冨田勲氏の「展覧会の絵」を、久しぶりに聴きました。モーグⅢcを駆使した、1970年代の日本における超名作です。
原曲は勿論、ムソルグスキーが作曲したピアノ曲です。私は、荒削りな部分もあるピアノ版を好んで聴いており、ラヴェル編曲のオーケストラ版のほうは好みません。オーケストラ版で、原曲の良さを殺している部分が目につく、いや耳につくからです(そのため、何故ラヴェルが「音の魔術師」と称されるのかがわかりません)。
しかし、冨田版は解釈が面白く(とくに「卵の殻を付けた雛の踊り」で猫が登場するところなどはユーモラスです)。「なるほど、そうか」と思える箇所が多く、また、モーグⅢcというアナログ・シンセサイザーで製作されたためにかなり長い製作期間が取られていることから、苦労も偲ばれるような演奏となっているのです。
「展覧会の絵」にはエマーソン・レイク&パーマーによるロック版もあるほど、編曲が多いことでも知られていますが、私が好むもう一つのヴァージョンが、山下和仁氏によるギター独奏版です。残念ながらLPもCDも所持していませんが、中学生時代にFM東京の番組「グッド・ヴァイブレーション 渡辺香津美ドガタナ・ワールド」で聴き、「スゴい」と思ったのでした。
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