日本近代文学館の太宰治展で
日本近代文学館編「太宰治 創作の舞台裏」2019年
を購入しました。
ちょうど、その中に太宰治が「金槐和歌集」岩波文庫 で
大海の磯もとどろによする波われてくだけてさけて散るかも
の歌に〇印がつけているページの写真が掲載されていました。
前書きとこの歌については、平仮名が片仮名になってはいるものの、浪と波に変更はなかったようです。
箱根ノ山ヲウチ出デテ見レバ浪ノヨル小島アリ供ノ者二此(この)ウミノ名ヲ知ルヤト尋ネシカバ伊豆ノ海トナン申スト答へ侍リシヲ聞キテ
箱根路ヲ我(わが)コエクレバ伊豆ノ海ヤ沖ノ小島二浪ノヨル見ユ
この歌について、妻美知子が書いているように、太宰治はわざわざ波を浪に変えたようです。
浪は大きな波で、波はさざなみのような波だとか。
この「右大臣実朝」は1943年9月に出版されました。
1944年12月に東南海地震があり、伊豆に津波が押し寄せたそうです。→ こちら
わが家の庭の隅で咲いたミニバラです。注意報発令みたいな感じもしないではありません。