カンボジア経済

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カンボジア 米中貿易戦争で漁夫の利 自転車製造でも

2019年09月11日 | 経済
 新聞報道によりますと、米国の自転車大手ケント・インターナショナルが、中国・上海の自転車メーカー上海ゼネラルスポーツとの合弁事業として、プノンペン近郊に工場を建設しており、9月中にも輸出を開始するとのことです。上海ゼネラルは、年間300万台の自転車を生産しており、そのほとんどをケントに供給していますが、米中貿易摩擦の影響を受けて、生産拠点の一部を中国からカンボジアに移す方針を表明しています。カンボジアでは300万台のうち3割に当たる90万台を生産するとしています。
 また、米国の自転車大手のトレック・バイシクルが、年内に20万台規模の生産工場を中国からカンボジアに移管する計画を表明しています。
 カンボジアは、自転車輸出を伸ばしており、EU市場では、2017年に台湾を抜いて最大の供給国となっています。2018年にカンボジアからEU向けに輸出された自転車は、150万台で、総額3億3100万ドル(約351億円)となっています。
 米中貿易戦争で、カンボジアは中国から脱出する製造業の行先の重要な候補となってきています。カンボジアは米国の特恵関税の恩恵を受けており、主要輸出品は関税が無税・減税となっています。これまでの縫製品に加え、2016年から特恵関税対象となった旅行用品(バッグ等)や、自転車製造の中国からの移転が目立ってきており、対米輸出好調を支えています。米中貿易戦争は、世界経済のスローダウンを招きつつあるものの、カンボジアは当面は漁夫の利を得るものと見られます。
(写真は、ベトナム国境近くのバベットにある台湾系自転車工場。2009年撮影)


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