人生のベテランさんたちと、京都の比叡山に行った。
ともちゃんは別パーティの引率で、最近、同ルートを歩いており記憶も新しいが、
Mr.Dashにとっては30年ほどのブランクがある山。
もはや記憶の大半は飛んでおり、机上の知識に頼るしかない。
山を始めた中学校の頃、京都北山がフィールドだった。
叡山電車は、鞍馬からの帰路、よく利用したものだ。
久しぶりに来た出町柳駅。
緑色のツートンで、丸みを帯びた昔の叡山電車は今はなく、
まるでスイスの観光列車を思わせるような、赤いボディに、大きな展望窓の
ついた新鋭車両がホームにやってきた。
座席の配置に2度びっくり。乗客が景色を楽しめるよう、なんと窓側を向いて
据え付けられているのである。
すばらしい工夫であり、景勝地をめぐる鉄道会社は参考にすべし。
しかし今日は、美しい景色が始まる前、まだ住宅地の真っ只中、修学院駅で下車。
どんよりとした雲が空を覆う、雪がちらつく天気だが、仕方ない。
しばらく音羽川沿いに歩き、堰堤の手前の木橋を渡る。
ちょうど、向こうから蛍光色の上着を来たおっちゃんが下りてきた。
ハンターかなと一瞬思ったら「この先に60~70頭のサルの群れがいるから、
目を合わせたり、刺激しないようにね」とアドバイスしてくれた。
自然保護パトロールの人のようだった。
雲母坂に入る。深いU字溝の登山道が続くのが、ここの特徴。
だらだらした登り坂だ。
ほどなく、周囲がケモノ臭くなる。パーティの最後尾を歩くMr.Dashの
左後方で、カサカサという音。
振り向くとサルの群れが遠巻きにゾロゾロとU字道の右岸側のはるか上を
歩いている。出たな。
まもなくパーティの先頭にもサル軍団が登場。U字状がしばらくなくなる平坦な
箇所をワラワラと横断。見れば、左側にもサル、サル、サル。
こんな群れに囲まれたのは初めてだ。向こうから、ちょっかいをかけてくることはない。
なお、先頭を歩くともちゃんは、サルの貴重な一瞬を冷静にカメラに収めていた。
冬季休業中のケーブル駅まで来ると、雪が薄いが一面に積もっている。
駅の軒下で、早めの昼食。ラーメンが美味い。
スキー場跡は、滑れるほどの積雪はもちろん、ない。
それにしても、こんな短いゲレンデでも昔は賑わったという。
ガーデンミュージアム(冬季休業中)横の駐車場は閑散としている。
琵琶湖方面の眺めは薄いガスのせいでイマイチ。
それでも大津の噴水と近江大橋はちゃんと見えた。
ここから一等三角点の大比叡のピークはわずか。
有名な比叡山にしては、きわめて地味な頂上であり、展望も皆無。
今まで見てきた一等三角点の中でも、もっとも不遇な印象を受けた。
登山道が凍結してきたのでアイゼンを着け、延暦寺の境内へ。
阿弥陀堂は朱塗りの工事が間近な雰囲気。
浄土院、椿堂、転法輪堂、牧水碑を経て、比叡山ドライブウェイの
下の狭いトンネルをくぐる。北への縦走路に入ったのだ。
玉体杉は、強い風が通るはずの稜線に立派に根を張っている。
スギは通常、尾根上の痩せた土壌を嫌う。
千日回峰行を行う行者さんが、ここで御所に向かって帝の安泰を祈ったと
いうパワースポットである。スギ自体が、強いパワーに守られているのか、
それとも、スギ自身が持つパワーなのか。
横高山の手前の峠を西に下る。八瀬の秋元へまっしぐら標高差およそ550mを
下りて行くルートだ。
初めはカエデを中心とした雑木林、続いてモミの若木が目立つ樹林帯、
そして最後はクヌギ、アベマキが目立つ。
本来の山の傾斜は非常に急だが、登山道は九十九折に作られており、
ずっと雑木林だったので、積もる落ち葉を踏みながら、じつに気持ちよく歩けた。
やや倒木が多かったのは台風のせいか。
滝音がした。沢筋が近づいている。この沢を回り込んで渡渉するのだが、
渡渉地点の崖が無残に崩壊しており、パイオニア植物として定番の
トゲ系の植物が登山道に伸び放題になっていた。ここは夏場は大変だろう。
京都バスの停留所、その名も「登山口」に着いたのは、17:00前。
雪や急な傾斜で、思うようにスピードを出せなかったが、7時間40分の
長丁場を歩き通せたパーティの皆さんに拍手。
バスを待つ間、持参した10年モノの自家製梅酒を、皆さんにふるまう。
お湯で割る人、くーっと25度のアルコールを飲み乾す人、
下山後の一杯はサイコーである。
比叡山は、雲母坂のだらだらした坂の古い思い出に囚われて、
これまで避けていたが、今回、歩きなおしてみて、なかなか趣のある
