遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

戦前のロールペーパー

2020年03月10日 | コロナに負けるな

コロナウイルスに負けるなシリーズ、第5弾です。

ちょうど一か月前、ブロ友と、「下手をすると、マスクだけでなく、トイレットペーパーやティッシュペーパーもなくなるかも」「まさか、オイルショックじゃあるまいし」と冗談めいたコメントを交わしました。

それが、あれよあれよという間に、現実となってしまいました。

コロナウイルスにのって、さもしい根性が、政治家から人々へと感染したのでしょうか。

 

そこで、マスクの時と同じように、苦しい時の故玩館頼み。巷にないのならと、ガラクタの山をかき分けてみました。

見つけたのが、これです。

蓋が失われたボロボロの箱に美しい女性が、何やら手にとっています。

「各御家庭之必需品」 「新案特許 塵紙切取器」

「登録商標 巻之花紙本舗」

 

中に何か入っています。

 

          縦18.5x横18x高18 ㎝

戦前の品ですが、詳しい時代はわかりません。

御座敷用です。

確かに、「塵紙切取器」です。特許もとっているようです。

 

金具を押すと・・・・・おぉー、ジャバラになっています。

 

中には、巻紙が入っていて、くるくる回ります。

 

この穴に指を入れて・・・

 

押してやると、紙が出てきます。

 

ずずっと引っ張って・・・

 

ギザギザの金具で、切り取ります。

 

中に入っていたロールペーパー、ちょうどトイレットペーパーくらいの大きさです。

250の数字は何?

どうやら、塵紙切取器ではなく、ロールペーパーを売りたかったようです。キャッチコピーがボロボロで読めませんが、行間からは、この画期的な製品を売ろうとの熱意が伝わってきます。

でも、250個くらいしか売れなかったのかも知れません(^^;)

静岡市の川村紙店が巻之紙本舗で、この器具を併せて製作したと考えられます。

内部には、ロールペーパーの心棒を受ける金具が左右にあります。

さらにその奥には、バネがついたクランプのような棒があります。これは、ペーパーを引っ張ったとき、ザッーっと出すぎてしまわないよう、抵抗をかけるための装置です。

うーん、芸が細かい。さすが特許だけのことはありますね。

 

宣伝用か上客へのサービスとして、お茶問屋さんが配った品でしょう。

 

接合部が、木組みになっているのもうれしい。

 

この塵紙切取器、トイレットペーパー型ティッシュペーパーというような製品です。

当時としては、洒落た品です。

どんな人が、どんな時に、これを使っていたのでしょうか。

この切取器で、ゆっくりと紙を切り、切った紙をゆっくりと使えば、巷の紙不足はたちまち解消(^_^)

 

 

 


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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (soratomina)
2020-03-10 09:53:36
おはようございます すごいのひとことです 
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soratominaさんへ (遅生)
2020-03-10 10:07:21
ニンマリできる先人の知恵。

せちがらい世の中で、少しだけほっこりできます(^.^)
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ロールペーパー (ゆり)
2020-03-10 15:26:25
こんにちは。

すごい!素晴らしい!

塵紙 花紙(本舗)…なんだか懐かしい言葉です。
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ゆりさんへ (遅生)
2020-03-10 15:53:44
こういう時代になってくると、妙なもんですね、古いのが新しい。

遅れて生きている私としては、何ともくすぐったい感じがします(^.^)

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こんにちわ遅生さん (たか)
2020-03-10 17:20:44
これは面白いものをお持ちですね。
今、欲しいと言っても手に入るものではない優れものです。
テーブルの上に置いておきたいですね。
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たかさんへ (遅生)
2020-03-10 19:29:25
当時としては、大真面目な品だったのでしょうね。
時代が少し早すぎた?

ギスギスした今の時代、こういう物を手元においておくと、ゆとりも一緒に手に入る気がします(^.^)
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Unknown (tkgmzt2902)
2020-03-10 20:30:10
この頃にトイレットペーパーがあったのてすね。
ちり紙は記憶に新しいですが、私の子供たちはちり紙なんて知りません。
湯水のごとく使うトイレットペーパー、あって当たり前で、
その有り難さを痛感しています。
それにしても始めてみる、初めて耳にする箱でした。
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tkgmzt2902さんへ (遅生)
2020-03-10 21:12:43
これは、トイレットペーパーとそっくりですが、切って使うチリ紙です。お座敷用です(^^;)
いずれにせよ、当時は高級品、ダダクサ(^^;)に使う物ではないです。

今のこういう時代、物のありがたさを考え直すきっかけになればいいですね。
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Unknown (tkgmzt2902ちゃぐまま)
2020-03-10 22:22:41
お座敷で使うからロールペーパーなんですかね。絵がいいですね。
その頃ロールペーパーの技術があったのですね~。発想は海外のトイレットペーパーでしょうね。
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tkgmzt2902ちゃぐままさんへ (遅生)
2020-03-11 06:59:59
ロールペーパー、おしゃれで貴重品だったんでしょう。美しい女性が使うと絵になりますね。

戦前の日本にトイレットロールはあったそうですが、物の性格上、残っていないそうです(^^;)
その点では、今回のお座敷ロールは希少品かもしれません(^_^)
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