ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

行政法1A・行政法1B(大東文化大学)、行政法1(国学院大学)で扱った判決(4)

2017年12月19日 00時00分00秒 | 法律学

 今回は、行政立法に関する判決です。

 

 ●最大判昭和49年11月6日刑集28巻9号393頁(猿払事件)

 事案:郵政事務官であったX(被告人)は、昭和42年1月8日告示の衆議院議員総選挙に際して、勤務時間外に自らの支持する政党が公認した候補者の選挙用ポスターを掲示した、などとして起訴された。旭川地判昭和43年3月25日下刑集10巻3号293頁および札幌高判昭和44年6月24日判時560号30頁はXを無罪としたが、最高裁判所大法廷は両判決を破棄し、Xを有罪(罰金刑)とした。

 判旨:「政治的行為の定めを人事院規則に委任する国公法102条1項が、公務員の政治的中立性を損うおそれのある行動類型に属する政治的行為を具体的に定めることを委任するものであることは、同条項の合理的な解釈により理解しうるところである。そして、そのような政治的行為」は「公務員組織の内部秩序を維持する見地から課される懲戒処分を根拠づけるに足りるものであるとともに、国民全体の共同利益を擁護する見地から科される刑罰を根拠づける違法性を帯びるものであ」り、同項が「同法82条による懲戒処分及び同法110条1項19号による刑罰の対象となる政治的行為の定めを一様に委任するものであるからといって、そのことの故に、憲法の許容する委任の限度を超えることになるものではない」。

 

 ●最二小判平成24年12月7日刑集66巻12号1722頁

 事案:厚生労働省事務官であったX(被告人)は、勤務時間外である休日に、自らが支持する政党の機関紙を世田谷区内の警視庁職員住宅に投函して配布した。これが国家公務員法に違反するとして起訴された。東京地判平成20年9月19日刑集66巻12号1926頁、東京高判平成22年5月13日判タ1351号123頁のいずれもXを有罪(罰金刑)とし、最高裁判所第二小法廷もXの上告を棄却した。

 判旨:国家公務員法第102条第1項にいう「政治的行為」とは「公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指し、同項はそのような行為の類型の具体的な定めを人事院規則に委任したものと解するのが相当である。そして、その委任に基づいて定められた本規則も、このような同項の委任の範囲内において、公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為の類型を規定したものと解すべきである。同項が懲戒処分の対象と刑罰の対象とで殊更に区別することなく規制の対象となる政治的行為の定めを人事院規則に委任しているからといって、憲法上禁止される白紙委任に当たらないことは明らかである」。

 

 ●最大判昭和46年1月20日民集25巻1号1頁

 農地法第80条(当時)は、国が強制買収で取得した農地について農林大臣が農地としての性格が認められないとして相当と認めた場合に旧所有者又はその一般承継人に売り払わなければならないと規定していた。法律の規定では対象の土地について限定を加えていなかったが、農地法施行令旧第16条は「公用、公共用又は国民生活の安定上必要な施設の用に供する緊急の必要があり、且つ、そのように供されることが確実な土地等」に限定していた。判決は、施行令旧第16条が農地法の委任の範囲を超えて無効であると述べた。

 

 ●最一小判平成2年2月1日民集44巻2号369頁

 事案:この訴訟が提起された当時の銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第14条は、銃砲刀剣類のうちで美術品や骨董品としての価値があるものについては、文化庁長官への登録によって所持できる旨を定めていた。これを受けて、銃砲刀剣類登録規則第3条第2項が「登録審査委員は、鑑定にあたつては、次条の鑑定の基準に従つて公正に行なわなければならない」と定めるのであるが、第4条第2項は刀剣類の官邸の対象を日本刀に限定している。外国刀剣はいかなる物であっても登録の対象とならないため、その是非が争われた。

 判旨:「銃砲刀剣類登録規則の趣旨は、どのような刀剣類を我が国において文化財的価値を有するものとして登録の対象とするのが相当であるかの判断には、専門技術的な検討を必要とすることから、登録に際しては、専門的知識経験を有する登録審査委員の鑑定に基づくことを要するものとするとともに、その鑑定の基準を設定すること自体も専門技術的な領域に属するものとしてこれを規則に委任したものというべきであり、したがって、規則においていかなる鑑定の基準を定めるかについては、法の委任の趣旨を逸脱しない範囲内において、所管行政庁に専門技術的な観点からの一定の裁量権が認められているものと解するのが相当である」。また、「刀剣類の文化財的価値に着目してその登録の途を開いている前記法の趣旨を勘案すると、いかなる刀剣類が美術品として価値があり、その登録を認めるべきかを決する場合にも、その刀剣類が我が国において有する文化財的価値に対する考慮を欠かすことはできないものというべきであ」り、「規則が文化財的価値のある刀剣類の鑑定基準として、前記のとおり美術品として文化財的価値を有する日本刀に限る旨を定め、この基準に合致するもののみを我が国において前記の価値を有するものとして登録の対象にすべきものとしたことは、法一四条一項の趣旨に沿う合理性を有する鑑定基準を定めたものというべきであるから、これをもって法の委任の趣旨を逸脱する無効のものということはできない」。

 

 ●最三小判平成3年7月9日民集45巻6号1049頁(Ⅰ―52)

 当時の監獄法第50条は、在監者への接見の制限について「命令」(法務省令)で定めるとしており、同法施行規則第120条は14歳未満の者が在監者と接見することを許さないとする規定であった。判決は、この制限が法律によらないで被勾留者の接見の自由を著しく制約するものであるとして、施行規則第120条が法律の第50条による委任の範囲を超え、無効であると述べた。

 

 ●最一小判平成14年1月31日民集56巻1号246頁

 事案:児童扶養手当法第4条第1項は、児童扶養手当の支給要件を次のように定めている。

 「都道府県知事、市長(特別区の区長を含む。以下同じ。)及び福祉事務所(社会福祉法(昭和26年法律第45号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)を管理する町村長(以下「都道府県知事等」という。)は、次の各号のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護するとき、又は母がないか若しくは母が監護をしない場合において、当該児童の母以外の者がその児童を養育する(その児童と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その母又はその養育者に対し、児童扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。

 一 父母が婚姻を解消した児童

 二 父が死亡した児童

 三 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童

 四 父の生死が明らかでない児童

 五 その他前各号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」

 この第5号を受けて児童扶養手当法施行令第1条の2が定められるが、その第3号は「母が婚姻(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)」と定められていた。すなわち、子が父から認知されなければ、母は児童扶養手当を受給するが、子が父から認知されると児童扶養手当を受給できないこととなる。

 X(原告・被控訴人・上告人)は、A(子)が同施行令第1条の2第3号に定められる児童に該当するとして児童扶養手当を受給していた。しかし、B(父)がAを認知したため、Y(県知事。被告・控訴人・被上告人)は、同号括弧書きに該当するとしてXの受給資格を喪失させる処分を行った。そこで、Xは同号括弧書きが憲法第14条に違反するなどとして処分の取消を求めた。

