コロナウイルスに負けるなシリーズ、第5弾です。
ちょうど一か月前、ブロ友と、「下手をすると、マスクだけでなく、トイレットペーパーやティッシュペーパーもなくなるかも」「まさか、オイルショックじゃあるまいし」と冗談めいたコメントを交わしました。
それが、あれよあれよという間に、現実となってしまいました。
コロナウイルスにのって、さもしい根性が、政治家から人々へと感染したのでしょうか。
そこで、マスクの時と同じように、苦しい時の故玩館頼み。巷にないのならと、ガラクタの山をかき分けてみました。
見つけたのが、これです。
蓋が失われたボロボロの箱に美しい女性が、何やら手にとっています。
「各御家庭之必需品」 「新案特許 塵紙切取器」
「登録商標 巻之花紙本舗」
中に何か入っています。
縦18.5x横18x高18 ㎝
戦前の品ですが、詳しい時代はわかりません。
御座敷用です。
確かに、「塵紙切取器」です。特許もとっているようです。
金具を押すと・・・・・おぉー、ジャバラになっています。
中には、巻紙が入っていて、くるくる回ります。
この穴に指を入れて・・・
押してやると、紙が出てきます。
ずずっと引っ張って・・・
ギザギザの金具で、切り取ります。
中に入っていたロールペーパー、ちょうどトイレットペーパーくらいの大きさです。
250の数字は何?
どうやら、塵紙切取器ではなく、ロールペーパーを売りたかったようです。キャッチコピーがボロボロで読めませんが、行間からは、この画期的な製品を売ろうとの熱意が伝わってきます。
でも、250個くらいしか売れなかったのかも知れません(^^;)
静岡市の川村紙店が巻之紙本舗で、この器具を併せて製作したと考えられます。
内部には、ロールペーパーの心棒を受ける金具が左右にあります。
さらにその奥には、バネがついたクランプのような棒があります。これは、ペーパーを引っ張ったとき、ザッーっと出すぎてしまわないよう、抵抗をかけるための装置です。
うーん、芸が細かい。さすが特許だけのことはありますね。
宣伝用か上客へのサービスとして、お茶問屋さんが配った品でしょう。
接合部が、木組みになっているのもうれしい。
この塵紙切取器、トイレットペーパー型ティッシュペーパーというような製品です。
当時としては、洒落た品です。
どんな人が、どんな時に、これを使っていたのでしょうか。
この切取器で、ゆっくりと紙を切り、切った紙をゆっくりと使えば、巷の紙不足はたちまち解消(^_^)
せちがらい世の中で、少しだけほっこりできます(^.^)
すごい!素晴らしい!
塵紙 花紙(本舗)…なんだか懐かしい言葉です。
遅れて生きている私としては、何ともくすぐったい感じがします(^.^)
今、欲しいと言っても手に入るものではない優れものです。
テーブルの上に置いておきたいですね。
時代が少し早すぎた?
ギスギスした今の時代、こういう物を手元においておくと、ゆとりも一緒に手に入る気がします(^.^)
ちり紙は記憶に新しいですが、私の子供たちはちり紙なんて知りません。
湯水のごとく使うトイレットペーパー、あって当たり前で、
その有り難さを痛感しています。
それにしても始めてみる、初めて耳にする箱でした。
いずれにせよ、当時は高級品、ダダクサ(^^;)に使う物ではないです。
今のこういう時代、物のありがたさを考え直すきっかけになればいいですね。
その頃ロールペーパーの技術があったのですね~。発想は海外のトイレットペーパーでしょうね。
戦前の日本にトイレットロールはあったそうですが、物の性格上、残っていないそうです(^^;)
その点では、今回のお座敷ロールは希少品かもしれません(^_^)