Mr.Dashのぶろぐ館

奈良・大阪・日本アルプスの山々が大好きな、Mr.Dashのブログです。

2017年10月4日(水) 大峰奥駈屈指のパワースポット・玉置山と、宝冠ノ森を歩く

2017年10月05日 | 山登りの記録
■メイン写真
快晴の玉置山の山頂から、熊野灘を眺める

■今回のコース
玉置神社駐車場→玉置神社→勧業山記念碑→宝冠ノ森→勧業山記念碑→玉置山→
玉置神社駐車場


玉置山は、大峰奥駈道の南部にあたり、熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、
熊野那智大社)の奥ノ院に位置づけられる玉置神社が山頂直下に鎮座する、
奈良県、いや関西、いや日本で屈指のパワースポットといえる。

玉置山へは、大峰奥駈道の縦走途中に登るほかは、十津川村の折立などからの
登路が一般的だが、京阪神から日帰りでその頂を踏もうとすると、玉置神社の
駐車場までクルマで上がらざるを得ない。

今回は、手抜き登山と言われようが、その手でアプローチし、代わりに
玉置神社から、天然記念物の巨杉をみて、磐座信仰の跡が残る宝冠ノ森を往復し、
神秘的な世界を感じてきた。玉置山は、本当に久しぶりである。



駐車場の売店の先に、神社へ向かう鳥居がある。



枕状溶岩(天然記念物)だというが、海底火山だったのか。
地質に疎いもので、ただ険しい岩壁としか見えない。。。



神代杉の横を通る。樹齢3000年というから、本当に神代からあったんだ。
この樹こそ、神が宿っていそう。



奈良県下最大と言われる大杉。胸高幹囲は8.7m、樹高は40mに達する。



玉置神社の本殿。
神武東征の折、熊野の浜辺から大和をめざす途上、玉置山で安全を祈願し
「十種の神宝」を奉じたとか、第10代崇神天皇が、天下安泰、悪魔退散を
祈願し創建したとも。
祀られているのは天祖神・国常達尊(クニノトコタチノミコト)、
イザナギ尊、イザナミ尊というから、とにかく気の遠くなる歴史を感じる。



本殿裏にある夫婦杉。金剛山の夫婦杉より二回りほどデカい。



社務所前には、お神酒がセルフサービスになっている。
銘柄は「神代杉」。



宿坊のすぐ横には、浦杉がある。少し小さめとはいえ、これもすごい。

今回は廻らなかったが、このほかに名前がある巨杉に、常立杉、磐余杉がある。



三柱社のおいなりさんは、狐というより、ほぼニホンオオカミの顔をしている。



神社の右手に進み、この分岐から宝冠ノ森をめざす。



緑がきれいだ。日本アルプスでは紅葉がたけなわというのに、紀伊半島はまだ
青々としている。

尾根に出ると、急に向こうから風が通り抜けてきて寒い。
ここに、十津川の歴史がしのばれる二つの石碑が立つ。



上平主税(かみだいら・ちから)の碑。
十津川の野尻の出身で、江戸時代末期から明治時代前期の人。
医者であり、国学者であり、勤皇運動に奔走。キリスト教信者の殺害を首謀した
咎で伊豆の新島に流されるが、そこで医師として島民に種痘を施し、尊敬と
感謝を集める。恩赦で十津川に戻り、玉置神社の祠官として一生を終えた。



その向かいに立つのは、勧業山記念碑。
十津川郷士による勤皇運動で、維新後、村は窮乏したため、明治15年に更谷喜延らが
政府に勧業資金の貸付を請願した。5年後に貸与された3万円を元手に、近隣の山に
植林が行われたというもの。



尾根はブナ、カエデ、ヒメシャラなどの美林。



ブナの実がたくさん落ちていた。



小ピークから、南東、鷲ノ巣山、鵯山などが見渡せる。



と思ったら、足元はスパッと切れ落ちた鎖場になっている。



ここは狭い岩稜のキレットになっていて、迫力バツグン。



登り返しも、鎖が張られている。



その先では、新宮市の飛び地あたりが見える。北山川の超・蛇行部分だ。



はるか昔に人の手で加工された跡がみられるヤセ尾根や、短い鎖場を経て、
宝冠ノ森に到着。大峯奥駈行の行所でもある。

その昔、この磐座のピークは、権現垂迹の聖地とされ「大毘盧遮那嶽」とも
称されていたという。
なるほど、鎖場を幾つも越えてこないと行けない特別な場所というわけだ。



宝冠ノ森のすぐ先からは、大展望が広がる。

すぐ東には、西ノ峯(1123m)がそびえる。
目線を少し右へ移動させると、少し霞んでいたが、太平洋が彼方に見えた。

真南には子ノ泊山、大雲取山、そして手前に甲森のピークと、なんとも贅沢。



秋の空のように澄みきった気持ちになり、もとの道を戻る。
途中、薄いガスが消え去り、青空が広がって、より心地いい。
ふと見上げれば、シラキなど一部の樹種で紅葉が始まりかけている。

勧業山記念碑から尾根道を登ると、間もなく石楠花の群生を抜け、
ひょんと広場に出たら、そこは玉置山の山頂だ。



別名・沖見岳といわれるだけあって、熊野灘が見下ろせる。
青く見える山々は、一族山から子ノ泊山、烏帽子山などにかけての山々だろう。
山頂には沖見地蔵尊の祠と、一等三角点がある。



北側を振り向けば、石楠花群の向こうに電波塔が建つ。



電波塔の横を抜け、花折塚への分岐で左に下ると、駐車場の横に出る。



駐車場からは、今度は西側の展望が見事だ。

左から、大塔山、法師山、百間山のひと塊、真中に果無山脈、右に鉾尖岳、
護摩壇山、伯母子岳まで、紀伊半島・和歌山の名山たちがズラリである。



なお、かつえ坂の北には、世界遺産の石碑と、板張りの展望デッキが
あるが、デッキは板の一部が腐食して抜けており、立入禁止になっていた。
こういうの、ちゃんと早く修理してね。



帰りに、道の駅十津川郷の足湯で休憩していたら、前を通りかかった
ライトバンから呼ぶ声が。
なんと同じガイド協会に所属するTガイドだった。彼もこの日、玉置山に
登ってきたという。なんという偶然。


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