2009箱根駅伝 東洋大学が往路初優勝！

正月恒例の箱根駅伝が今年も開幕！第85回東京箱根間往復大学駅伝競走が２日、往路が行われました。85回の記念大会となった今年は、例年より３チーム多い23チームが出場。５区間・108kmで行われた初日の往路は、ごぼう抜きラッシュがあれば、強豪チームの誤算もあり、そして山登り区間の５区での逆転劇がありました。

午前８時に東京大手町の読売新聞社前をスタートした１区は、序盤から全チームが一団の状態でスローペース、山梨学院・松村康平、帝京・西村知修、東洋・若松儀裕が先頭を引っ張るものの、なかなか抜け出せません。15キロ過ぎに帝京・西村が抜け出すが、16km過ぎて国士舘・小島康彰が先頭に立ちます。後方では東海、順天堂、日大が集団から遅れだします。順天堂・関戸雅輝は、右ふくらはぎに違和感を感じて急ブレーキ、最下位まで順位を下げてしまいます。19.7キロ付近で早稲田・矢澤曜がスパート、２位集団を引き離して鶴見中継所を先頭でタスキリレー。続いて神奈川大、明治大、山梨学院と続きます。山梨学院の２区は最強留学生・モグス。最高の形で襷を渡しました。東海大は18位、駒澤は19位と予想外のスタート、日大は22位でダニエルにリレー。

各校のエースが集う花の２区は、モグスVSダニエルの外国人対決にごぼう抜きが見られました。山梨・モグスは２キロ手前で早稲田・尾崎貴宏を抜いて首位に躍り出る！この後モグスは２位以降を大きく引き離す快走劇を見せます。ダニエルは10キロ通過までに９人抜いて13位まで浮上すると、11キロ過ぎに９位集団を簡単に抜き去って９位まで順位を上げてきます。日本勢も負けていません。11位でタスキを受けた中央学院・木原真佐人が７人抜きで４位浮上、5.2キロ過ぎには早稲田と明治を抜いて２位までジャンプアップ。東農大・外丸和輝は14位から11人抜きの３位、権太坂では中央学院・木原と競り合います。
日大・ダニエルはこの後もごぼう抜きを見せ、17.8キロで早稲田・尾崎を抜いて17人抜きとごぼう抜き新記録を樹立すると、18.9キロ前で東農大と中央学院を抜いて前人未到の20人抜き達成！チームも２位まで浮上してきました。そんな中、わが道を行くように独走するモグスは、20キロを56分33秒と区間新記録ペース、そして戸塚中継所を２位に２分40秒差をつけて１位でタスキリレー、１時間６分４秒の区間新記録を樹立。２位争いでは、木原VSダニエルの競り合いから、ダニエルが最後に抜け出して２位、中央学院・木原は３位。１区１位の早稲田は６位、19位の駒澤は宇賀地強が11人抜きで８位浮上。

早稲田・竹澤健介VS東海・佐藤悠基の直接対決となった３区、首位の山梨学院は宮城真人が悠々と逃げていく。６位でスタートした竹澤は、3.5km付近で中央・東農大・中央学院・日大の２位集団を纏めて抜き去って２位浮上、区間新ペースで山梨学院を追走し続け、14.5キロを通過したときは約１分30秒、湘南大橋を渡った時は45秒差まで縮めてきます。18位でタスキを受けた東海・佐藤は、11キロまでに９人抜きで９位まで順位を上げます。首位を行く山梨学院・宮城は、竹澤の猛追を振り切って平塚中継所をトップで通過。竹澤は16秒差の２位でタスキリレー、１時間１分40秒の区間新記録を樹立！佐藤は後半も勢いは止まらず、更に６人を抜いて15人抜きの３位まで浮上。最後は５位でタスキをつなぎました。竹澤と佐藤がすばらしい走りを見せてくれた一方で、駒澤は渡辺潤が大ブレーキ。２区・８位から17位まで順位を落としてしまいました。

４区、早稲田・三田裕介が１キロ過ぎに山梨学院をかわして首位に浮上しますが、山梨・後藤敬も粘って並走状態に持ち込みます。３位争いは大混戦。７キロ前で明大・松本昂大が７人抜きで３位に浮上。10キロ過ぎに早稲田・三田が前に出て、山梨学院との差を広げはじめます。山梨・後藤が遅れだしたようだ。後方では、３区12位でスタートした帝京・馬場圭太が７人抜きで５位浮上。三田VS松本VS馬場の３人による区間賞争いは、山梨との差をぐんぐん広げた三田がトップでアンカー・三輪真之にタスキリレー。55分03秒の区間新記録をマークします。約50秒差の２位に山梨学院が通過、５位・帝京の馬場も55分11秒の区間新でしたが、わずかに及びませんでした。

