久しぶりに、音楽の話でも。
今年の2月23日、妻とサントリーホールに行きました。大ホール、小ホールの双方でコンサートが開かれましたが、我々は小ホールのほうに行きました。
ハープ奏者、吉野直子さんのコンサートです。
正直なところ、何処かの会社の大会議室のような構造の会場には疑問符ばかりが浮かびましたし、コンサートの最中、何度となく、観客の携帯電話、スマートフォンのヴァイブレーターが作動していたのには、私も妻も驚きました。我々はスイッチを切りますが、そうしない人が多いのでしょうか。青葉台のフィリアホールと比較しても、いや、比較にならないほど、会場としての適切さには欠けたと思います。
しかし、演奏曲目などはよかったのでした。特に、最初に演奏されたジョン・ケージ作曲の「ある風景の中で」、それから吉松隆作曲の「ライラ小景」が気に入りました。
「ある風景の中で」は、あのケージにしては保守的とも言える作品ですが、アルペジオのような音型(一時期のシンセサイザー音楽を思い起こさせます)、しかも四分音符か八分音符だけで構成されたような曲でもあり、ケージが東洋の音楽にインスピレーションを受けたのかとも考えられます。一方、「ライラ小景」は、聴き通せば物語が頭の中に浮かんでくるような組曲で、ハープの音響を相当に意識したのだろうと思える作品でした。これを聴けただけでも「来てよかった」と感じたのです。
果たして、会場では最新作の「ハープ・リサイタル4:武満・細川・吉松・ケージ・サティ」が売られており、これらの曲も収録されていましたので、早速購入しました。
それ以来、何かといえばこのCDを聴いています。
ちなみに、2月24日に国立劇場で開かれた「天皇陛下在位30年記念式典」に、吉野さんも出演されました。私は、たまたま実家で中継を見ていて、声をあげてしまったほどです。まさか、二日連続で演奏を聴けるとは、という訳です。
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