■メイン写真
書写山圓教寺の食堂から眺める青もみじ
■今回のコース
刀出バス停→刀出古墳(天満神社)→刀出登山口→清流の滝→圓教寺→書写山(白山権現)→
はづき茶屋→(六角坂)→六角バス停
姫路の書写山には、"第2の比叡山"と言われ栄えた圓教寺があり、主要なものだけでも
6つのルートがある。今回、自然度が高い刀出ルートを登り、六角坂ルートで下りてみた。
なお、圓教寺は映画「ラストサムライ」や大河ドラマ「軍師官兵衛」など、多くの
ロケが行われた"聖地"でもある。
姫路駅北口から、神姫バスで刀出へ向かう。
天満神社の真下に刀出古墳があり、横穴式石室を覗くことができる。
神社の祠の右には、姫路市保存樹のムクノキが、すごい存在感を示している。
振り向くと、農村風景の中に唐突に、太陽公園の白鳥城が見える。
ドイツのノイシュバンシュタイン城を2/3サイズで再現したもの。
メガソーラー発電所を回り込み、刀出登山口へ。さあ、ここから山道だ。
ほどなく小沢を渡る。ここだけだが、大げさなほどの欄干が設けられている。
このあとも何度か沢を渡るが、いずれもたやすく渡れるものばかり。
石畳の沢沿いの道は、水冷効果なのか、なかなか涼しい。
日本庭園のような絶妙な流れの清流の滝をみる。
巨岩にお地蔵さん。昔から参道としてよく使われてきたのだろう。
真っ赤なキノコ。調べたが、似ているのが多すぎて同定を諦める。
シソバタツナミ。
ホオノキの実に生える、ホソツクシタケを発見。
珍しいが、正直ちょっと気持ち悪い。
頭上にはエゴノキの花。もうそんな季節になったか。
お昼前に、圓教寺の境内に到着。境内に入る直前でランチタイムとした。
裏手から登ってきたので、いきなり奥の院だ。
立派なつくりの開山堂。圓教寺を開いた性空上人の廟所である。
開山堂の屋根を支える軒下の隅には、名工・左甚五郎の作と伝わる力士像があるが、
なぜか北西の隅だけ姿がない。
説明板には「力士が余りの重さに耐えかねて逃げ出した」とあり愉快だ。
ズームレンズの限界距離だったが、ホオジロを撮れた。
展望台付近は、青もみじが美しい。そういえば、秋にここに来たことがないが、
さぞかし綺麗なことだろう。
「ラストサムライ」のロケ地、食堂(じきどう)。
中に入って、映画のシーンを再現したポーズで写真を撮るのもおもしろい。
食堂は、建築の際にどう間違えたのか、隣の常行堂に屋根が当たっている。
裏手から白山権現に上ると、そこは書写山の最高点。
白山権現は、圓教寺ができる前から、素戔嗚尊を祀っていたという。
ここに降り立ったというスサノオの「スサ」の音に「書写」という字を当てたという。
なるほどなあ。
どうでもいいが「書写山」は発音しにくい。早口言葉で3回噛まずに言えたらすごい。
山頂付近で見つけたカンゾウタケ。
境内某所で偶然見っけたのは、ヨウラクラン。
着生植物なので、カエデの幹にへばりついていた。
ひとつの花のサイズは、ランの中では世界最小級だという。
その花が穂状につながることから、玉の首飾りを指す「瓔珞(ようらく)」の名がある。
摩尼殿。清水の舞台を思わせる「懸造り(かけづくり)」がすばらしい。
こんな山の上に、よくこんな建造物を築いたものだ。
下山は六角坂。ここも古くからの参道だが、ずっと小さな沢に沿っており、
何度か流れを渡ったりするので、参道というより、普通の登山道の風情だ。
ユキノシタ。
下山中によく見かけたのはハンカイソウ。
ガンピの花。ガンピは、和紙の原材料。
ガクウツギ。
六角坂の入口には、是跳躍2mの石造笠塔婆が立つ。
集落に出て六角北橋を渡ると、六角バス停だ。ちょうどいい「お山歩」の一日だった。