 判旨:最高裁判所第一小法廷は、同号括弧書きが法律の趣旨、目的に照らして均衡を欠く結果となり、法律の委任の趣旨に反すると述べ、本件受給資格喪失処分を取り消した(反対意見がある)。判決理由中においては、法律第4条第1項ないし第4項が「法律上の父の存否のみによって支給対象児童の類型化をする趣旨でないことは明らかであるし、認知によって当然に母との婚姻関係が形成されるなどして世帯の生計維持者としての父が存在する状態になるわけでもない。また、父から認知されれば通常父による現実の扶養を期待することができるともいえない。したがって、婚姻外懐胎児童が認知により法律上の父がいる状態になったとしても、依然として法4条1項1号ないし4号に準ずる状態が続いているものというべきである」と述べられている。

 (なお、この判決を受け、児童扶養手当法施行令第1条の2第3号の括弧書きの部分は削除された。)

 

 ●最大判平成21年11月18日民集63巻9号2033頁

 事案:高知県安芸郡東洋町に居住する原告ら(このうちのX5が公務員としての農業委員会委員であった)は、地方自治法第80条第1項に基づき、同町選挙管理委員会に対し、同町議会議員のAについて解職請求を行った。原告らは、この解職請求に係る署名簿を平成20年4月14日に同町選挙管理委員会に提出し、17日に受理されたが、5月2日、署名簿にある全員の署名を無効とする旨の決定を行った。そのため、原告らは異議を申し立てたが、同調選挙管理委員会は異議申立てを棄却したため、出訴した。高知地判平成20年12月5日民集63巻9号2117頁は原告らの請求を棄却したため、地方自治法第80条第4項(第74条の2第5項および第8項を準用する)により、最高裁判所へ上告した。

 問題とされたのは、地方自治法第85条第1項が公職選挙法第89条第1項を準用し、これを受ける形で当時の地方自治法施行令第115条・第113条・第108条第2項・第109条が公職選挙法第89条第1項を準用することによって、農業委員会委員が(公職候補者となることができる場合と否とを問わずに)在職中に議会議員の解職請求代表者となれない旨を定めていたことである。

 最高裁判所大法廷は、前掲高知地判を破棄し、次のように述べて同町選挙管理委員会による異議申立棄却決定を取り消した。

 判旨:地方自治法は「議員の解職請求について、解職の請求と解職の投票という二つの段階に区分して規定しているところ、同法85条1項は、公選法中の普通地方公共団体の選挙に関する規定(以下「選挙関係規定」という。)を地自法80条3項による解職の投票に準用する旨定めているのであるから、その準用がされるのも、請求手続とは区分された投票手続についてであると解される」から、地方自治法第85条第1項は「専ら解職の投票に関する規定であり、これに基づき政令で定めることができるのもその範囲に限られるものであって、解職の請求についてまで政令で規定することを許容するものということはできない」。しかし、前記の地方自治法施行令の各規定は、地方自治法第85条第1項に基づいて公職選挙法第89条第1項本文を「議員の解職請求代表者の資格について準用し、公務員について解職請求代表者となることを禁止して」おり、これは地方自治法第85条第1項に「基づく政令の定めとして許される範囲を超えたものであって、その資格制限が請求手続にまで及ぼされる限りで無効と解するのが相当である」。

 (なお、この判決は、最二小判昭和29年5月28日民集8巻5号1014頁を変更したものである。)

 

 ●最三小判昭和43年12月24日民集22巻13号3147頁

 事案:墓地、埋葬等に関する法律第13条に定められた「正当な理由」(埋葬の拒否に関する)について厚生省環境衛生課長が通達を発していたが、宗教団体間の対立から埋葬拒否事件が多発するに至り、同省公衆衛生局環境衛生部長が新たに通達を発した。これに対し、原告寺院が異宗徒の埋葬の受忍が刑罰によって強制されるなどとして、新たな通達の取消しを求めて出訴した。東京地判昭和37年12月21日行集13巻12号2371頁は原告寺院の請求を却下し、東京高判昭和39年7月31日行集15巻7号1452頁も原告寺院の控訴を棄却した。最高裁判所第三小法廷は上告を棄却した。

 判旨:「元来、通達は、原則として、法規の性質をもつものではなく、上級行政機関が関係下級行政機関および職員に対してその職務権限の行使を指揮し、職務に関して命令するために発するものであり、このような通達は右機関および職員に対する行政組織内部における命令にすぎないから、これらのものがその通達に拘束されることはあつても、一般の国民は直接これに拘束されるものではな」いから、「行政機関が通達の趣旨に反する処分をした場合においても、そのことを理由として、その処分の効力が左右されるものではない。また、裁判所がこれらの通達に拘束されることのないことはもちろんで、裁判所は、法令の解釈適用にあたつては、通達に示された法令の解釈とは異なる独自の解釈をすることができ、通達に定める取扱いが法の趣旨に反するときは独自にその違法を判定することもできる」。また、「現行法上行政訴訟において取消の訴の対象となりうるものは、国民の権利義務、法律上の地位に直接具体的に法律上の影響を及ぼすような行政処分等でなければならないのであるから、本件通達中所論の趣旨部分の取消を求める本件訴は許されない」。

 

 ●最二小判昭和33年3月28日民集12巻4号624頁

 旧物品税法において「遊戯具」は課税対象物品とされたが、パチンコ球遊器は10年間ほど課税の対象となっていなかった。しかし、東京国税局長は、パチンコ球遊器が「遊戯具」に該当するという趣旨の通達を発し、これに基づいて税務署長がパチンコ球遊器製造業者に対して物品税賦課処分を行った。最高裁判所第二小法廷は、「本件の課税がたまたま所論通達を機縁として行われたものであっても、通達の内容が法の正しい解釈に合致するものである以上、本件課税処分は法の根拠に基く処分と解するに妨げがな」いと述べた。

 

 ●最一小判昭和46年10月28日民集25巻7号1037頁(個人タクシー事件)

 事案:Xは新規の個人タクシー営業免許を申請した。陸運局長Yはこれを受理し、聴聞を行ったが、道路運送法第6条に規定された要件に該当しないとして申請を却下する処分を行った。Xは、聴聞において自己の主張と証拠を十分に提出する機会を与えられなかったなどとして出訴した。

 判旨:最高裁判所第一小法廷は、手続が行政庁の独断を疑わせるような不公正なものであってはならず、法律の趣旨を具体化した審査基準の設定および公正かつ合理的な適用が必要であり、そして申請人に主張と証拠の提出の機会を与えなければならないと述べ、申請人には公正な手続を受ける法的利益があるとした上で、本件の審査手続に瑕疵があるとして、申請却下処分を違法と判断した。

 
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行政法1A・行政法1B(大東文化大学)、行政法1(国学院大学)で扱った判決(3)

2017年12月18日 00時00分00秒 | 法律学

 今回は、行政法と民事法との関係に関する判決です。

 

