RKK(熊本放送)の2025年1月8日11時32分付「熊本電鉄 運転士不足で “2月から減便” 始発最大30分繰り下げ・終電最大55分繰り上げに」(https://newsdig.tbs.co.jp/articles/rkk/1653961?display=1)で知ったのですが、熊本電気鉄道のサイトに「『列車』ダイヤ改正のお知らせ(2025年2月3日)」(https://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/202501072315.html)という記事が掲載されており、やはり2024年問題あるいは2023年問題は続いていると思いました。
熊本電気鉄道の記事には「今回のダイヤ改正は、運転士の退職に伴い、現行ダイヤの維持が困難となったことから現行ダイヤから便数を減らしたダイヤでの運行を行う必要が生じたものです」と書かれています。RKKの記事にはもう少し詳しく書かれており、2024年に7人在籍していた常勤の運転士のうち、3人が今月と来月に相次いで退職するため、減便せざるをえなくなったということです。7人という数字も厳しいものと考えられるのですが、3月までには4人しかいない訳です。RKKの記事の書き方では非常勤の運転士がいるようにも読めるのですが、どうなのでしょうか(あまり聞いたことがないのですが)。熊本電気鉄道の記事によれば、3年ほど前から定数(これが何人かは不明です)を「下回る運転士での運行を行って参りました。その間、採用活動を行い補充を行うも採用した運転士を上回る離職者が発生し、慢性的な運転士不足の状態となっておりました」、「2024年12月に入り、新たに運転士からの退職の申し出があり、現行ダイヤの維持が難しくなったことを受けダイヤを改正する必要が生じたものです」とのことです。また、「例年2月に入ると通学のお客様の一定数が登校されなくなることを受け、ご利用のお客様への影響を最大限軽減する必要があることから、2月よりダイヤを改正するものです」とも記されています。おそらく、沿線にある大学(熊本大学、崇城大学、九州ルーテル学院大学)を念頭に置いているのでしょう。
一方、熊本電気鉄道の記事には「現行ダイヤではコロナ禍以後、お客様の回復に合わせ慢性的な遅延が発生していることを受け、ダイヤの間隔に余裕を持たせることで適正な運行を目指し、列車の安全運行を更に向上させることも併せて行います」とも書かれています。
その上で、2025年1月7日付で熊本電気鉄道のサイトに、熊本電気鉄道株式会社鉄道事業部名義の「『列車』のダイヤ改正について」(https://www.kumamotodentetsu.co.jp/news/uploads/eeabc6991fe61e22b63e05199bc2e8cf5381cf04.pdf)という文書(以下、文書とのみ記します)が掲載されており、内容が書かれています。全部を引用する訳にもいかないので、一部のみを紹介します。
まず、藤崎宮前駅から御代志駅までの運行系統(厳密には、藤崎線全線と菊池線の北熊本駅から御代志駅までの区間)ですが、「朝ラッシュ時(6時30分~9時)と夕ラッシュ時(16時~20時)」については、現行の15分間隔から20分間隔に、「昼間(9時~16時)と夜間(20時~21時)」については、現行の30分間隔から40分間隔に変わります。
次に、上熊本駅から北熊本駅までの運行系統(菊池線の残りの区間)ですが、こちらは終日、現行の30分間隔から40分間隔に変わります。但し、13時台のみ30分間隔が維持されます。これは「北熊本駅での接続列車調整のため、30分間隔」とのことです。
始発電車、終電車については詳しく触れませんが、基本的には始発電車は繰り下げ、終電車は一部を除いて繰り上げです。
やはり気になるのは運行本数です。次のようになります。
平日(月曜日〜木曜日):159本から121本に減ります。
金曜日:161本から121本に減ります。
土曜日;148本から97本に減ります。
日曜日・祝日:120本から91本に減ります。
付け加えて、藤崎宮前駅から御代志駅までの運行時間も、現行の26分から31分に変わります。他方、上熊本駅から北熊本駅までの運行時間は9分のままです。
さて、減便ダイヤが実施された後に、果たして増便されることはあるのでしょうか。文書には「現在、新たな運転士や運転士見習い者の募集を行っているものの、運転士の応募がなく、更に運転士見習い者が免許を取得するには 1 年以上の日数を要することから、当面の間は今回の新ダイヤの継続が必要と考えております。その後、運転士の補充が完了した場合には改めてダイヤの構成を検討するものです」と書かれています。熊本市周辺は、最近、豊肥本線の乗客増も増えたと報じられていますので、熊本電気鉄道の乗客も増えたのでしょうか。私が熊本電気鉄道を利用したのは一度か二度しかないので、詳しいことはわかりませんが、あまり乗客はいなかったと記憶しています。このブログには、2003年3月23日に上熊本駅で撮影した写真と2011年8月8日に藤崎宮前駅で撮影した写真、同日に上熊本駅で撮影した写真を掲載していますので、この両日に利用しているはずです。
文書を読んで「?」と思ったのは、「今回の2月時点でのダイヤ改正に伴う減便によるお客様の積み残し等は発生しないと考えており、今年度中の代行バスの運行等、代替え輸送の予定はございません」と書かれている点です。先程の熊本電気鉄道の記事には、再び引用させていただくならば「現行ダイヤではコロナ禍以後、お客様の回復に合わせ慢性的な遅延が発生していることを受け、ダイヤの間隔に余裕を持たせることで適正な運行を目指し、列車の安全運行を更に向上させることも併せて行います」とも書かれています。「慢性的な遅延が発生している」ということは、積み残し等はないということでしょうか。また、減便ダイヤ実施後に積み残しはないとしても遅延はないのでしょうか。2月および3月は、大学の講義期間ではないので通学客は減るでしょう。ただ、4月以降はどうでしょうか。
今回は熊本電気鉄道を取り上げましたが、既に他の私鉄で同様の減便ダイヤが実施されましたし、今後も生じる可能性が低くないものと思われます。
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