ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

都営三田線途中下車(3) 内幸町駅

2020年07月16日 00時00分00秒 | まち歩き

 今回は、2004年9月24日から10月1日まで「待合室」の第112回「都営三田線途中下車(3) 内幸町駅周辺」として掲載した記事の再掲載です。題を変更した他、文章の一部を修正しました(内容を変えない範囲です)。なお、写真は全て2004年7月3日に撮影したものです。

 

  今回は東京都港区、通勤のために、普段であれば地下を通る街の風景を取り上げます。都営三田線途中下車シリーズ第3弾です。志村三丁目、西台、そして内幸町と、かなりランダムに取り上げていますが、この点は御容赦下さい。

  東急目黒線武蔵小杉駅から西高島平行きの電車に乗り、目黒から6つ目、白金高輪から4つ目の駅が内幸町です。駅名は千代田区の地名となっていますが、駅名標には「(西新橋)」とも書かれています。駅の所在地は千代田区だとのことですが、撮影場所は港区で、新橋と西新橋の境目あたりです。JR新橋駅まで徒歩で5分くらいでしょうか。

 都営三田線(6号線)は、長らく三田⇔西高島平の路線でしたが、2000年9月に目黒⇔三田が開業し、東急目黒線との直通運転も開始しました。但し、目黒⇔白金高輪は東京地下鉄株式会社が第一種鉄道事業者、東京都交通局が第二種鉄道事業者となっていますので、目黒⇔白金高輪は東京メトロ南北線に乗り入れる形となっています。三田線は、実質的に白金高輪⇔西高島平の路線であると考えてよいかもしれませんが、正式には目黒⇔西高島平となっています。。

  鉄道事業法は、かなり面倒な事業者類型を定めており、目黒⇔白金高輪の場合、第一種鉄道事業者は東京地下鉄株式会社(2004年3月までは帝都高速度交通営団)、第二種鉄道事業者は東京都交通局となっています。このような例は他にもあり、代表として、勝川⇔枇杷島の東海交通事業城北線〔第一種鉄道事業者が東海旅客鉄道(JR東海)、第二種鉄道事業者が東海交通事業〕、トロッコ嵯峨⇔トロッコ亀岡の嵯峨野観光鉄道〔第一種鉄道事業者が西日本旅客鉄道(JR西日本)、第二種鉄道事業者が嵯峨野観光鉄道〕)、筑豊電気鉄道の黒崎駅前⇔熊西(第一種鉄道事業者が西日本鉄道、第二種鉄道事業者が筑豊電気鉄道)をあげることができます。

「こんなことは一般の利用者に関係ないだろ?」と言われそうです。たしかにそうです。ただ、駅員さんをよく見て下さい。都営三田線のうち、目黒は東急の管理駅、白金台と白金高輪駅は東京メトロの管理駅で、運賃も東京メトロのほうを採用しています。これは、本来、目黒⇔白金高輪が南北線だからなのです。

  駅は西新橋交差点の下にあります。日比谷通りと外堀通りが交差する地点です。外堀通りを東に進むと新橋駅、西へ進むとほどなく虎ノ門駅があります。

 三田線は、三田から大手町まで日比谷通りの下を走ります。東京箱根駅伝などのコースと記せば、思い出される方も多いのではないでしょうか。周辺はビルばかりです。訪れたのが土曜日でしたので、自動車はそれほど多くなかったのですが、平日であればかなり交通量が多いところです。

 その交差点に、黄金色の像がありました。実は、私自身、この西新橋交差点を何度も通っているのですが、日比谷通りを自動車で走り抜けることが多く、この像のことは撮影日になって知った次第です。車では街の様子、途中の景色など理解できない 場合がある、ということがよくわかります。

 かなり目立ちますので、気になって近づいてみました。

 ギリシア神話に登場するプロメテウスの像で、「希望」という名称が付けられています。

 プロメテウスといえば、ギリシア神話に登場する巨人(ティタン神族)で、人間に火を与えた、というより、ゼウスによって奪われた火を、ゼウスの命令に背いて取り返し、さらに様々な知識を人間に与えた、という存在とされています(但し、このあたりのことは、古代ギリシアの文献によって扱いが違うようです)。有名なのは、ゼウスによって縛り付けられ、永久に、鷲に肝臓を食べさせるという苦しみ(一種の刑罰でしょうか)を与えられたということです。ただ、それによってプロメテウスが死んだ訳ではないので、長らく苦しみが続いたようです。結局、プロメテウスはヘラクレスによって解放されたとのことです。

 像の手前にある説明版です。この像のすぐ後ろにある建物が新日本石油株式会社の本社です。石油業界も合併再編が進みました。1999年、日本石油と三菱石油が合併して日石三菱株式会社となりましたが、2002年に現在の新日本石油株式会社に商号を変更しています。ただ、この会社の場合、英語の商号はNippon Oil Corporationとなっており、日本石油時代のものをそのまま採用したものと思われます。

 千代田区や港区のオフィス街は散歩には適さない、と考えていました。実際、何らかの目的がなければ、このような場所を歩いたりしないでしょう。しかし、歩いてみると意外な発見があるものです。これからも、途中下車でちょっとしたものを見つけることができれば、と思っています。


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