 ●最三小判昭和31年4月24日民集10巻4号417頁

 事案:Xは、訴外A社から土地を購入し、代金を支払った上に、土地を自己の所有物とする財産税の申告を魚津税務署長に行ったが、所有権移転登記手続を済ませていなかった。A社が租税を滞納していたことがきっかけで、Y1(所轄税務署長)はこの土地をA社名義のものとして差し押さえ、登記名義も変更した上で、Y2を競落人とする公売処分を執行した。そして土地の登記名義もY2になった。Xは、Y1に対しては一連の処分の無効確認を求め、Y2に対しては所有権移転登記の抹消登記手続を求める訴えを提起した。一審ではXが敗訴したが二審ではXが勝訴したため、Y1およびY2が上告した。最高裁判所第三小法廷は、以下のように述べて破棄差戻しの判断を示した。

 判旨:「国税滞納処分においては、国は、その有する租税債権につき、自ら執行機関として、強制執行の方法により、その満足を得ようとするものであつて、滞納者の財産を差し押えた国の地位は、あたかも、民事訴訟法上の強制執行における差押債権者の地位に類するものであり、租税債権がたまたま公法上のものであることは、この関係において、国が一般私法上の債権者より不利益の取扱を受ける理由となるものではない。それ故、滞納処分による差押の関係においても、民法177条の適用があるものと解するのが相当である」。

 

 ●最一小判昭和35年3月31日民集14巻4号663頁

 事案:前掲最三小判昭和31年4月24日により差し戻された事件である。名古屋高判昭和32年6月8日民集14巻4号708頁でXが敗訴したため、Xが上告した。最高裁判所第一小法廷はXの上告を認容し、前掲名古屋高判昭和32年6月8日を破棄した。

 判旨:「本件のような場合国がXの本件土地所有権の取得に対し登記の欠缺を主張するについて正当の利益を有する第三者に該当しないという為めには(中略)Xは前示差押登記前である昭和21年2月15日魚津税務署長に対し本件土地を自己の所有として申告し、同署長は該申告を受理して、上告人から財産税を徴税したという事実だけでは足りず、更に上告人において本件土地がY1から上告人の所有として取り扱わるべきことを強く期待することがもっともと思われるような特段な事情がなければならない」。本件の場合は、Y1が本件土地をXの所有物として取り扱うべきであることをXが「強く期待することが、もっともと思われる事情があったものと認めるを相当と考え」られるのであり、Y1はXの「本件土地の所有権取得に対し登記の欠缺を主張するについて正当の利益を有する第三者に該当しないものと認むべき」である。

 

 ●最大判昭和28年2月18日民集7巻2号157頁

 事案:Xは訴外Aから農地を購入していたが、所有権移転登記手続を済ませていなかった。農地改革の折、地区の農地委員会は、農地の所有者は登記名義人であり、かつ不在地主のAであるとする認定を行い、買収計画を定めた。Xは、地区の農地委員会に対する異議申立て、および県農地委員会への訴願を行った。Xは、県農地委員会の裁決の取消しを求めて訴えを提起した。一審判決および二審判決はXの請求を認容したので、県農地委員会が上告した。

 判旨:最高裁判所大法廷は、農地買収処分が権力的な手段による強制的な買い上げであり、民法上の売買とは本質を異にするから、自作農創設特別措置法による農地買収処分に民法第177条の適用は認められないという旨を述べ、上告を棄却した。

 

 ●最三小判昭和50年2月25日民集29巻2号143頁

 事案:訴外Aは陸上自衛隊員として某駐屯地に勤務していたが、1965年某日、駐屯地内の武器隊車両整備工場において、訴外Bが運転していた大型自動車に轢かれ、即死した。Aの両親であるXらは、国家公務員災害補償法第15条による補償金として76万円を受領していたが、自動車損害賠償責任保険法による強制保険金と比較して補償額が低いことなどから、同法第3条に基づく損害賠償請求訴訟を提起した。東京地判昭和46年10月30日民集29巻2号160頁はXらの請求を棄却したため、XらはY(国)の安全配慮義務違反による債務不履行責任の主張を追加して控訴したが、東京高判昭和48年1月31日訟務月報19巻3号37頁は控訴を棄却した。Xらが上告し、最高裁判所第三小法廷は控訴審判決を破棄し、東京高等裁判所に事件を差し戻した。

 判旨:「会計法30条が金銭の給付を目的とする国の権利及び国に対する権利につき5年の消滅時効期間を定めたのは、国の権利義務を早期に決済する必要があるなど主として行政上の便宜を考慮したことに基づくものであるから、同条の5年の消滅時効期間の定めは、右のような行政上の便宜を考慮する必要がある金銭債権であつて他に時効期間につき特別の規定のないものについて適用されるものと解すべきである。そして、国が、公務員に対する安全配慮義務を懈怠し違法に公務員の生命、健康等を侵害して損害を受けた公務員に対し損害賠償の義務を負う事態は、その発生が偶発的であつて多発するものとはいえないから、右義務につき前記のような行政上の便宜を考慮する必要はなく、また、国が義務者であつても、被害者に損害を賠償すべき関係は、公平の理念に基づき被害者に生じた損害の公正な填補を目的とする点において、私人相互間における損害賠償の関係とその目的性質を異にするものではないから、国に対する右損害賠償請求権の消滅時効期間は、会計法30条所定の五年と解すべきではなく、民法167条1項により10年と解すべきである。」

 

 ●最二小判平成17年11月21日民集59巻9号2611頁

 事案:平成11年某日、Yの次男Aは自動車を運転していたが、松戸市内で赤信号を見落として某交差点に進入した結果、横断中のBに衝突して転倒させ、重傷を負わせるという事故を起こした。Bは松戸市立病院に搬送され、入院治療を受けた。Bの診療費等の負担に関してX(松戸市)に交付された入院証書の連帯保証人の欄には、Yの実印による印影が示されていた。Yは、診療費等の負担についてXとの間で連帯保証契約を結んでいないと主張し、また、仮に連帯保証契約を結んでいたとしても、本件の訴状がYに送達されたのが平成15年8月30日であるから、それより3年以上前に発生した診療費請求権は時効消滅するとして、消滅時効の援用を主張した。これに対し、Xは、松戸市立病院が地方自治法第244条第1項にいう公の施設に該当することなどから、消滅時効期間は同法第236条第1項に規定される5年と解すべきであると主張した。千葉地松戸支部平成16年8月19日民集59巻9号2614頁はXの主張を認めたが、東京高判平成17年1月19日民集59巻9号2620頁は、前掲最一小判昭和59年12月13日を参照しつつ「公立病院の施設自体は,中核をなす診療行為に付随する利用関係にすぎないのであって,公立病院と病院利用者との間の法律関係は,基本的には私立病院と利用者の間の法律関係と異なるところはないから,その使用料は私法上の債権と解すべきである」として、Xの請求の大部分を棄却する判決を下した(3年の消滅時効にかからない部分のみ請求を認容した)。Xが上告したが、最高裁判所第二小法廷は上告を棄却した。

