面白古文書『金玉尽・鳥尽』の4回目です。
左側(西方)、鳥尽しの上段です。
今回は、番付が上位のせいか、比較的分かりやすいものが多く、赤(ギブアップ)無しでした。瓦版形式のおもしろ番付をこれまでいくつか紹介してきました。いつも、赤の連続。でも、たまにはこんな事もあるのですね(^.^)
大関 公家衆ニ鍋とり
(公家衆に鍋取り)
関脇 武家方ハ弓とり
(武家方は弓取り)
小結 御肴ハ口とり
(御肴は口取り)
前頭 御供ハ草履とり
(御供は草履取り)
前頭 武士ハ扶持とり
(武士は扶持取り)
前頭 軍の陣どり
(軍の陣取り)
前頭 高名の分どり
(高名の分捕り)
前頭 竜官の玉とり
(竜官の玉取り)
前頭 大友の真とり
(大友の真取)
前頭 妹背山ニ雛どり
(妹背山に雛鳥)
前頭 盛衰記ニ千どり
(盛衰記に千鳥)
前頭 百姓ハ草とり
(百姓は草取り)
前頭 息子ハ嫁とり
(息子は嫁取り)
前頭 娘子に聟とり
(娘子に聟取り)
前頭 親々の気どり
(親々の気どり)
前頭 角力取ハ関とり
(角力取は関取)
前頭 芝居に頭どり
(芝居に頭取)
前頭 舟ハ梶とり
(舟は梶取り)
前頭 惣領息子に世とり
(惣領息子に世取り)
前頭 揚弓の矢とり(揚弓の矢取り)
【鍋取り公家(なべとりくげ)】下級公家を揶揄する呼称。
【弓取り(ゆみとり)】弓矢で戦う者 = 武士。
【口取り、口取り肴(くちとりさかな)】かまぼこや伊達巻など、それから魚や鶏肉、野菜類を甘く調理したもの。
【草履取り(ぞうりとり)】武士などに仕えて、主人の草履を持って供をした下僕。
【扶持取り(ぶちとり)】江戸時代に米で支払われた武士の給与法。一人分を一日5合、一年で一石八斗とした。喰い扶持の語源。それに対して、旗本、大名などの上級武士は「知行取り」で、拝領領地が給与に相当した。
【陣取り(じんとり)】軍事陣地を築き、確保すること、相手の陣を奪うこと。
【分捕高名(ぶんどりこうみょう)】戦場で、敵の首に、大刀、兜などを添えて取ってくること。】
【竜官(りゅうかん)】古代の官職。大納言、中納言の別称。竹取物語の中で、大伴大納言が竜の首の玉を取りに行った。
【大友の真取(おおとものまとり)】「大友真取」:歌舞伎、浄瑠璃の外題。
【妹背山(いもせやま)】【雛鳥(ひなどり)】歌舞伎、浄瑠璃の「妹背山婦女庭訓」は、敵対しあう二つの名家の息子・久我之助(ごがのすけ)と娘・雛鳥(ひなどり)の悲恋物語を扱ったもので、日本版ロミオとジュリエットとも言われる「妹背山」は、久我之助と雛鳥が閉じ込められた吉野川の両岸にある妹山と背山を合わせた呼び名。
【盛衰記(せいすいき)】【千鳥(ちどり)】歌舞伎「ひらかな盛衰記」。恋に生きた源太と千鳥。
【頭取(とうどり)】楽屋頭取)。楽屋のいっさいの取り締まりをする役。古参役者から選ばれ、楽屋入り口の頭取座に詰めた。
【惣領息子(そうりょうむすこ)】跡目を継ぐべき息子。一般には長男。
【世取り(よとり)】家の跡目を継ぐこと。
【揚弓(ようきゅう)】長さ2尺8寸(約85cm)ほどの小弓。元々は楊柳で作られたのでこの名がある。さらに、これを使って的に当てる遊びも「楊弓」と呼ばれた。室町時代は、公家社会の遊戯だったが、江戸時代には神社や盛り場に作られ、明治時代、非常に繁盛した(揚弓場、矢場)。
【矢取り(やとり)】揚弓場には、矢を拾ったり客の応対をしたりする女性がいて、後には娼婦を兼ねるようになった(矢取り女、矢場女、矢拾い女)。
でも、次からはまた、赤の嵐まちがいなしです(^^;
それは凄いですね!
私も、解説を読んで、全部が分かりました(^_^)
でも、やはり、解説がないと、チンプンカンプンの所が多かったです(~_~;)