日本人は神話が大好きなのでしょうか。
「ものづくり」も、所詮は神話でしょう。わざわざひらがなで記すところが胡散臭いところでもあります。
脆くも2011年3月11日に崩れ去った、原子力発電所の安全神話が、日本人が大好きで、深く信じてきた神話の代表ですが、神戸製鋼、日産自動車、スバル(SUBARU)……。時事通信社が、今日の20時55分付で「製造業、相次ぐルール軽視=揺らぐ『日本品質』」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2017102701325&g=eco)として報じていて、その中で、トヨタ自動車の社長が「原因究明と再発防止を徹底することが『日本の「ものづくり」の強み』であり、『今こそしっかりやるべき』」と強調した」と語ったそうですが、何年も無資格者が検査を担当してきたこと自体、「ものづくり」が神話であることを物語っています。もっとも、無資格者であるから技術も経験もないという訳ではありませんから、一概には言えませんが、「ものづくり」を疎かに考えている人が少なくなかったことを端的に示しているとは言えます。
このように記すと、「他の会社とかも同じようなことをやっているよ」と言われます。うちの妻にも言われました。そうであるなら、なおさら日本人に「ものづくり」は似合いません。今すぐにでも、まずは神話を捨て、「ものづくり」もやめてしまうほうがよいでしょう。どうせ「ものづくり」への誇りも何もないのですから(せいぜい、虚栄心などがある程度でしょう)。
競争相手が手を抜いているなら、自分はいっそう手を入れて良い品を作るのが、本当の「ものづくり」でしょう。他人もやっているから自分も同じようなことをやる、というのでは、目新しさも何もありません。世界的に見て、日本の製造業が競争力を失った理由がわかるような気がします。
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余談めきますが、鉄道車両で使われているステンレスを見ると、例えば、デビューから40年以上が経過する東急8500系の車体の外板は、今でもステンレス鋼のあの光沢を保ち続けていますが、最近の軽量ステンレスの車体では、登場して1年か2年も経つと光沢を失っています。どうかすると錆らしいものも目に付きます。ダルフィニッシュということもあるのですが、それでは説明がつかない違いも見受けられるのです。
「日本のおかげで、アジアの諸国は全て独立した。日本というお母さんは、難産して母体をそこなったが、生まれた子供はすくすくと育っている。今日東南アジアの諸国民が、米英と対等に話ができるのは、一体誰のおかげであるのか」
と書き記しています。この言葉が、あの戦争が何であったか、そのすべてを表わしているでしょう。