 判旨:「公立病院において行われる診療は、私立病院において行われる診療と本質的な差異はなく、その診療に関する法律関係は本質上私法関係」であり、「公立病院の診療に関する債権の消滅時効期間は、地方自治法236条1項所定の5年ではなく、民法170条1号により3年と解すべきである」。

 

 ●最一小判昭和59年12月13日民集38巻12号1411頁

 事案:被告Yは昭和30年代から某都営住宅に居住していた。公営住宅法第21条の2、同施行令第6条の2など、および東京都営住宅条例第19条の3(いずれも当時)によれば、都営住宅を引き続き3年以上使用しており、かつ、一定の月額収入を超える者は割増賃料を支払う義務を負っており、Yはこれに該当していたが、割増賃料を一切支払わなかった。また、Yは、東京都の許可を得ることなく増築を行った。東京都は、これらが住宅の明渡事由に該当するとして、使用許可を取り消し、割増賃料相当額の支払、増築した建物の収去、および土地の明渡を求めて出訴した。東京地判昭和54年5月30日下民集30巻5~8号275頁は、東京都の請求のうち、割増賃料相当分の支払に関する請求のみを認容した。東京都は、請求の一部を変更して控訴し、東京高判昭和57年6月28日高民集35巻2号159頁は東京都の敗訴部分を取消し、Yに土地の明渡を命じた。Yが上告したが、最高裁判所第一小法廷は、Yの上告を棄却した。

 判旨:まず、最高裁判所第一小法廷は、公営住宅法および東京都営住宅条例の規定の趣旨から「公営住宅の使用関係には、公の営造物の利用関係として公法的な一面があることは否定しえない」としつつも、「入居者が右使用許可を受けて事業主体と入居者との間に公営住宅の使用関係が設定されたのちにおいては、前示のような法及び条例による規制はあつても、事業主体と入居者との間の法律関係は、基本的には私人間の家屋賃貸借関係と異なるところはなく」、「公営住宅の使用関係については、公営住宅法及びこれに基づく条例が特別法として民法及び借家法に優先して適用されるが、法及び条例に特別の定めがない限り、原則として一般法である民法及び借家法の適用があり、その契約関係を規律するについては、信頼関係の法理の適用があるものと解すべきである」と述べる。

 

 ●最三小判平成元年9月19日民集43巻8号955頁

 事案:Yは、大阪市内の商業地域に土地を有していた。この地域は準防火地域(都市計画法第8条第1項第5号)であったため、Yは自己の所有地上において、外壁が耐火構造となっている建造物の建築に着手した。これに対し、隣地を所有するXは、Yの建造物が境界線から50センチメートル以上の距離を置いておらず、民法第234条に違反するとして、建物の一部収去および損害賠償などを求めて出訴した。大阪地判昭和57年8月30日判時1071号95頁はXの請求を認容したのでYは控訴したが、大阪高判昭和58年9月6日民集43巻8号982頁は控訴を棄却した。そのため、Yが上告した。最高裁判所第三小法廷は、次のように述べてYの上告を認容し、Xの請求を棄却した。

 判旨:「建築基準法65条は、防火地域又は準防火地域内にある外壁が耐火構造の建築物について、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる旨規定しているが、これは、同条所定の建築物に限り、その建築については民法二三四条一項の規定の適用が排除される旨を定めたものと解するのが相当である。けだし、建築基準法六五条は、耐火構造の外壁を設けることが防火上望ましいという見地や、防火地域又は準防火地域における土地の合理的ないし効率的な利用を図るという見地に基づき、相隣関係を規律する趣旨で、右各地域内にある建物で外壁が耐火構造のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができることを規定したものと解すべきであ」る。

 

 ●最二小判昭和35年3月18日民集14巻4号483頁

 事案:X社は、A社(食品衛生法による許可を受けている)の代表取締役であるY(食品衛生法による許可を受けていない)に対して精肉を売り渡した。しかし、Yは内金を支払ってはいたが、代金のうちの残りの部分を払っていなかった。Xは、その残りの部分と遅延損害金の支払いを求めた。これに対し、Yは、自らが食品衛生法による許可を受けていないこと、取引の当事者はXとAであってYではないことなどを理由として、売買契約が無効であると主張した。

 判旨:最高裁判所第二小法廷は、食品衛生法を警察取締法規と理解した上で、この法律による許可を受けていない当事者との取引は、私法上の効力を否定されないと判示した。

 

 ●最二小判昭和30年9月30日民集9巻10号1498頁

 事案:Xは煮干し鰯の売買につき、当時の臨時物資需給調整法などによる資格を得ていなかった。XはYに煮干し鰯千貫を売り渡し、引渡しも済ませたが、Yが代金を支払わなかった。

 判旨:臨時物資需給調整法などは経済統制法規であり、この法律に定められた登録などを行っていない無資格者の取引は、私法上の契約としても無効である。

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JR九州の減量ダイヤ改正

2017年12月17日 00時52分31秒 | 社会・経済

 何度も書いていることではありますが、私は1997年4月から2004年3月まで大分大学教育学部に講師および助教授として勤務しており、2004年から2012年まで西南学院大学および福岡大学での集中講義を担当しました。大分大学時代には月に何度か豊肥本線のディーゼルカーや日豊本線の電車に乗りましたし、集中講義のために福岡に滞在していた時には地下鉄、西鉄、JR九州の路線によく乗りました。そのため、九州の鉄道路線の動向には強い関心を持っています。

 2016年10月、JR九州は東京証券取引所第1部に上場しました。いわゆる三島会社では唯一であり、JR四国およびJR北海道よりは基盤が固いとも言えるのでしょうが、それは本業と言える鉄道事業によるものではありません。むしろ、鉄道事業の赤字は続いています。そのような中で、JR九州が減量ダイヤ改正を行う意向であることが、毎日新聞社により報じられました。12月15日21時20分付の「<JR九州>ダイヤ改正で運転117本減 事業効率化を図る」(https://mainichi.jp/articles/20171216/k00/00m/020/120000c)です。

 3月と言えばJRグループのダイヤ改正が行われる月ですが、2018年のダイヤ改正は3月17日に行われる予定です。JR九州は、その改正によって全路線の運転本数を3118本から3011本に減らし(3.7%減となります)、平日における1日あたりの運転距離を185,000㎞から172,000㎞に減らします(7%減です)。これは1987年にJR九州が誕生してから最大となる減少であり、新幹線も、在来線の特急も、快速も普通も本数が削減されたり区間が短縮されたりします。

 とくに本数削減が目立つのは鹿児島本線の大牟田〜荒尾で、136本から90本になるようです。また、肥薩線の人吉〜吉松は10本から6本に減るといいます。現在は5往復ですので3往復に減るということになります。日豊本線の佐伯〜市棚も普通列車が3往復しかありませんが、こちらは特急が何往復か走っています(但し、佐伯駅以外の駅には止まりません)。肥薩線の人吉〜吉松には特急が走っていないので、ダイヤ改正によって営業列車は純粋に3往復しかないということとなります。また、肥薩線の吉松〜隼人(さらに日豊本線を経由して鹿児島中央まで)には「はやとの風」という観光列車が走っていますが、これを不定期化するようです。

