「調布市文化会館たづくり」で行われた、絵の具の特性について知る~絵の具作り体験~に参加してきました。
これは、絵の具に関する歴史や特性についての講義を受けた後、油絵の具作りを体験するというものです。
講師には、あの絵具メーカーのクサカベの絵具の開発担当をしているという女性と、現実に絵具を作っている部門の男性が来てくださいました。
講義では、絵具の成分や歴史などを懇切丁寧に解説してくれました。絵具の成分が顔料+バインダー(顔料を溶き、定着させるもの)で、成分によって定着の仕方が異なることなど、油絵の制作に役立つ知識が得られました。
その後、実際に油絵具の製作に入ります。
まず、顔料に亜麻仁油(リンシードオイル)を加えます。当日はウルトラマリン(青)とコバルトグリーン(緑)から自分の好きな色を選べました。迷わずフェルメールブルーのウルトラマリンを選択。
なかなか、粘度のかげんが難しく、顔料を足したり、バインダーを足したりしていたら、結構多量になってしまいました。
これを、パレットナイフで丁寧に混ぜ合わせます。
昔は、画家が自分でまずこの作業をしていたわけです。レンブラントの工房などでは、弟子たちがこれをやっていたわけですね。
その後分業が進み、絵具職人と画家が分かれたそうです。更に、チューブが発明されて、板からキャンバスに変わり、画材を携帯できるようになり、印象派のように外で絵を描けるようになったそうです。
![]() クサカベ セット 油絵具 クサカベ スケッチセット GR No.1 |
パレットナイフで混ぜただけでは、まだ粒子があらくて、絵具に輝きがありません。
これをガラスの練り棒で少量ずつ更に混ぜ合わせます。
すると、粒子が細かくなって、いつも使っている油絵の具の光沢と粘度が出てきます。
これが、実に手間のかかる仕事でした。1時間ぐらいかけて、全量を混ぜ合わせると、油絵絵具の出来上がりです。工場では、3本のロールが組み合わされたものですり合わせているそうです。
あとは、これをチューブに詰めて、万力のようなもので、チューブのおしりを閉じて完成です。
大変な手間で、クサカベの講師の方も、このように手間のかかるものだから、是非クサカベの既製品絵具を買ってくださいと宣伝していました。
今回製作した絵具は、顔料の含有率が非常に高いものですから、高級品で、クサカベの製品でいえば、GUILDという最高級品にあたるそうです。当日いただいたカタログを見ると、ウルトラマリンは1,260円していました。
![]() クサカベの高純度特練絵具のセットです【クサカベ】高純度特練絵具 ギルドセット【6号(20ml)... |
勉強になった有意義な講座でした。