今回の話は政治と経済の両方に関わります。
2日遅れで取り上げますが、朝日新聞2021年1月5日付朝刊10面13版に「経済気象台 四半世紀超の改革の果てに」という記事が掲載されていました。
この記事は、「日本経済の低成長が続く。企業活力の低下や産業の低下が疑われる」という文章で始まりつつ、何故に日本が低迷を続けるのかを考えようとするものです。
この記事を書かれたRさんは、1980年代の後半、通商摩擦に起源を見ているようです。これ自体は新しい指摘ではないのですが、重要かもしれません。米英を発端とする新自由主義に我が国も乗っかり、「企業統治改革」や「規制緩和」が盛んに言われ出したのです。
それから25年ほどとなります。R氏は菅内閣総理大臣の所信表明を取り上げています。「縦割り行政、前例主義、既得権益の打破」です。25年程も続いている訳ですが、R氏は「企業統治改革やROE(自己資本利益率)重視の経営改革などが、果たして企業を活性化させイノベーションを促進したのだろうか」と問いかけ、刈谷剛彦氏の著書を引用(または参照)しつつ、自ら否定します。「新自由主義的な改革に賛同する経営者も学者も官僚も、実は自らの組織を根底から見直す覚悟はなく、表層をなぞったにすぎないのかもしれない。自らの組織はさておいて、他の組織の改革を訴える二重基準も広く見られる」と。
思い当たる節もあるでしょう。COVID-19の感染が拡大して、最近では特によく目に付くようになりました。