山登り区間の５区、首位を行く早稲田・三輪はあまりペースが上がらず。２位山梨学院・高瀬無量との差がだんだん縮まり、11.6キロで高瀬が逆転します。三輪も離されないと並走し、12キロ過ぎにまた三輪が首位を奪い返します。高瀬は前半の勢いから一変してスローダウン、日体大まで抜かれて４位転落。後方では、東洋・柏原竜二がごぼう抜きを見せます。９位でタスキを受けると、７キロ過ぎに５人抜いて４位、12.7キロには日体大を抜いて３位、16.5キロ付近で山梨学院をかわして２位まで上昇。柏原は区間新記録を上回るペースで好走を続け、19.2キロのところで早稲田・三輪を捕らえると、一気に抜いて逆転！一度は三輪に追いつかれましたが、最後にまた突き放して早稲田とのリードを広げ、往路ゴール地点・芦ノ湖を先頭でゴール！東洋大学が柏原の８人抜きで往路初優勝！22秒差の２位に早稲田大学、以下日体大、中央学院、山梨学院が続きました。


往路最終成績
１　 東洋大学　　　　５時間３３分２４秒
２　 早稲田大学　　　５時間３３分４６秒
３　 日本体育大学　　５時間３５分０７秒
４　 中央学院大学　　５時間３５分４５秒
５　 山梨学院大学　　５時間３７分３７秒
６　 国士舘大学　　　５時間３８分０２秒
７　 明治大学　　　　５時間３８分５８秒
８　 日本大学　　　　５時間３８分５８秒
９　 大東文化大学　　５時間３９分０８秒
１０ 帝京大学　　　　５時間３９分１７秒
１１ 中央大学　　　　５時間３９分５２秒
１２ 東京農業大学　　５時間３９分５６秒
１３ 関東学連選抜　　５時間４０分３３秒
１４ 専修大学　　　　５時間４１分１５秒
１５ 駒澤大学　　　　５時間４１分１９秒
１６ 神奈川大学　　　５時間４１分３２秒
１７ 拓殖大学　　　　５時間４１分５３秒
１８ 順天堂大学　　　５時間４２分０５秒
１９ 亜細亜大学　　　５時間４２分５３秒
２０ 上武大学　　　　５時間４３分１５秒
２１ 東海大学　　　　５時間４３分１９秒
２２ 青山学院大学　　５時間４４分４４秒
２３ 城西大学　　　　５時間４７分２５秒
区間賞
１区（21.4km） 矢澤曜　　　　早稲田大学　　１時間０４分４８秒
２区（23.2km） M・J・モグス　山梨学院大学　１時間０６分０４秒＝区間新
３区（21.5km） 竹沢健介　　　早稲田大学　　１時間０１分４０秒＝区間新
４区（18.5km） 三田裕介　　　早稲田大学 　　　　　５５分０４秒＝区間新
５区（23.4km） 柏原竜二　　　東洋大学　　　１時間１７秒１８秒＝区間新


今年の箱根駅伝往路は、東洋大学が５区・柏原竜二選手の８人抜きで区間新記録というものすごいパフォーマンスを見せ、４区９位から逆転優勝を果たしました。２位に早稲田大学、３位に日体大が入り、モグスの快走があった山梨学院は５位でゴール。２区でダニエルが21人抜きを見せた日本大学は８位、連覇を目指す駒澤大学はまさかの15位で優勝争いから脱落、復路の内容次第ではシード落ちの屈辱を味わうことになるでしょう。東海大学は５区・河野晴友がブレーキで21位。初出場の上武大学は20位で往路を終えました。
区間賞では、早稲田大学が３区間で獲得。３区・竹澤と４区・三田がともに区間新記録を樹立。往路優勝に大きく貢献した柏原竜二は、「山の神」と言われた今井正人さん（順大OB）が持っていた区間記録を47秒上回りました。シード権争いでは、大東文化大学が９位、ボーダーラインの10位に帝京大学、中央大学がシード圏外の11位。７位の明治大学から12位の東農大まで１分以内に６チームが含まれていて、シード権争いは大混戦の予感。

東洋大学が箱根駅伝を優勝したのは、往復・総合通じてこれが初めての快挙達成、67回目で悲願の初タイトル獲得です。１区の若松儀裕が８位、２区・山本浩之が14位と順位を下げ、３区・大西智也は区間３位の力走で９位に引き上げ、４区宇野博之が９位のまま柏原選手に渡し、５区・柏原が４分58秒差を一気にひっくり返すという大仕事をやってのけました。３日の復路では、主将の大西一輝が６区で登場予定。復路で走る選手たちがプレッシャーで自滅しなければ総合優勝もあり得るでしょう。
前回王者の駒澤大学は、往路15位とまさかの大誤算。１区で末松裕一が19位でタスキリレー、３区では渡辺潤が大ブレーキで区間21位、４区の高橋徹も一つ順位を落として18位という結果に終わりました。この現状に駒澤OBも頭を抱えるしかないのでしょうか…。シード落ちなら常勝軍団の終焉を意味します。「このままではいけない」ということで、復路ではメンバーを大きく変更することは間違いなし。補欠メンバーには深津卓也、池田宗司、太田行紀と力のある選手がいます。特に深津選手はどの区間に入るのか注目です。

往路では東洋大学が優勝しました。３日の復路は、総合優勝争い＆シード権争いが激しくなる予感。東洋大がこのまま総合優勝するのか、それとも早稲田大学が逆転Vで古豪復活を告げるのか？混戦のシード権争いを制するチームと11・12位で涙するチームは一体どこなのか？王者・駒澤大学の逆襲も見逃せません。全てにおいて明暗が分かれると思う復路は午前８時にスタートします。