実は時代小説も好きです。(主に推理物ですが)。
逆に現代を舞台にした小説は苦手です。
現代物は、自分の生活する同じ時代なので、ちょっとでもリアリティがないと引いてしまうのです。
たとえば、“ごく普通の”女子高生の主人公が、父親との会話で「○○ですわ」なんて言う。
「いまどき」と突っ込まずにはおれず、物語に集中できません
ブリブリで同姓には絶対嫌われるようなキャラ(読んでてムカツク~)が、普通に女の子と仲良し。
こういうおかしな人物造形が、特に推理物に多い気がします。
なんか、書き手の理想の女性像(それも古いタイプやオタク入ってる)投影?って感じです。
暴走族か?というような派手な当て字名前の登場人物ばっかりとか。
その点、時代物なら、江戸に限らず縄文だろうが昭和だろうが、OKです。
なぜなら、私がその時代を知らないから。
時代考証など細かいことは分からないので、架空のお話として、安心して物語に集中できます。
現代物でも、パラレルワールドなどの設定なら大丈夫。そういうものだと思って読めます。
現実世界につながる部分があると、その世界に浸れない、難儀な私。
本の世界は、全て異世界(ファンタジー)であって欲しいのです。
というわけで(前置、長)、現在は、図書館で岡本綺堂『半七捕物帳』全6巻を、棚にあった順から順不同で読んでいます。
「捕物帳の元祖」と言われる作品なので、一度読んでみたいと思っていたのですが、今読んでも文体も全然古びず、読みやすいです。
筑摩書房の、大判コミックサイズのものを読んでいますが、これは用語や当時の地理についての注釈も多く、1話に2枚ほど、その話に関連のある江戸風俗の挿絵が入っているので、話の様子がイメージしやすいのもうれしいです。
短編なので、毎夜眠くなるまで、数話ずつ読み進めています。
サッパリした気質で頼りになる江戸っ子「半七親分」が、江戸を生き生きと駆け回り、様々な事件を解決してくれます。文句なしに楽しいですよ。