日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

7月に読んだ本

2007-08-14 | 本と漫画の話

『精神道入門』 小栗左多里 ★★★ (コミック+エッセイ)
『ABC殺人事件』 アガサ・クリスティー ★★★☆ (ミステリー) ※再読
『愛の探偵たち』 アガサ・クリスティー ★★★★ (ミステリー短編集)
『探テク 亡くしたモノをゼッタイ見つける方法』 小林シンヤ ★★★ (実用?)
『街角のオジギビト』 とり・みき ★★★ (おじぎ看板コレクション本)
『終りなき夜に生れつく』 アガサ・クリスティー ★★★☆ (ミステリー)
『フィッシュストーリー』 伊坂幸太郎 ★★★★ (一般文芸)
『図鑑に載ってない虫』 三木聡 ★ (一般文芸)
『仁木兄妹長編全集 夏・秋の巻』 仁木悦子 ★★★☆ (ミステリー)
鹿男あをによし』 万城目学 ★★★★ (一般文芸)
『ゼロ時間へ』 アガサ・クリスティー ★★★★☆ (ミステリー) ※再読
『○○の瞬間』 たかはしみき ★★★★ (イラストエッセイ)
『長い道』 こうの史代 ★★★★☆ (コミック)
『旧怪談』 京極夏彦 ★★★☆ (怪談集)
『しろのあお』 上大岡トメ ★★★★ (コミック)
ルドルフとイッパイアッテナ』 斉藤洋 ★★★★ (児童文学)
『ひとコマ日記』 太田垣晴子 ★★★☆ (イラストエッセイ)
『ふたりで、おうちで、しごとです。』 k.m.p. ★★★☆ (イラストエッセイ)


7月は多いように見えますが、ほとんどはイラストエッセイや軽い本です

 クリスティ作品
 ポアロものは、『愛の探偵たち』の中の短編で最後、あとは『カーテン』を残して全部制覇しました。『カーテン』はまだ読む思いきりがつきません…
 『終わりなき…』は、恩田陸さんのエッセイで好きなクリスティ作品として出ていたので、読んでみました。ところが何の偶然か、直前に読んだ『愛の探偵たち』の中の1編と大筋がソックリで(たぶん短編を長編に焼き直しした)、最初から犯人の見当もついてしまいました
 『ゼロ時間へ』は、ポアロもので既読でしたが、持ってなかったので再読。クリスティの代表作の一つとあって、再読でも面白かったです 4つのプロローグがあり、まずある登場人物が「探偵小説はみんな殺人で始まっているが、本当は終局なのだ。物語はずっと前から始まっているのだ」と語ります。次に、部屋の中でひとり殺人計画を練っている人物が登場します。男か女かも分からない人物です。その後、意味ありげな複線となる短い2つのプロローグを経て、本編となる物語が始まります。ある屋敷に関係者が集まり、不穏な空気が…。この中に、殺人の計画者がいる。読者はそれが誰なのか分からないまま、推理をめぐらせるわけです。殺人の起こるその瞬間、“ゼロ時間”へ向かって、カウントダウンするかのように話は進みます。ラストではさらにどんでん返しが

 『フィッシュストーリー』
 伊坂幸太郎作品も、ついに最新の本まで来てしまいました。これまでの作品で登場した人達の、サイドストーリー的な話が集められています。(もちろんこれだけ読んでも大丈夫) 表題作『フィッシュストーリー』と、『ポテチ』が良かったです。

 『図鑑に載ってない虫』
 「時効警察」の脚本・監督が初めて書いた小説で、映画化もした作品。雑誌『ダ・ヴィンチ』の書評でも、「突拍子もないきっかけと、飄々としたドライブ感、そして次々と繰り出される小ネタの数々。読んでいるうちにニヤリとさせられること必至。ぜひ読んでみて欲しい。きっと、必ず笑えるはずだから」と大絶賛だったので読んでみました。
 が…、全然笑えなかった…笑いのツボが違うみたいで、逆に引いちゃいました。会話ばっかりで地の文が少ないし、誰が言ったセリフかよく分からなくなるし、よっぽど途中でやめようかと思いました。
 「時効警察」は大人気だったみたいだし、映画で見るなら面白いのかもしれないけど、文章的にどうだろう…?少なくとも私には合いませんでした。

 『○○の瞬間』
 「こげぱん」などのキャラクターを生み出した元ステーショナリーデザイナーの方の、イラストエッセイ。「ハートをぶち抜かれる瞬間」「血の気がサーッと引く瞬間」「小躍りしたくなる瞬間」など、“○○な瞬間”をほのぼのとしたイラストと文章で描いてあります
 作者さんと年代も近いので、子供の頃流行ってた文具とかの話もそうそう、って感じで楽しめました。

 『長い道』
 『夕凪の街 桜の国』の話題の時、りまさんから同じ作者の『こっこさん』が良かった、とコメントをいただき、他の作品も読んでみたくなって図書館で検索したら、これが見つかりました。
 酔うと何でも盗ってきてしまう癖のある父と、酔うと何でもあげてしまう癖のある父、お互いの困った父の取り決めで突然結婚することになってしまった夫婦のコメディ。
 とろんとしていて天然ボケ、でも芯はしっかりした働き者の妻・道。それにひきかえ夫・老松荘介は甲斐性なしで女好き、軽薄な男。妻が何をしても笑顔で怒らないのをいいことに、好き勝手する荘介に、「とっとと別れればいいのに」と最初は腹を立てながら読んでました。それでも一緒に暮らすうち、似合いのコンビに見えてきて…
 実験的なシュールな展開も織り交ぜつつ、コミカルなスタイルでしっかり人間ドラマも描く手法が、スルメのように味わい深かったです。今時珍しいタイプのじっくり味わう漫画でした。
 『こっこさん』は、図書館になかったので、思い切って購入しました。凶暴なニワトリ・こっこさんと、それにとっても寛大な一家が素敵ですね。やよいが、こっこさんがくれた鈴を、その後の話でもずーっと首に下げてるのに気がついて、「ホントに優しい子だなぁ」と感動しました。
 こちら で、こうの史代さんの作品の試し読みができますよ
 私も試し読みしたら、他の作品も読んでみたくなっちゃいました

コメント (4)
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