日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

『オーデュボンの祈り』 伊坂幸太郎

2006-05-28 | 本と漫画の話
『死神の精度』(レビューは4/18を見てね) が面白かったのですが、この方、デビュー作はミステリーです。
ミステリー好きとしては、ぜひ読んでみなければ
ということで、読んでみました。

面白かったです。
またしても、荒唐無稽な設定です。

コンビニ強盗に失敗した伊藤は、警察に追われる途中で意識を失い、見知らぬ島で目を覚ます。仙台沖に浮かぶその島は150年もの間、外部との交流を持たない孤島だという。そこで人間たちに崇拝されているのは、言葉を話し、未来を予知するというカカシ「優午」だった。しかしある夜、何者かによって優午が「殺害」される。なぜカカシは、自分の死を予測できなかったのか。「オーデュボンの話を聞きなさい」という優午からの最後のメッセージを手掛かりに、伊藤は、その死の真相に迫っていく。(この紹介文は引用です)

人語を話すカカシもスゴイですが、島には変な人オンパレードです。

島で唯一、船で外界と行き来できる熊みたいな男「轟」
嘘しか言わない元画家「園山」
体重300キロ、全く動けないので市場で座ったままの「ウサギ」さん
独自のルール(=島の規律)で人を殺し、罪に問われない「桜」
その他にも、みんなが微妙に変。

そして、島の外でも、物語が進みます。
伊藤の元同級生で、今は警官をしている城山。
こいつが本当に、これ以上ないくらい最悪に悪い奴。
島のファンタジーな?世界に浸かってユルユルな気分を楽しんでいると、グイッと首根っこをつかんで嫌な現実に引き戻され、不愉快になります。

それでも最後は、なんだか力の抜けるいい感じのラストです。
途中ちょっと中だるみしたし、ミステリーの謎解きとしてはインパクトは弱いですが、まあいいか。

この人の作品は、どれも少しずつ内容や登場人物がリンクしているらしいです。
デビュー作から順に読んでいくと、途中でニヤリとできるのだとか。
また、他の作品も読んでみようかな…
コメント (4)
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