東急池上線および東急多摩川線は、東横線や田園都市線などと異なり、18メートル車のみが運行されます。
池上線は、元々が池上電気鉄道という、東急の母体となった目黒蒲田電鉄と競合関係にあった会社の路線であったためか、長らく旧型電車ばかりが運行されていた路線でした。東急と言えばステンレス車ですが、池上線にステンレス車が入ったのは1984年で、鉄道線では最も遅く、車両限界の関係もあって7200系しか入れなかったのです。1992年に1000系が池上線で運行を開始した際には64年ぶりの新車などと騒がれたものです。
その後、初代7000系を改造した7700系、7200系を改造した7600系も運行されましたが、現在は1000系の他、2代目7000系、1000系1500番台が運行されています。
起点である五反田駅から下り電車に乗ると、二つ目の駅が戸越銀座駅です。有名な商店街の名前を冠する駅名ですが、所在地は品川区平塚です。2016年に「気になる」ならぬ「木になるリニューアル」が竣工し、ホームの屋根などに木材が使われています。しかも、この駅の改札口は何処かの老舗の店のような屋根が架けられている上に暖簾のようなものまで設けられています。
商店街というと「●●銀座」という名称が多いのですが、ここはその発祥の地であり、東京で最も長い商店街でもあります。
今回取り上げるのは1000系の1013Fです。勿論、ステンレス車で、東急のコーポレートカラーである赤色の帯を巻いていましたが、2019年秋から「緑の電車」となりました。これは池上線活性化プロジェクトの一環であり、池上線や目蒲線で走っていた旧3000系の緑色(初代5000系に由来するものです)のラッピングが施されたのです。側面には「T.K.K.」も書かれています。
元々、1000系は東横線と営団日比谷線との相互直通運転用として製造されたのですが、この1013Fなど何編成かは東横線と目蒲線の両方で使えるように4両編成で登場しました。1000系の先頭車のデザインは、本来であれば9000系と同じく非対称ですが、4両編成の制御車の一部は左右対称になっています。これは、4両+4両=8両で東横線および日比谷線で運用するためです。その後、編成が組み替えられ、1013Fの下り側先頭車がデハ1312になり、編成で先頭車の正面のデザインが統一されました。
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