私の自宅には、毎週金曜日、タウンニュース高津区版が届きます。新聞の折り込み広告と一緒に入ってくるのです。時折、気になる記事を切り抜いていますが、今回はその切り抜き記事ネタです(719号に掲載されている記事です)。
昨年から、川崎市交通局が運営する市バスの運行経路ミスが多発しています。これまで全く起きていなかったという訳でもありませんが、平成21年度に11件、平成22年度に72件、そして今年度は、11月27日の時点で35件となっています。何故、こんなことが起こるのでしょうか。
2010年7月21日の14時35分56秒付で、掲示板「ひろば」に「川崎市バス、運行経路を間違える」という記事を投稿しました。以下はその全文です。
「川崎市に在住しておりますので、川崎市バスを利用することがあります(もっとも、今住んでいる所ですと、本数は東急バスのほうが多いですが)。
先月から、川崎市では市バスのトラブルが多く報じられています。6月から今まで11件もあったそうです。しかも、そのほとんどが運行経路の間違いでした。ちなみに、市バスのサイトではこの件に関するページが見当たりません。
定期路線バスの運行経路を間違えるというのは、(具体的にどういうことなのか、わからない部分もありますが)考えにくい話です。
神奈川新聞が報じているところによると、最初は中原区にある上平間営業所の所管路線だったようです。この営業所については民間に管理委託されています。最近では、交通局直営の井田営業所や鷲ヶ峰営業所についても運行ミスが生じているようです。
そのうちの一件は13日の朝に起きており、鷺沼駅から新城駅に向かうバス(おそらく鷺02。井田営業所所管)が経路を誤り、「交通量の多い片側2車線の幹線道路上で方向転換した」ということです(神奈川新聞の報道によります。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1007130044/)。運転士が小杉駅行と勘違いしたということらしいのですが、仕業票を確認していないのでしょうか。片側2車線の道路とはいえ、方向転換をするのも危険なことです(しかも誘導員がいない所でした)。
こういう話は、毎年、時折は耳にしますが、困ったものです。」
場所によっては、運行経路が非常に複雑なものとなっており、これがミスを誘発する可能性もあります。しかし、これが理由となるものなのかわかりません。タウンニュース高津区版の記事には「経路誤りが発生する原因のひとつに行き先が分からなくなるという点が挙げられる。同局(―川崎市交通局。引用者注)では対策として、▼車内案内放送の改善▼行き先表示を車内から目視できるミラーを設置▼乗務員が持つ運行表の作業指示書(行動表)をカラー化―などの措置を講じてきたが、『交差点の寸前で意識が飛んでしまうようだ』(担当者)と話す」と書かれています。私は市バスの運転手ではないので、意識が飛んでしまうようなことがあるのかどうかわかりませんが、基本的な動作などが徹底されていないということはあるのかもしれません。
鉄道の場合はATS、ATC、さらにはATOもありますし、東急やJR九州では次の駅が停車駅であると運転手に音声などで知らせる装置が採用されています。しかし、バスにはこんな装置は付けられていません。せいぜい放送装置が関の山です。そこで、ナビゲーター装置を取り付けすのが手っ取り早いのではないかと思います。バスには行先表示設定機が付いていますので、これをナビゲーター装置に連動させるのです。これだけでもかなり多くのミスを防げるのではないでしょうか。
既に採用している事業者もあるかもしれませんが、私が知る限りでは採用例はありません(川崎市バス、都バス、東急バス、国際興業バス、川越観光バス)。画面付きのナビゲーター装置ではかえって事故を増やしかねませんので、音声ナビか、「次は直進」「次は左折」「次は右折」という表示が速度計のところに出るようにすれば良いのです(「次は停車」という表示機の応用です)。
川崎市では委員会を設置し、議論を進めるそうですが、ナビゲーター装置についても検討してみてはいかがでしょうか。