先日、古伊万里の瓢箪形変形皿を紹介しました。
どうやらこの皿は、江戸時代前期に製作された変形皿であることがわかりました。
実は、この皿よりもずっと前に、古九谷変形皿というふれ込みで、同じような瓢箪形変形皿(5枚組)を入手していました。所在が分からなかったのですが、例によって、何でもない所にポンと置いてありましたので、今回紹介する次第です。
12.7㎝x12.7㎝、高 1.9㎝。高台径 7.4㎝x7.4㎝。江戸時代中期以降。
瓢箪型の変形皿5枚です。
以前に紹介した古伊万里瓢箪形変形皿とよく似ています。
以前の品と同じく、器の外周は、鉄釉で口紅が塗られています。
瓢箪下部に、丸紋が3つ。一つは幾何学模様、他は、松と竹が丸の中に描かれています。染付と色絵が併用されています。
裏面には、梅が3方に描かれています。
表面の丸松紋、丸竹紋と合わせて、松竹梅になっているのですね。
裏面の中央に福銘があります。
針支え跡はありません。
陽刻は、表面すべてに施されています。
薄いのではっきりとはわかりませんが、草花(唐草)紋の陽刻です。
Dr.Kさんがブログにアップされた瓢箪型変形皿の陽刻によく似ています。
なお、以前のブログで紹介した古伊万里の瓢箪形変形皿を江戸前期の作としました。今回の瓢箪形変形皿は、それよりも時代が下がった品と判断できます。古九谷はチョッと無理なようです(^^; よって(時代の玉突きで(^^;)、今回の品を江戸時代中期以降の作とさせていただきます。
次回に、以前の瓢箪型変形皿(1枚)と今回の5枚組変形皿とを比較してみます。
コピー品が出回るのは、それだけ根強い需要があるからなのでしょう。
もう一つややこしいのは、同じような瓢箪型変形皿(真面目な品)がず~っと近年まで作られていることです。
両者を見分けるのは、至難の業ですね(^^;
何分にもワタシの場合、本歌も写しも時代下がりも所有していないので、さっぱり判りません
後世の写しが存在するのを先に知ってしまったが故に、手が出せなかったというお粗末な結果となっています。
鉄錆の色や成形の甘さ、陽刻の鋭さなどを判断基準にする人も居るようですが
時代はともかく、五客揃いがお宝なのは間違いないと思います。
というのも、先日、ネットで、九谷の名工、矢口永寿作の瓢箪型変形皿を見ました。そっくりです。
ただし、裏底に「永寿」の銘がはいっていました。
それがなければ、江戸中期作で十二分に通用する品だと思います。
まあ、いずれにしても、今回の5枚は古九谷と言えないことだけは、ハッキリとしています(^^;
この瓢箪形変形皿というものは、伊万里でもヒット商品だったようで、かなり長い間作られていたようですよね。
しかも、最近は、よく、ネット上にも登場してきますね。
長期間にわたって作られ、かなりの数が残存しているのでしょうね。
そんなところから、先日、私も瓢箪形変形皿1枚を江戸前期の終り頃の作として紹介したところではありますが、その後、その製作年代については迷っているところです(~_~;)
遅生さんが、先日、瓢箪形変形皿1枚を江戸前期の終盤の作として紹介されたわけですが、どうも、私の所蔵品のほうが、それよりもちょっと新しいものなのではないかと迷っているわけです(~_~;)
江戸前期はなく、江戸前期の終盤も越えた江戸も中期に入ってしまうのではないかと思うようになってきたわけです。
そんなことから、この瓢箪形変形皿(5枚組)は、江戸中期でしょうけれど、私の所蔵する瓢箪形変形皿1枚よりは、少し後に作られた江戸中期のものなのかな~と思ったしだいです。
製作年代については、いろいろと迷いますね(~_~;)