 私も大分市に7年間住んでいましたので、九州のほぼ全域が自動車社会であることは承知しています。乏しい経験からしか記せませんが、それでも福岡県内、佐賀県内、長崎県内および大分県内の全鉄道路線を利用したことがありますので、自家用車がなくとも首都圏でのように生活できると私が感じるのは、福岡市営地下鉄空港線および箱崎線の沿線、西鉄天神大牟田線の西鉄福岡(天神)〜西鉄二日市(もう少し頑張れば筑紫まで、または太宰府線の太宰府まで)、長崎電気軌道の路面電車が走る一帯、熊本市電が走る一帯、という程度でしょうか。

 そのため、この記事に限らず、同類の記事に書かれている沿線自治体の関係者の意見・コメントを読んでも、白々しいというか、「今更何を言っているのだ?」という思いが強く出てきます。例えば、吉松駅がある鹿児島県湧水町の担当者のコメントとして「高齢者や観光客にとって利便性が悪くなる。地域の交流人口の増加を目指そうとしているのに痛手だ」という意見が掲載されていますが、それは何時からのことかと尋ねたくなります。高齢者はともあれ、観光客については、沿線自治体はむしろ高速道路、国道、県道などの整備を声高に主張してきたのではなかったのでしょうか。九州に限られた話でもないのですが、少なからぬ観光地は、自家用車で向かうことを前提として整備されてきたような節があります。

 観光地に限りません。都市についても同様と言えるでしょう。

 JR九州にも問題がない訳ではないでしょう。収益を呼ぶと思われてきたようなものであっても、見直さなければならないものがあるはずです。たとえば、豪華寝台列車と位置づけられている「ななつ星in九州」は、鉄道事業の収益、鉄道の利便性などにどれだけ貢献しているのでしょうか。登場時点では大きな話題を呼んでも、利用できる客が限定されているのであれば、成長をそれ程見込むことはできないでしょう。また、JR九州と言えば水戸岡鋭治氏のデザインによる車両(鹿児島本線の特急「つばめ」で有名だった787系、博多〜大分・佐伯の特急「ソニック」用の883系など)が有名ですが、こうした車両もどこまで鉄道事業に貢献してきたのか、冷静な検証が必要でしょう。

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行政法1A・行政法1B(大東文化大学)、行政法1(国学院大学)で扱った判決(2)

2017年12月17日 00時00分00秒 | 法律学

 今回は、信義誠実の原則、および、権利または権限の濫用などに関する判決です。

 

 ●東京高判昭和41年6月6日行裁例集17巻6号607頁(文化学院非課税通知事件)

 事案:原告Xは民法上の財団法人である。Xは、自らが保有し、直接教育の用に供している土地および建物について固定資産税を非課税とするように求める文書を東京都千代田税務事務所長に提出した。同事務所長は、本件土地および建物が地方税法第348条第2項第9号に該当するものと誤認し、本件土地および建物については非課税とする趣旨の決定を行い、通知した。しかし、それから8年ほど経ち、同事務所が調査したところ、Xの土地および建物は非課税物件ではなく、課税物件であることが判明した。そこで、同事務所長は本件土地および建物について固定資産税を賦課徴収するという趣旨の決定をし、Xに送付した。Xは固定資産税を納めなかったので、Y(東京都知事)が土地について差押処分を行った。Xは、この差押処分の取消を求める訴訟を提起し、固定資産税賦課処分の無効も主張した。東京地判昭和40年5月26日行裁例集16巻6号1033頁は、本件について信義誠実の原則(同判決では禁反言の原則)の適用を認め、差押処分を取り消したが、Yが控訴した。東京高等裁判所は、次のような趣旨を述べてXの請求を棄却した。

 判旨:税務事務所長の通知が何らの法的効果を生ずるものでもなく、単に所長の関係や部内の方針を知らせた事実上の通知にすぎず、他方でXが学校法人でもないのに本件土地建物が非課税物件であると誤解しており、通知が誤解を深めたという程度にすぎない。このような「誤解に基づく違法な取扱いは少しでも早く是正されるべきであ」る。

 

 ●最三小判昭和62年10月30日判時1262号91頁

 事案:Xは、Aが経営する酒屋に勤めており、しばらくしてからは実質的に経営をなすようになった。Aは青色申告について所轄税務署長Yの承認を受けており、昭和29年分から昭和45年分まで、事業所得に関する青色申告はAの名義で行われていた。しかし、昭和47年3月に行われた昭和46年分の青色申告はAの名義ではなく、Xの名義で行われている。Xは青色申告についてYの承認を受けていなかったが、何故かYはX名義の青色申告書を受理し、その後、昭和47年分から昭和49年分についても青色申告用紙をXに送付し、Xの青色申告を受理していた(なお、Aは昭和47年秋に死亡している)。或る日、YがAの相続人について相続税の調査を行った際に、Xが青色申告の承認を受けていないことが判明した。そこで、Yは昭和48年分および昭和49年分の青色申告の効力を否認し、白色申告とみなして更正処分を行った。Xは、この更正処分が信義誠実の原則に違反するとして処分の取消訴訟を提起した。福岡地判昭和56年7月20日訟務月報27巻12号2351頁および福岡高判昭和60年3月29日訟務月報31巻11号2906頁はXの主張を認めた。

 判旨:最高裁判所第三小法廷は、次のように述べて破棄差戻判決を下した。

 「租税法規に適合する課税処分について、法の一般原理である信義則の法理の適用により、右課税処分を違法なものとして取り消すことができる場合があるとしても、法律による行政の原理なかんずく租税法律主義の原則が貫かれるべき租税法律関係においては、右法理の適用については慎重でなければならず、租税法規の適用における納税者間の平等、公平という要請を犠牲にしてもなお当該課税処分に係る課税を免れしめて納税者の信頼を保護しなければ正義に反するといえるような特別の事情が存する場合に、初めて右法理の適用の是非を考えるべきものである。そして、右特別の事情が存するかどうかの判断に当たっては、少なくとも、税務官庁が納税者に対し信頼の対象となる公的見解を表示したことにより、納税者がその表示を信頼しその信頼に基づいて行動したところ、のちに右表示に反する課税処分が行われ、そのために納税者が経済的不利益を受けることになったものであるかどうか、また、納税者が税務官庁の右表示を信頼しその信頼に基づいて行動したことについて納税者の責めに帰すべき事由がないかどうかという点の考慮は不可欠のものであるといわなければならない」

