、同席をお願いします。」
こうして、理事会で協議し、臨時総会を招集しました。 このケースでは、結果的に管理会社の変更となりました。 より良いマンションの将来に向けて、自主管理も視野に入れています。
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