今回は、3月1日12時付で掲載した「根室本線の富良野駅〜新得駅の廃止は2024年に?」の続篇と考えていただければ、と考えています。朝日新聞社が、昨日(2023年3月7日)の14時30分付で「根室線の新得−富良野間、24年3月末廃止を提示 JR北海道」として報じており(https://digital.asahi.com/articles/ASR374DMKR36IIPE00Y.html)、この記事を土台として書き進めていきましょう。
3月6日、富良野市で根室本線対策協議会が開かれました。参加したのは、富良野市、南富良野町、占冠村、新得町、そしてJR北海道です。
この協議会の場で、JR北海道は根室本線の富良野駅〜新得駅を2024年3月末をもって廃止し(法律上は2024年4月1日廃止ということになるでしょう)、4月からバス転換するという方針を示しました。勿論(と記せるのかどうかわかりませんが)、JR北海道はただ廃止を主張しただけではなく、バス転換に伴う初期費用と「18年間の赤字想定額、まちづくり支援金として計20億円程度を提供すると表明」したとのことです。これに対し、上記4市町からは異議が出されなかったようで、おそらく合意されることでしょう。
そうなると、バス転換後の姿が気になります。上記4市町村は「沿線の生活交通と上川―十勝間の圏域間の移動手段に関して、バスの運行事業者、ルート、本数などを提示し」ており、「沿線の生活交通として、富良野―金山(南富良野町)、東鹿越(同町)―トマム(占冠村)間は南富良野町が町営バスを運行、富良野―幾寅(南富良野町)間はふらのバスが運行する。上川―十勝の圏域間の輸送は道北バス、十勝バス、北海道拓殖バスが増便する」とのことです。
一方、沿線住民の中には、当然ですが廃止に反対される方々もおられます。上記記事には新得町の市民団体である「根室本線の災害復旧と存続を求める会」などの3団体が「7日、道などに対し、改めて存続を求める署名を提出する」と書かれています。
反対意見の内容も理解できます。JR北海道は、2016年の台風被害から現在に至るまで、東鹿越駅から新得駅までの間(実際には東鹿越駅から上落合信号場までの間)の線路が損壊したにもかかわらず、復旧させなかったからです。公共交通機関を運営するJR北海道が社会的責任を最初から放棄したと思われたとしても不思議ではないのかもしれません。
しかし、営業エリア内に黒字路線が一つもないJR北海道にとって、根室本線の不通区間を復旧することは無理、あるいは、無理に近いと言えるでしょう。ここで思い出すのは、2021年4月1日に廃止された日高本線の鵡川駅〜様似駅も、2015年1月の高潮被害による不通が廃止日まで続いたことです。
また、沿線自治体にとっても、JR北海道から維持費用として求められた1年あたりで10.9億円の費用を捻出することも、体力的に無理ということになります。市町村が支出すべき費用は、何も鉄道路線の維持だけではないからです。
このように考えると、根室本線の富良野駅〜新得駅間の廃止はやむをえないということになるでしょう。その上で、廃止後がむしろ正念場ということになりそうです。
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