 〔黄色マーカー部分をまとめると、信義誠実の原則が適用されるためには、次の3点が必要である。

 ①信頼の対象適格性:行政庁が、納税者(例.青色申告者)に対して信頼の対象となる公の見解を、通達の公表など一般に対し、あるいは申告指導のように個別に示したこと。

 ②信頼保護の正当性。行政庁の表示を納税者が信頼し、その信頼に基づいて行動したことについて、納税者に帰責事由があるか否か(帰責事由があれば保護されないこととなる)。

 ③信頼保護の必要性。②で納税者に帰責事由がなく、後に行政庁の表示と異なる行為(処分)が行われたために、納税者が経済的不利益を被ったか否か、〕

 

 ●最三小判昭和56年1月27日民集35巻1号35頁

 事案:Xは、沖縄県のY村に製紙工場を建設する計画を立てた。Y村の当時の村長であったAは、Xからの陳情を受け、工場を誘致してY村所有の土地をXに譲渡する旨の議案を村議会に提出した。これが可決されてから、AはXの工場建設に全面的に協力する旨を言明し、さらに手続を進めた。Xも、村有地の耕作者に対する補償料の支払い、機械設備の発注の準備などを進め、工場敷地の整地工事も完了させた。ところが、ちょうどその頃に村長選挙が行われて工場誘致反対派のBが村長に当選し、就任した。BはXに対し、工場の建設確認申請に同意しない旨を伝えた。Xは、工場の建設や操業ができなくなったとして、Y村を相手取って損害賠償を請求する訴訟を起こした。第一審判決および第二審判決はXの請求を棄却したが、最高裁判所第三小法廷は破棄差戻判決を下した。

 判旨:「地方公共団体の施策を住民の意思に基づいて行うべきものとするいわゆる住民自治の原則は地方公共団体の組織及び運営に関する基本原則であり、また、地方公共団体のような行政主体が一定内容の将来にわたつて継続すべき施策を決定した場合でも、右施策が社会情勢の変動等に伴つて変更されることがあることはもとより当然であつて、地方公共団体は原則として右決定に拘束されるものではない。しかし、右決定が、単に一定内容の継続的な施策を定めるにとどまらず、特定の者に対して右施策に適合する特定内容の活動をすることを促す個別的、具体的な勧告ないし勧誘を伴うものであり、かつ、その活動が相当長期にわたる当該施策の継続を前提としてはじめてこれに投入する資金又は労力に相応する効果を生じうる性質のものである場合には、右特定の者は、右施策が右活動の基盤として維持されるものと信頼し、これを前提として右の活動ないしその準備活動に入るのが通常である。このような状況のもとでは、たとえ右勧告ないし勧誘に基づいてその者と当該地方公共団体との間に右施策の維持を内容とする契約が締結されたものとは認められない場合であつても、右のように密接な交渉を持つに至つた当事者間の関係を規律すべき信義衡平の原則に照らし、その施策の変更にあたつてはかかる信頼に対して法的保護が与えられなければならないものというべきである。すなわち、右施策が変更されることにより、前記の勧告等に動機づけられて前記のような活動に入つた者がその信頼に反して所期の活動を妨げられ、社会観念上看過することのできない程度の積極的損害を被る場合に、地方公共団体において右損害を補償するなどの代償的措置を講ずることなく施策を変更することは、それがやむをえない客観的事情によるのでない限り、当事者間に形成された信頼関係を不当に破壊するものとして違法性を帯び、地方公共団体の不法行為責任を生ぜしめるものといわなければならない。そして、前記住民自治の原則も、地方公共団体が住民の意思に基づいて行動する場合にはその行動になんらの法的責任も伴わないということを意味するものではないから、地方公共団体の施策決定の基盤をなす政治情勢の変化をもつてただちに前記のやむをえない客観的事情にあたるものとし、前記のような相手方の信頼を保護しないことが許されるものと解すべきではない」。

 

 ●最二小判昭和53年5月26日民集32巻3号689頁および最二小判昭和53年6月16日刑集32巻4号605頁

 事案:X社は、個室付公衆浴場の設置を計画し、山形県公安委員会に営業許可を申請した。しかし、この計画を知った余目町(現在は庄内町の一部)は、個室付公衆浴場の予定地である場所から200mも離れていない場所にA児童遊園を設置するために県知事に認可を申請し、X社への営業許可よりも早い日に認可を得た。X社は個室付公衆浴場を開業したため、同県公安委員会から営業停止処分を受け、また、風俗営業等取締法違反に問われて起訴された。そこで、X社は、営業停止処分の取消を求めて出訴するとともに(途中で山形県に対する国家賠償請求訴訟に変更した)、刑事訴訟においては無罪を主張した。

 判旨:「所論の点に関する原審の事実認定は、原判決挙示の証拠関係に照らし是認することができ、原判決に所論の違法はない。そして、原審の認定した右事実関係のもとにおいては、本件児童遊園設置認可処分は行政権の著しい濫用によるものとして違法であり、かつ、右認可処分とこれを前提としてされた本件営業停止処分によつてX社が被つた損害との間には相当因果関係があると解するのが相当であるから、X社の本訴損害賠償請求はこれを認容すべきである」。(前掲最二小判昭和53年5月26日から引用)

 「本来、児童遊園は、児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、情操をゆたかにすることを目的とする施設(児童福祉法40条参照)なのであるから、児童遊園設置の認可申請、同認可処分もその趣旨に沿つてなされるべきものであつて、前記のような、X社のトルコぶろ営業の規制を主たる動機、目的とする余目町のA児童遊園設置の認可申請を容れた本件認可処分は、行政権の濫用に相当する違法性があり」、X社による個室付き公衆浴場の「営業に対しこれを規制しうる効力を有しないといわざるをえない」。(前掲最二小判昭和53年6月16日から引用)

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大東文化大学法学部「税法」・「税法B」第2回小課題

2017年12月16日 08時11分03秒 | 受験・学校

 先程、DB PORTALにもあげましたが、こちらにも掲載しておきます。

 ●最三小判昭和50年5月27日民集29巻5号641頁を読み、設問に答えなさい。

 設問1 この判決は、譲渡所得への課税をどのように説明しているか。

 設問2 この判決は、所得税法第33条第1項にいう「資産の譲渡」の意味をどのように説明しているか。

 設問3 この判決は、財産分与による資産の譲渡についてどのように説明しているか。

 設問4 離婚の際に、慰謝料として資産を譲渡する場合、財産分与として資産を譲渡する場合とに分け、それぞれについて資産の譲渡者に譲渡所得課税が行われるべきであるかについて論じなさい(あなた自身のこの判決に対する評価を必ず記すこと)。必要な場合には家族法(親族法・相続法)の教科書等を参照すること。

 字数:全体として2000字以上(字数制限なし。なお、個々の設問については設定しません)。なお、参考文献も明記してください(字数には入れません)。

 提出日:2018年1月15日の講義時(それより前の場合は2号館9階のメールボックスに入れてください)。DB PORTALのレポート提出機能を使用する場合には同日の11時までとします。

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行政法1A・行政法1B(大東文化大学)、行政法1(国学院大学)で扱った判決(1)

