■2011年8月10日(水)
快晴の一日。
マッターホルンは、久々の登頂者でにぎわっていることだろう。
16日、ラストチャンスのアタック日も、悪天候で中止になるかもしれない。
それならば、せめて晴れた日に、少しでもマッターホルンの近くに
行ってみたい。
そこで、登山拠点となるヘルンリ小屋(3260m)まで登ってみることにした。
ツェルマットからゴンドラに乗りFuri駅でロープウェイに乗り換え。
シュワルツゼー("黒い湖"の意)で途中下車する。この時点で標高2853m。
雲ひとつない快晴。正面にドーンとマッターホルンが立ちはだかる。
ああ、今日は登頂している人もいるんだろうな。
シュワルツゼーからヘルンリ小屋までは、徒歩で約2時間半ほどかかるという。
40分ほどで鉄の桟橋帯に着き、さらに20分ほど行けば十字架が立っている。
過去、500人以上の登山者の命を呑み込んだマッターホルンが、
このときばかりは恐ろしく見え、クリスチャンでもないのに、思わず神の
ご加護を願った。
やがて緑っぽい岩が転がる急斜面(といっても、たかが知れている)を
ひたすら登り、ヘルンリ小屋に着いた。
ともちゃんと話をしながら普通に歩いて、2時間ほどだった。
ヘルンリ小屋は、なかなか立派な小屋だ。表の広いテラスで、ハイカーが
ビールを飲んでいる。ここが大半の人にとって終点なのである。
マッターホルンの穂先、といっても標高差にしてまだ1300m近くもあるのだが、
その巨大な穂先が、本当に眼前にド迫力で迫っている。
感激の瞬間である。
小屋の内部はウッディで、心底くつろげる。
飲み物はもちろん、少々高いが、ロスティなど郷土料理も頼める。
せっかくなので登山口を偵察する。
崖上に、聖母マリア像が鎮座する。
いきなり垂直に近い登攀で、フィックスロープと鉄製の足場でルートが
つくられている。
本番は、ここをまだ暗いうちに登っていくのである。
その先も、恐ろしいほどの岩壁が、雪に彩られて続いている。
下山は、氷河を眺めながらのんびり歩いた。
途中で、登ってくるベテラン日本人登山者に出会ったが、
鹿児島の元教師で、現地の山岳会の会長さんをやっておられるという
元気なおっちゃんだった。
屋久島の記事を「山と渓谷」に書いたことがあるとのことで、
妙な同朋意識が芽生えた。
彼とは、5日後に再び、ヘルンリ小屋で会うことになる。
果たしてマッターホルンに登れる日が来るのか、
これが最接近のひと時となるのか。
しかし、ヘルンリ小屋まで行って写真を撮れたことで、
最低限の希望が叶った気がした。
快晴の一日。
マッターホルンは、久々の登頂者でにぎわっていることだろう。
16日、ラストチャンスのアタック日も、悪天候で中止になるかもしれない。
それならば、せめて晴れた日に、少しでもマッターホルンの近くに
行ってみたい。
そこで、登山拠点となるヘルンリ小屋(3260m)まで登ってみることにした。
ツェルマットからゴンドラに乗りFuri駅でロープウェイに乗り換え。
シュワルツゼー("黒い湖"の意)で途中下車する。この時点で標高2853m。
雲ひとつない快晴。正面にドーンとマッターホルンが立ちはだかる。
ああ、今日は登頂している人もいるんだろうな。
シュワルツゼーからヘルンリ小屋までは、徒歩で約2時間半ほどかかるという。
40分ほどで鉄の桟橋帯に着き、さらに20分ほど行けば十字架が立っている。
過去、500人以上の登山者の命を呑み込んだマッターホルンが、
このときばかりは恐ろしく見え、クリスチャンでもないのに、思わず神の
ご加護を願った。
やがて緑っぽい岩が転がる急斜面(といっても、たかが知れている)を
ひたすら登り、ヘルンリ小屋に着いた。
ともちゃんと話をしながら普通に歩いて、2時間ほどだった。
ヘルンリ小屋は、なかなか立派な小屋だ。表の広いテラスで、ハイカーが
ビールを飲んでいる。ここが大半の人にとって終点なのである。
マッターホルンの穂先、といっても標高差にしてまだ1300m近くもあるのだが、
その巨大な穂先が、本当に眼前にド迫力で迫っている。
感激の瞬間である。
小屋の内部はウッディで、心底くつろげる。
飲み物はもちろん、少々高いが、ロスティなど郷土料理も頼める。
せっかくなので登山口を偵察する。
崖上に、聖母マリア像が鎮座する。
いきなり垂直に近い登攀で、フィックスロープと鉄製の足場でルートが
つくられている。
本番は、ここをまだ暗いうちに登っていくのである。
その先も、恐ろしいほどの岩壁が、雪に彩られて続いている。
下山は、氷河を眺めながらのんびり歩いた。
途中で、登ってくるベテラン日本人登山者に出会ったが、
鹿児島の元教師で、現地の山岳会の会長さんをやっておられるという
元気なおっちゃんだった。
屋久島の記事を「山と渓谷」に書いたことがあるとのことで、
妙な同朋意識が芽生えた。
彼とは、5日後に再び、ヘルンリ小屋で会うことになる。
果たしてマッターホルンに登れる日が来るのか、
これが最接近のひと時となるのか。
しかし、ヘルンリ小屋まで行って写真を撮れたことで、
最低限の希望が叶った気がした。