山であることを再発見できた。
ともちゃんは別パーティの引率で、最近、同ルートを歩いており記憶も新しいが、
Mr.Dashにとっては30年ほどのブランクがある山。
もはや記憶の大半は飛んでおり、机上の知識に頼るしかない。
山を始めた中学校の頃、京都北山がフィールドだった。
叡山電車は、鞍馬からの帰路、よく利用したものだ。
久しぶりに来た出町柳駅。
緑色のツートンで、丸みを帯びた昔の叡山電車は今はなく、
まるでスイスの観光列車を思わせるような、赤いボディに、大きな展望窓の
ついた新鋭車両がホームにやってきた。
座席の配置に2度びっくり。乗客が景色を楽しめるよう、なんと窓側を向いて
据え付けられているのである。
すばらしい工夫であり、景勝地をめぐる鉄道会社は参考にすべし。
しかし今日は、美しい景色が始まる前、まだ住宅地の真っ只中、修学院駅で下車。
どんよりとした雲が空を覆う、雪がちらつく天気だが、仕方ない。
しばらく音羽川沿いに歩き、堰堤の手前の木橋を渡る。
ちょうど、向こうから蛍光色の上着を来たおっちゃんが下りてきた。
ハンターかなと一瞬思ったら「この先に60~70頭のサルの群れがいるから、
目を合わせたり、刺激しないようにね」とアドバイスしてくれた。
自然保護パトロールの人のようだった。
雲母坂に入る。深いU字溝の登山道が続くのが、ここの特徴。
だらだらした登り坂だ。
ほどなく、周囲がケモノ臭くなる。パーティの最後尾を歩くMr.Dashの
左後方で、カサカサという音。
振り向くとサルの群れが遠巻きにゾロゾロとU字道の右岸側のはるか上を
歩いている。出たな。
まもなくパーティの先頭にもサル軍団が登場。U字状がしばらくなくなる平坦な
箇所をワラワラと横断。見れば、左側にもサル、サル、サル。
こんな群れに囲まれたのは初めてだ。向こうから、ちょっかいをかけてくることはない。
なお、先頭を歩くともちゃんは、サルの貴重な一瞬を冷静にカメラに収めていた。
冬季休業中のケーブル駅まで来ると、雪が薄いが一面に積もっている。
駅の軒下で、早めの昼食。ラーメンが美味い。
スキー場跡は、滑れるほどの積雪はもちろん、ない。
それにしても、こんな短いゲレンデでも昔は賑わったという。
ガーデンミュージアム(冬季休業中)横の駐車場は閑散としている。
琵琶湖方面の眺めは薄いガスのせいでイマイチ。
それでも大津の噴水と近江大橋はちゃんと見えた。
ここから一等三角点の大比叡のピークはわずか。
有名な比叡山にしては、きわめて地味な頂上であり、展望も皆無。
今まで見てきた一等三角点の中でも、もっとも不遇な印象を受けた。
登山道が凍結してきたのでアイゼンを着け、延暦寺の境内へ。
阿弥陀堂は朱塗りの工事が間近な雰囲気。
浄土院、椿堂、転法輪堂、牧水碑を経て、比叡山ドライブウェイの
下の狭いトンネルをくぐる。北への縦走路に入ったのだ。
玉体杉は、強い風が通るはずの稜線に立派に根を張っている。
スギは通常、尾根上の痩せた土壌を嫌う。
千日回峰行を行う行者さんが、ここで御所に向かって帝の安泰を祈ったと
いうパワースポットである。スギ自体が、強いパワーに守られているのか、
それとも、スギ自身が持つパワーなのか。
横高山の手前の峠を西に下る。八瀬の秋元へまっしぐら標高差およそ550mを
下りて行くルートだ。
初めはカエデを中心とした雑木林、続いてモミの若木が目立つ樹林帯、
そして最後はクヌギ、アベマキが目立つ。
本来の山の傾斜は非常に急だが、登山道は九十九折に作られており、
ずっと雑木林だったので、積もる落ち葉を踏みながら、じつに気持ちよく歩けた。
やや倒木が多かったのは台風のせいか。
滝音がした。沢筋が近づいている。この沢を回り込んで渡渉するのだが、
渡渉地点の崖が無残に崩壊しており、パイオニア植物として定番の
トゲ系の植物が登山道に伸び放題になっていた。ここは夏場は大変だろう。
京都バスの停留所、その名も「登山口」に着いたのは、17:00前。
雪や急な傾斜で、思うようにスピードを出せなかったが、7時間40分の
長丁場を歩き通せたパーティの皆さんに拍手。
バスを待つ間、持参した10年モノの自家製梅酒を、皆さんにふるまう。
お湯で割る人、くーっと25度のアルコールを飲み乾す人、
下山後の一杯はサイコーである。
比叡山は、雲母坂のだらだらした坂の古い思い出に囚われて、
これまで避けていたが、今回、歩きなおしてみて、なかなか趣のある
山であることを再発見できた。