2017年12月16日 00時00分00秒 | 法律学

 タイトルに示した講義で扱った判決を、ここに掲載しておきます。今日は第1弾です。

 

 ●最三小決昭和55年9月22日刑集34巻5号272頁

 事案:警察官が、飲酒運転の多発地帯である場所で交通違反取締りを目的とする自動車検問を行った。X運転の車は、外観からは不審な点が存在しなかったが、警察官の合図に従い停車した。警察官はXに運転免許証の提示を求めた際、酒の臭いを感じたので降車を求め、派出所で飲酒検知を行ったところ、酒気帯び運転の事実が確認された。Xは自動車検問が何の法的根拠もなく行われたなどとして争ったが、第一審および第二審は、自動車検問の法的根拠を警察法第2条第1項とした上でXの主張を退けた。最高裁第三小法廷も、次のように述べてXの上告を棄却した。

 判旨:「警察法2条1項が『交通の取締』を警察の責務として定めていることに照らすと、交通の安全及び交通秩序の維持などに必要な警察の諸活動は、強制力を伴わない任意手段による限り、一般的に許容されるべきものであるが、それが国民の権利、自由の干渉にわたるおそれのある事項にかかわる場合には、任意手段によるからといつて無制限に許されるべきものでないことも同条2項及び警察官職務執行法1条などの趣旨にかんがみ明らかである。しかしながら、自動車の運転者は、公道において自動車を利用することを許されていることに伴う当然の負担として、合理的に必要な限度で行われる交通の取締に協力すべきものであること、その他現時における交通違反、交通事故の状況などをも考慮すると、警察官が、交通取締の一環として交通違反の多発する地域等の適当な場所において、交通違反の予防、検挙のための自動車検問を実施し、同所を通過する自動車に対して走行の外観上の不審な点の有無にかかわりなく短時分の停止を求めて、運転者などに対し必要な事項についての質問などをすることは、それが相手方の任意の協力を求める形で行われ、自動車の利用者の自由を不当に制約することにならない方法、態様で行われる限り、適法なものと解すべきである」。

 

 ●最二小判平成3年3月8日民集45巻3号164頁

 事案:千葉県浦安町(現在は浦安市)を流れる某河川に、河川法および漁港法による占用許可を受けずにヨット係留施設が設置された。そのため、船舶の航行にとって危険な状態が続いた。浦安町長は、千葉県葛南土木事務所長に撤去を要請したが、撤去はなされなかった。そこで、浦安町長は、本来の河川の管理者である千葉県知事の措置を待たず、このヨット係留施設の鉄杭を独自に撤去した。 本来、このような場合には、漁港法に基づいて漁港管理規程(条例)が制定されるべきであったが、浦安町は(漁港管理者であるが)漁港管理規程を制定していなかった。そのため、千葉県知事は河川法に違反する施設の撤去命令を発する権限を有するが、浦安町長はその権限を有していなかった。

 判旨:最高裁判所は、次のように述べて浦安町長(引用文中では上告人)の主張を認めた。

 (1)「本件鉄杭は、本件設置場所、その規模等に照らし、浦安漁港の区域内の境川水域の利用を著しく阻害するものと認められ、同法39条1項の規定による設置許可の到底あり得ない、したがってその存置の許されないことの明白なものであるから、同条六項の規定の適用をまつまでもなく、漁港管理者の右管理権限に基づき漁港管理規程によって撤去することができるものと解すべきである」が「当時、浦安町においては漁港管理規程が制定されていなかったのであるから、上告人が浦安漁港の管理者たる同町の町長として本件鉄杭撤去を強行したことは、漁港法の規定に違反しており、これにつき行政代執行法に基づく代執行としての適法性を肯定する余地はない」。

 (2)しかし、「浦安町は、浦安漁港の区域内の水域における障害を除去してその利用を確保し、さらに地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全を保持する(地方自治法2条3項1号参照)という任務を負っているところ、同町の町長として右事務を処理すべき責任を有する上告人は、右のような状況下において、船舶航行の安全を図り、住民の危難を防止するため、その存置の許されないことが明白であって、撤去の強行によってもその財産的価値がほとんど損なわれないものと解される本件鉄杭をその責任において強行的に撤去したものであり、本件鉄杭撤去が強行されなかったとすれば、千葉県知事による除却が同月9日以降になされたとしても、それまでの間に本件鉄杭による航行船舶の事故及びそれによる住民の危難が生じないとは必ずしも保障し難い状況にあったこと、その事故及び危難が生じた場合の不都合、損失を考慮すれば、むしろ上告人の本件鉄杭撤去の強行はやむを得ない適切な措置であったと評価すべきである」。従って、「上告人が浦安町の町長として本件鉄杭撤去を強行したことは、漁港法及び行政代執行法上適法と認めることのできないものであるが、右の緊急の事態に対処するためにとられたやむを得ない措置であり、民法720条の法意に照らしても、浦安町としては、上告人が右撤去に直接要した費用を同町の経費として支出したことを容認すべきものであって、本件請負契約に基づく公金支出については、その違法性を肯認することはでき」ない

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平成も遠くなりつつある……?

2017年12月15日 08時44分14秒 | 国際・政治

 今日(12月15日)の朝刊では平成30年度与党税制改正大綱の記事に目が行きますが、私は他の記事に手を止めました。

 市川雄一氏が亡くなられたという記事です。

 中選挙区制時代、少なくとも私が小学生であった1970年代後半には、川崎市は横須賀市とともに神奈川2区(衆議院議員選挙区)でした。そのため、小泉純一郎氏、市川雄一氏の名を候補者としてよく見かけたものです。

 その市川氏と言えば、何と言っても一・一ラインです。一は市川氏と小沢一郎氏のことで、この二人が非自民・非共産の細川連立政権発足の立役者でした。

 それから20年以上が経過しています。今上天皇が2019(平成31)年に退位されることも決定しました。平成も遠くなりつつあるのか、などと思いながら、記事を読みました。

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フィリアホールでゲルハルト・オピッツ(Gerhard Oppitz)を

2017年12月12日 23時57分50秒 | 音楽

 2017年12月12日(火)、つまり今日の19時から、青葉台のフィリアホールで、ドイツの正統派ピアニスト、ゲルハルト・オピッツさんのピアノ・リサイタルが行われました。

 私は先行予約でチケットを買ったのですが、席は2階席の一番後ろの列でした。ほぼ満席です。

 プログラムは次の通り、全てベートーヴェンのピアノ・ソナタです。

 前半 第8番ハ短調作品13「悲愴」/第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」

 後半 第17番ニ短調作品31-2「テンペスト」/第23番ヘ短調作品57「熱情」

 いずれも素晴らしい演奏でしたが、同時に、いかにも正統派と評されることはあるなと思いました。それは、前半の2曲に顕著でした。

 「悲愴」の第2楽章はポップスにもなったほど、しかも何度歌詞付きになったのかというほどに有名な曲です。それだけに過剰な表現になりやすく、演歌か何かではないのですがタメかコブシかというようなものが込められたりされます。クラシックでもそのような演奏を耳にすることがあります。しかし、今日のオピッツさんの演奏では、そのような過剰な表現はなされていません。「これなのだろう」と思いました。「過ぎたるは及ばざるがごとし」という諺は、音楽にも当てはまるようです。

