ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

日高本線の鵡川〜様似の廃止が決まったか

2019年11月13日 13時31分30秒 | 社会・経済

 このブログでも取り上げているJR北海道の日高本線は、2015年1月の暴風雪によって路盤の流出が発生し、その後も災害に見舞われ、鵡川〜様似(116.0キロメートル)の区間については4年10か月程という長期運休状態が続いています。その間にJR北海道の経営問題も重なり、存廃が議論されてきました。ついに、鵡川〜様似の廃止が決まりそうです。今日(2019年11月13日)の11時12分付で、朝日新聞社が「JR日高線、8割廃止へ 5年不通でも『事態変わらず』」として報じています(https://digital.asahi.com/articles/ASMCC5KB9MCCIIPE01J.html)。

 11月12日、沿線7町長が協議を行い、多数決によって日高本線の鵡川〜様似の廃止およびバス転換を決めました。賛成が6、反対が1という結果でした。反対したのがどの町長であるのかは書かれていませんが、浦河町長が全線の復旧を主張し、日高町が鵡川〜日高門別のみの復旧を主張していましたので、反対は浦河町長によるものではないかと考えられます。

 さて、これによって廃線というJR北海道の提案は受け入れられたこととなりますが、沿線7町長はあくまでも最終結論ではなく、最終合意でもないとしています。これから、沿線7町とJR北海道が協議を行い、代替バス路線、地元支援策などを決めていくようです。2020年3月までには最終合意という方向性も示されています。

 一方、日高本線の苫小牧〜鵡川(30.5キロメートル)は残ることとなっています。もとより、この区間もJR北海道単独では維持が困難とされており、沿線自治体の財政支援が前提となっています。この区間のみ残っても状況が改善されるとも思えないのですが、どうなのでしょうか。

 なお、鵡川〜様似の状況ですが、鉄道路線として営業されていた頃の赤字は10億円を超えていたそうです。代替バスになってからでも7億円の赤字が出ています。厳しいことに変わりはありません。

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