夏休みも終盤に入ると同時に、夏競馬の方も大詰めを迎えました。8月16日は札幌競馬場で古馬のダート重賞・エルムステークス、新潟競馬場はサマーマイルシリーズ第2戦・関屋記念が行われました。
札幌メイン・第20回エルムステークス(GⅢ・ダート1800m 13頭立て)は、GⅠ2勝の⑤グレープブランデー、ダート重賞3勝⑫クリノスターオー、⑬ソロル&②ヒラボクプリンスの「マリーンステークス組」、重賞4連勝中の岩田康誠騎手が乗る④ジェベルムーサ、エルムステークス6年連続出走の⑧エーシンモアオバー、他にも③カチューシャ、道営競馬所属の⑥ウルトラカイザー&⑦アウヤンテプイなどが参戦しました。
スタートは13頭横一線。エーシンモアオバーとクリノスターオーも好スタートを切った。スタンド前の先行争いで、エーシンモアオバーが鼻に立ち、①フレイムコード・グレープブランデー・アウヤンテプイ・クリノスターオーが2番手集団を形成。ソロルとカチューシャは8,9番手、ジェベルムーサは後方2番手で1コーナーを回る。
1,2コーナー中間から向正面に出て、モアオバーが単独先頭、2番手にアウヤンテ、グレブラとクリスタが3,4番手で並んでいる。5番手集団はソロル・フレイムコード・ウルトラカイザーの3頭が並ぶ。中団8番手にヒラボクプリンス、その後ろの9番手にカチューシャが追走するが、後方からジェベルムーサがスパートをかける。11番手以降は⑨マイネルバイカ、⑩ゴールスキー、⑪マルカフリートと続く。
3コーナーを回り、エーシンモアオバーがまだ先頭をひた走り、ジェベルムーサが2番手まで押し上げて、モアオバーを捕らえにかかる。3番手のクリノスターオーは騎手の手が動いている。グレープブランデーは4番手、カチューシャとソロルはまだ中団馬群。4コーナーから最後の直線に差し掛かり、ジェベルが先頭に躍り出て、モアオバーが2番手で粘る。3番手からグレブラが追い込み、クリスタは伸びてこない。ゴール前でグレープブランデーが脚を伸ばし、ジェベルムーサに迫るが、ジェベルがそのまま先頭でゴールイン!グレブラの追撃を凌ぎきり、エルムステークス優勝です。
秋のダート戦線に向けてのステップレース・エルムステークスは、単勝2番人気のジェベルムーサが制しました。スタートは後方で控えていましたが、残り1000mで早めに追い出し始め、3,4コーナー辺りで先頭集団に追いつき、最後の直線に入ったところで集団から抜け出し、そのまま先頭でゴールしました。ゴール前で追い上げたグレープブランデーがクビ差の2着、6年連続出走のエーシンモアオバーが3着と健闘。グレブラとモアオバーの2頭は、13日に死亡したマンハッタンカフェの産駒。弔い星とはなりませんでしたが、ベテランの意地を見せました。1番人気だったクリノスターオーは直線伸びず4着、3番人気のソロルは5着でした。
勝ったジェベルムーサは、今年6月27日の大沼ステークス(@函館)以来の勝利で通算7勝目。重賞競走はこれまで2014年のマーチステークスの2着が最高でしたが、6度目の挑戦で重賞初勝利を挙げました。ジェベルはデビューからずっと馬体重が550キロを切ったことがないという巨漢馬で、2走前の大沼Sと前走のマリーンSでは、566キロを記録。この日は前走から-4Kgの562キロでした。ヒシアケボノが560キロでスプリンターズステークスを勝ったことも凄いですが、ジェベルもまた凄い数字で勝ちましたなあ。
鞍上の岩田康誠騎手は、重賞騎乗機会で5連勝を達成。武豊騎手の持つ「重賞6連勝」の記録まであと1勝に迫りました。来週の札幌記念では、ダービーフィズに騎乗予定。ユタカの記録に並ぶことができるのか?夏男・岩田騎手の勢いが止まりません!
