46年の長きにわたって活躍してきた東急8500系も廃車が進んでおり、通勤などで田園都市線や半蔵門線を利用する沿線住民でも見る機会、乗る機会が少なくなってきました。
私自身は小学校1年生の時分から親しんでおり、とくに大学院生時代の5年間、まだ渋谷駅から二子玉川駅までの区間が新玉川線であり、二子玉川駅が二子玉川園駅と名乗っていた時代には、8500系に乗って通学することが当たり前でした。それだけに、完全引退の時期が刻々と迫っていることに、様々な思いが浮かんできます。
8500系といえば、東急のステンレス車で初めて正面に赤帯を巻いた系列でした。ステンレス車といえば、5200系、初代6000系、初代7000系、7200系、8000系と続いてきましたが、それらは無塗装で赤帯も巻いていなかったのです。それだけに、8500系の赤帯には驚かされました。地味なデザインではありますが渋さがあり、よくまとまっていて、合理的な美と言うべきものがあります。私は1970年代に登場した日本の鉄道車両で最もよいデザインの車両とも考えています。
上の写真の8637Fも、登場時は赤帯を巻いていました。しかし、以前にも記したように、程なく青帯に替えられ、長らくTOKYU CABLE TV号として運行されていました。ラッピングが外されても青帯のままで、2018年4月22日からBUNKAMURA号として運用されています。勿論、東京メトロ半蔵門線、東武伊勢崎線、東武日光線も走ります。
撮影時には急行中央林間行きとして運行されていました。
あと何ヶ月ほど、この姿を田園都市線で見られるでしょうか。
最近、廃車になった8500系が一般向けに売られるという話を知りました(東急の公式サイトに掲載されています。もうじき、8622Fと8630Fが廃車されるということのようです)。
私が今も理解できないのは、1971年に東急8000系がローレル賞の受賞を逃して名鉄600形が受賞したことと、1979年に国鉄50系客車がローレル賞を受賞したことです。鉄道友の会も見る目がなかったと言えるのではないでしょうか。
後の鉄道車両への影響という点において名鉄600形と東急8000系とでは比較にならず、後者のほうが圧倒的な影響力を持っています。現在のJRグループでステンレス車が増えていること、形は違えどもワンハンドルマスコン車がJRグループ、東京メトロ、都営地下鉄、京成、京急、京王など多くの鉄道会社で採用されていることをあげればよいでしょう。
とくに50系客車がローレル賞を受賞した時には、当時小学生5年生の私も疑問を抱いたものですし、実際に1980年代に入ってから余剰車が増え始め、国鉄からJRグループに移行して間もなく、廃車となるものが多くなりました。今でも何両かが残っているものの、オリジナルの形のものは皆無かそれに近い状態です。
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