このところブログは、酒田の人さんと青磁合戦の様相を呈してきました。しかし、伊万里素人の私には品物が手薄、もう少し探してみなければなりません。もしくは、他へ転戦。いずれにせよ、しばし、青磁休戦(^^;)
すると、先の初代蘇山「青磁天目茶碗」の隣に転がっていた、もう一品を見つけました。
初代諏訪蘇山の鉄鉢形菓子器です。
鉄鉢とは、僧が托鉢で食べ物などを受け取って入れる容器です。
壬戌(大正(1922)11年)仲秋、臨済宗妙興寺喝山の箱書きがあります。
径 16.8㎝、高 8.7㎝
側面に桜の花が描かれています。
内側の下部は、薄桃色で、雨漏りのような模様があります。
鉄鉢形ですから、高台はありません。
なかなか趣があります。
外側下部も薄桃色、そして、雨漏り状の模様があります。
萩焼に似ていますが、蘇山独自の物でしょう。
蘇山の印があります。
これなら、唐物に化けることはありませんね(^^;)
雨漏り茶碗と一緒で、非常に小さな穴があいていて、そのまわりが変色しています。偶然か作意かはわかりません。
径でいうと大きめの抹茶茶碗ほどなのですが、やはり鉄鉢形、みかけよりずっと大きいです。菓子を入れるのに十分です。
ふっくらとした形もいいですし、これからの季節にぴったりの文様ではないでしょうか。
雨漏りと言えば李朝白磁ですが、ある意味では欠点とも思える部分に美を見出すのが
日本人の美意識の優れた部分かも知れません。
シミの部分は、よく見るとピンホールがあります。陶磁器ですから、李朝でもなんでも同じですね。それを、難点とみるか味と見るかで180度変わってくるのが面白いです。シミが丸いからいいんでしょうね。