新潟のメイン・第50回関屋記念(GⅢ・芝1600m 12頭立て)は、中京記念組から③スマートオリオン・⑥アルマディヴァン・②エールブリーズ・⑧アルバタックス・⑫レッドアリオン・⑨ゴールドベルが参戦。他にも新潟コースを得意とする⑤カフェブリリアント、アーリントンカップ覇者⑩ヤングマンパワー、マイル重賞の常連⑪エキストラエンド、新潟マイル・谷川岳ステークスを勝った①サトノギャラントが出走しました。
スタートでレッドアリオンとゴールドベル・カフェブリリアントがダッシュつかず。出遅れが懸念されたエキストラエンドは好スタートを切った。外回り3コーナーに向かっての先行争いで、スマートオリオンが先行するかと思いきや、外からレッドアリオンが先手を奪った。結局はスマオリとアリオンの2頭がレースを引っ張る感じに。3番手にヤングマンパワー、4番手⑦シャイニープリンス、5番手にエールブリーズ、6番手エキストラエンド、カフェブリリアントは7番手、アルマディヴァン8番手。外の9番手にアルバタックス、10番手④マジェスティハーツ。後方は11番手ゴールドベル、サトノギャラントがしんがり追走。
外回り3,4コーナー中間点を過ぎ、レッドアリオンが単独先頭に立ち、後続にやや差を拡げる。スマートオリオンが2番手追走、ヤングマンとエルブリが3,4番手で並び、カフェブリはまだ中団、ギャラントは後方。新潟名物・658mの長い直線コースに入り、アリオンがまだ先頭を維持しているが、後続からスマオリ、ヤングマン、シャイプリ、馬群の中からカフェブリとディヴァンも来ている。さらに大外からエキストラ、アルバタックスも襲い掛かる。ゴール残り200mのところで先頭争いは横一線。ラスト100mでレッドアリオンが盛り返して再び単独先頭。大外からマジェスティハーツが追い込んできたが、レッドアリオン先頭でゴールイン!直線並ばれながらも、もう一度突き放したレッドアリオン、兄・クラレントに続き、関屋記念を制しました!
真夏の新潟マイル王者を決める一戦は、直線で横に拡がる大混戦となりましたが、2番人気のレッドアリオンが混戦を断ち切り1着となりました。直線追い込んで2着に入ったマジェスティハーツは、前走の鳴尾記念に続いての2着。重賞ではこれで4回目の2着となります。3着には3歳馬・ヤングマンパワーが入り、3連単「⑫-④-⑩」で109,570円でした。1番人気のカフェブリリアントは7着、3番人気・サトノギャラントは8着。中京記念との連勝を狙ったスマートオリオンは、一旦は先頭に立ったけど、ゴール目前で失速してブービーの11着。
この結果を受けて、サマーマイルシリーズは第2戦を終えて、関屋で10ポイントを獲得したレッドアリオンと、1点しか積み上げられなかったのスマートオリオンが、11ポイントので並んでトップタイ。アルマディヴァンが8ポイントで3位、マジェスティハーツが5ポイントを獲得して4位にランクインしました。サマーマイル優勝争いは一体どうなる?
来週は札幌競馬場で夏競馬の最高峰レース・札幌記念が行われます。参戦予定だったルージュバックが熱発により出走回避となりましたが、メンバーも豊富です。菊花賞馬・トーホウジャッカル、現役№1牝馬・ラキシスのGⅠウィナーをはじめ、函館記念を勝ったダービーフィズ、春の天皇賞4着のラストインパクト、目黒記念で復活勝利を挙げたヒットザターゲット、函館記念2着ハギノハイブリッド、3着のヤマカツエース、2年前の勝ち馬・トウケイヘイローなどが登録しております。
同じ日には小倉競馬場で短距離重賞の「北九州記念」もあります。アイビスサマーダッシュを勝ったベルカントが、武豊騎手とのコンビで重賞連勝に挑戦。他にもバーデンバーデンカップを制したニンジャ、佐世保ステークス覇者・ミッキーラブソング、デビュー5戦5勝の新星・ビッグアーサー、CBC賞3着・サドンストームあたりが出走予定です。