今回は、田園都市線に所属する5000系のうち、最後の編成となる5120Fです。急行中央林間行きとして高津駅(DT09)1番線を通過するところを撮影しました。
ちなみに、5101Fから5117Fまでと5120Fは田園都市線に所属する10両編成ですが、5118F、5119F、5121Fおよび5122Fは東横線に所属する8両編成です。
田園都市線に所属する5000系は、5101Fおよび5102Fを除く編成は、一時期(とは言っても10年ほどですが)、6扉車を含んでいました。4号車、5号車および8号車が6扉車であり、田園都市線の混雑に対応したのでした。しかし、6扉車と4扉車が混在するのではホームドアの設置に支障が出ます。田園都市線を走る車両の全てに6扉車が含まれていれば問題はなかったのかもしれませんが、東急5000系以外には6扉車がなかったのでした。これではホームドアを設置するとしてもかなり複雑な装置を開発しなければならなくなります。
その5000系で最初に6扉車がなくなり、全車が4扉車となったのが5120Fです。2016年1月のことであり、その他の編成も順次4扉車化されました。残念ながら、6扉車は全て廃車となりました。おそらく解体されたのでしょう。4扉車化の改造は難しいでしょうから。
東急では類例が無いはずですが、扉数を増やす改造には、私がすぐに思い付いた例として西鉄2000形、阪急2800系、京阪1900系があります。共通点は特急型車両で2扉車であり、改造後は3扉車で格下げされたということです。ただ、扉を増やすということは構体を改めるということであり、強度が落ちるようです。そのため、最近では扉数を増やす改造が行われなくなっています。例えば、西鉄2000形に代わる特急形車両である8000形は、3扉化されることなく廃車されました。テレビカーとして知られた京阪旧3000系も同様です。一方、阪急6300系は2扉車のまま嵐山線で運用されています(京とれいん用の車両もあります)。
今思い付いたのですが、ラッシュ時対策として扉の数を増した車両の代表例は京阪5000系です。5扉車で、ラッシュ時には5扉、そうでない時は2扉を閉め切って3扉車として運用されました。しかも、閉め切る扉の場所には昇降する座席がセットされていたという、かなり凝った構造でした(余談ですが、1980年に発生した置き石脱線事件で犠牲になった車両も5000系でした)。1970年に製造が開始されてから50年以上も活躍していましたが、2021年に営業運転を終了しました。
その後、京王6000系で5扉車(通常は4扉車)、営団03系や東武20050系で5扉車(通常は3扉車)が登場しましたし、山手線、中央・総武緩行線のE231系に6扉車が組み込まれました。また、営団05系や小田急1000形、小田急3000形のように、扉の数を増やすのではなく、扉の幅を拡大した例もあります。
5000系が登場してから20年が経過します。2020系に主力の座を譲りましたが、まだまだ、田園都市線、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線・日光線を走り続けるでしょう。
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