タイトルだけを見て何のことかおわかりなら、ジャズ・フュージョンのファンの方でしょうか。Inner Windは、渡辺香津美さんの曲です。
朝日新聞社のサイトにある「論座」に、昨日(9月3日)付けで「40年ぶりに聞いた渡辺香津美の『Inner Wind』」という記事があります(https://webronza.asahi.com/politics/articles/2020090300007.html)。TBSの金平茂樹さんによるもので、日記風の記事です。私は、勿論、タイトルに惹かれて読みました。
8月16日、東京芸術劇場で「ネオ・シンフォニック・ジャズ at芸劇」が行われたそうです。ギターは渡辺香津美さん、そして東京フィルハーモニー交響楽団、指揮は狭間美帆さんなどとなっており、そこでInner Windが演奏されたそうです。「これは聴いてみたかった」というところです。金平さんも40年ぶりに聴いたと書かれています。そう、この曲は1970年代後半のものです。
私が初めて聴いたのは、たしか中学生の頃です。香津美さんの、たしか5枚目のリーダー・アルバムである「オリーブス・ステップ」のA面の2曲目に収録されており、ギターによるアルペジオから始まる美しい曲です。但し、最初に収録されたのはジミー・ポップスとの共演作である「ムダリ」で、こちらはアコースティック・ギターでコードをかき鳴らすようにして始まります。「ムダリ」と「オリーブス・ステップ」とでは構成が違っています。
そして、金平さんも書かれている「KYLYN LIVE」での演奏です。坂本龍一さん、清水靖晃さん、向井滋春さん、本多俊之さん、村上秀一さん、など、凄いメンバーでした。六本木ピットインでの演奏は2枚組のLP「KYLYN LIVE」になっており、その1枚目のA面の1曲目がInnner Windで、構成は「ムダリ」収録ヴァージョンと「オリーブス・ステップ」収録ヴァージョンとを足し合わせたようなものとなっています。
Inner Windでのソロは、香津美さん→坂本龍一さん(キーボード)→小原礼さん(ベース)→清水靖晃さん(テナー・サックス)の順です。とくに小原さんのソロの時にドラムとパーカッションの動きが面白く、ベースの動きに合わせるのでリズムがわからなくなるような感じさえします。
「KYLYN LIVE」での演奏はInner Windに限らず、どの曲も良いのですが(ただ、「マイルストーンズ」だけは途中から始まっているような編集がなされていますので、そこは不満です)、私は「ロンサム・キャット」にも収録されている「ブラックストーン」が好きで、今も時折聴いています。
私はLPもCDも持っていますが「これは生で聴いてみたかった」とまた記しておきます。しかし、録音時、私は小学生5年生でした。まだ香津美さんの演奏など知らなかったし、六本木という街は日比谷線で通過するだけで、駅を降りたこともなかったのでした(初めて行ったのは5年後の高校1年生の時、夏休み最終日です)。まして、小学生ではライヴハウスに出入りすることなどできないでしょう。
香津美さんの曲では、昨年の10月に二子玉川で「ユニコーン」を聴いています。CMの曲にもなったほどで世界的にも有名なのですが、Inner Windなど、他にも良い曲がたくさんあります。私としては、1981年の「ドガタナ」に収録されている「アイランド」が一番印象に残っており、好きなのですが、あまり演奏されないようです。そう言えば、ここ数年、新譜が出ていません。新作を楽しみにしています。
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