 ちなみに、「悲愴」と訳されるpathétiqueですが、うちにある『プログレッシブ仏和辞典』を参照すると「心に迫る;悲壮な」という訳語が書かれています。チャイコフスキーの交響曲第6番ロ短調も「悲愴」で、こちらはチャイコフスキー自身が付けたそうです。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番のほうはと言えば、この曲の初版譜には既にpathétiqueという言葉が登場していたそうです。ベートーヴェン自身が付けたのかどうかはわかりませんが、後に付けられた通称ではないという訳です(似たような例が交響曲第3番と第6番です)。

 「月光」も非常に有名な曲で、とくに第一楽章は、ともすれば感情過多、あるいは大げさな表現になりがちなのですが、オピッツさんの今日の演奏ではそうなっていません。だからといってサラリと弾き流すだけにはなっていないのです。

 後半の2曲は、前半の2曲ほどには有名でないのですが、勿論、ベートーヴェンのピアノ・ソナタとしては有名で、数多くのLPやCDが世に出されています。

 「テンペスト」は、これがニ短調の曲なのかと思うような序奏から始まりますが、かなり起伏の激しい曲です。この曲の第3楽章は時々テレビなどでも使われます。「悲愴」にも言えることですが、第1楽章・第3楽章と、その間に挟まれた第2楽章との対比が見事です。

 「熱情」は、第1楽章に交響曲第5番第1楽章の動機(最初の4音)と同じリズムが何度か登場することでも有名です。私自身は第2楽章が好きで、このまま続いて欲しいと思ったりもするのですが(今日はとくにそう思いました。見事にはまったということでしょう)、アタッカで第3楽章に続き、ガラリと変わってしまいます。今日の演奏では、最初は「熱情」にしては少し温度が低いかなと思ったのですが、第3楽章で通称に相応しい雰囲気となりました。

 盛大な拍手の後にアンコール曲として演奏されたのは、ブラームスでした。オピッツさんがJohannes Brahmsとだけ言い、弾き始めたのです。イ長調で、私の好きな曲ですが、曲名を思い出せませんでした。後になって、「六つの小品」作品118の第2曲、間奏曲イ長調とわかりました。機会があったら、オピッツさんの演奏でブラームスのソナタなどを聴いてみたいものです。

 今回、このコンサートに行こうと思ったのは、1994年、私が大学院生であった時、NHK教育テレビでオピッツさんがベートーヴェンのソナタの演奏、およびレッスンを行うという番組が放送され、その番組を私が最初から最後まで見ていたことを思い出したからです。レッスンで扱われたのは「悲愴」です。また、9月10日に行われた近藤嘉宏さんのコンサートでも、オピッツさんの名前が出されていました(近藤さんの師匠がオピッツさんである、という関係です)。

 今日は、本当に行ってよかったと感じました。足らないこともなく、過ぎることもない。それが正統派と言われる所以なのでしょう。

 ★★★★★★★★★★

 ここ数年、クラシックのコンサートに行くことが多くなりました。とくにフィリアホールへ行くことが多いのですが、それは、うちから田園都市線一本で行けるというだけでなく、私が行くコンサートで外れがほとんどないからです。

 今年は、このブログでは書いていませんがNHKホールでのNHK交響楽団定期公演に2回行きました。2月18日(土)は、シベリウスのヴァイオリン協奏曲とショスタコーヴィチの交響曲第10番、6月30日(金)はシューマンの歌劇「ゲノヴェーヴァ」序曲、シューマンのチェロ協奏曲、シューベルトの交響曲第8番(Die große C-Dur)です。正直なところ、2月18日のヴァイオリン協奏曲と、6月30日のバッハの無伴奏チェロ組曲第1番第1曲(チェロ協奏曲と交響曲第8番との間に演奏された)は今ひとつであったように思われます。バッハの無伴奏チェロ組曲第1番第1曲に至っては、最初はテンポが速過ぎ、途中で失速したかのような演奏でした。

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2017年12月の渋谷駅西口

2017年12月10日 00時57分25秒 | まち歩き

12月9日、国学院大学での講義を終えて、桜丘町で知人と夕食をとる前に、渋谷駅西口を撮影してみました。

モアイ、ではなくモヤイ像です(字をよく見てください。モヤイは舫いなどとも記す日本語です)。

 幼少の頃から何度となく行った東急プラザが閉館し、解体されて久しい現在です。

 東急プラザで私が何度となく行ったのは5階で、コタニ(レコード店)、レオ(ドイツのメルクリンを専門とする鉄道模型店ですが、鉄道模型は高額で買えないので、ヴィキングなどのミニカーを買ったりしました)、紀伊國屋書店によく入りました。

 また、頻度はかなり落ちるものの、地下2階と9階にもよく行きました。閉館まで9階の東側にあり、今は銀座にある、有名なロシア料理店のロゴスキーは、私にとっても思い出のある店でして、妻と結婚する前に「ここなら間違いない!」と思って一緒に食事をして見事に当たり、結婚してからも年に最低1回は入って食事をしました。東急ストアなどでロゴスキーのボルシチのレトルトを買うことができますが、やはりボルシチ(元々はウクライナの料理だそうです)、ピロシキ、ストロガノフは味わっておくべきでしょう(ちなみに、私の小学生時代、川崎市の小学校の給食ではピロシキがよく出されました。ボルシチもあったかもしれません。また、ビーフンもよく出ました。ビーフンが出るとおかわりが続出したことをよく覚えています)。

 ロゴスキーではハンガリーのトカイワインやジョージア(グルジア)ワインを飲むことができました。私はワインをあまり好まないのですが(とくに、一体どんなブドウから作ったのかといぶかしくなるほど、赤が苦手です)、ドイツの白(黒猫、金猫)、トカイワイン、ジョージアワインのようなワインは別です(ヨーロッパでは東の方のワインが好きである、ということかもしれません。ワインではないのですが、六本木六丁目にあったキャッスルプラハというチェコ料理店の料理と酒も美味しかったことを覚えています)。しかし、ドイツの白ワインはともあれ、ハンガリーやジョージアのワインは、百貨店でも六本木などのヴァインケラーでも見つけられません。ワイン専門店を名乗るなら、これらも扱って欲しいものです。

 少し方角を変えました。2011年3月11日の夜には、このバスターミナルで東急バスの渋12高津営業所行きに乗ろうと考えてここに向かったところ、普段ならば想像もつかないような長い蛇行行列ができていたことを思い出します。

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渋谷駅前、ハチ公前広場にて

2017年12月08日 22時37分31秒 | まち歩き

12月ともなれば……

こういう時期です。

 

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