最初にお断りです。今回は、「待合室」に第209回「東急池上線途中下車(2) 池上駅」として2007年3月30日から4月9日まで掲載した記事の再掲載です。写真撮影日は2006年7月26日です。内容を修正しておりませんので御注意ください。
今回は、東京都大田区の名所、池上です。但し、本門寺ではありません。
隠れた名曲の題材にもなった東急池上線の池上駅です。この駅は、東急では唯一、駅構内に踏切があります。かつては首都圏でもよく見かけたものなのですが、現在では少なくなりました。池上線、多摩川線、大井町線の多くの駅は、上りホームと下りホームのそれぞれに改札口があり、跨線橋などはありません。しかし、池上駅の場合は、下りホーム側にしか改札口がありません。3両編成で走っているために、跨線橋を建設するほどのことでもない、ということなのでしょう。
日本最初のオール・ステンレス車である7000系を改造した7700系の蒲田行が発車していきました。
東急池上線の起点は五反田ですが、元々、池上電気鉄道時代の一時期は蒲田が起点で、最初に開業したのが蒲田・池上間でした。目蒲線(現在は目黒線と多摩川線に分割)とほぼ並行するように走っているのも、全く別の会社が建設した路線であったためです。目黒蒲田電鉄(これが東急の前身)と池上電気鉄道は対立関係にあったそうですが、後手にまわった池上電気鉄道は、結局、目黒蒲田電鉄に買収されてしまいます。
池上電気鉄道は、単に目黒蒲田電鉄より遅れたのみならず、迷走を続けた会社でした。本来は目黒から大森までの路線を計画していたのですが、大森駅周辺の地形の関係で終点を蒲田に変更します(池上駅から大森駅までバスが走っているのは、その名残なのかもしれません)。しかし、目黒から蒲田までというのでは、かなりの部分で目黒蒲田電鉄の路線と並行するか重なってしまいます。結局、起点を五反田に移すこととなりました。それでも、目黒蒲田電鉄の路線と並行しています。それに、本来の終点から起点に向かって建設を進めたり、宅地開発などの副業をほとんど行わないなど、色々な問題があったようです。
ともあれ、池上線は、乗ってみて、さらに駅周辺を歩いてみるとよくわかるのですが、あまり目立たないながらも味のある路線です。戸越銀座、洗足池、そして池上など、独特の存在感がある駅もありますので、散策などにはピッタリです。
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