2020年3月5日10時30分付の朝日新聞社「神奈川)IR、6日から意見募集 反対多くても撤回せず」という記事(https://digital.asahi.com/articles/ASN34778ZN34ULOB00C.html)で知りました。
この記事を読む限り、「横浜市は何のためにパブリック・コメントをやるのか?」という疑問しか浮かびません。あるいは、今流行の「やってる感」なのでしょうか。もっとも、日本では、パブリック・コメントといい、環境アセスメントといい「手続として行っておけばそれでよい」というものでありますが。
IR(Integrated Resortの略)と言えば、何と言ってもカジノです。「統合型リゾート」というのが公式の表現ですが、メインはカジノであることに変わりはありません。
そのIRに手を上げたのが横浜市で、3月4日に「横浜IRの方向性」の素案を公表し、6日からパブリック・コメントを行うというのですが、反対意見が多くてもIR誘致の方針を撤回するつもりはないというのですから、まさに「やってる感」です。
ここで思ったのですが、「やってる感」という表現よりもっと相応しいものがありました。「聞いてやっている」、「一応は聞いたことにしておく」というのが実態に近いと思われるからです。また、国民や住民の声に対して「耳を傾ける」などと口にする人々も少なくないのですが、まさに「耳を傾ける」だけであって、その先がなく、空疎なのです。
それにしても、IRだのリゾートだのという言葉を耳にすると、バブル期のリゾート法(正式名称は総合保養地域整備法)を思い出します。金太郎飴と揶揄されたように、どこの都道府県でも必ずゴルフ場の建設が計画の中に入っており、深刻な環境破壊、地域分断、挙げ句の果てには財政破綻や地域経済崩壊などをもたらした法律です。神奈川県は、このリゾート法に基づく基本構想を策定していませんが、横浜市は名乗りをあげてしまいました。よほど、港町であることに自信がないのかもしれませんが、「インバウンド」に頼ることの危うさを実感していないのでしょうか。
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