カンボジア経済

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国連 貧困指数報告 カンボジアは過去8年で貧困者数半減

2023年10月30日 | 経済
 10月17日、国連開発計画(UNDP)カンボジア事務所は、2023年世界多次元貧困指数(global multidimensional poverty index: MPI)報告書を紹介しました。この報告書は、国連開発計画(UNDP)と英国オックスフォード大学のオックスフォード貧困・人間開発イニシアチブ(OPHI)により、本年7月11日に公表されたものです。発展途上国110か国における、発展途上国の人口の 92%に相当する 61 億人を対象として、世界の多面的な貧困の最新状況を調査した結果です。
 多次元貧困指数(MPI)とは、UNDPとOPHIが2010年人間開発報告書において導入した、貧困を多面的に捉えるための指数です。通常は金銭的な観点から貧困が定義されますが、このMPIでは健康(栄養状況、小児死亡率)、教育(就学年数、出席状況)、生活水準(調理燃料、衛生、上水、電気、住宅、資産)等の指標を組み合わせて算出された点数に基づいて貧困を定義しています。
 カンボジアについては、MPIが2014年の0.168から2021/2022年の0.070に大幅に改善したと評価しています。貧困者数は560万人から280万人に大きく減少しており、貧困率も36.7%から16.6%に半減しました。わずか7.5年の間に、人口の2割以上が貧困層から脱出したもので、UNDPも高く評価しています。MPI改善の主要因は、健康と生活水準の指数の改善であり、特に小児死亡率、栄養、調理用燃料、衛生、電気の指標が大きく改善したとしています。他方、教育と住宅については、課題が残されていると指摘しています。
 カンボジア経済は、新型コロナやリーマンショックの時期を除くと高度成長を続けており、貧困削減が大きく前進した基礎的な要因となっているものと見られます。フン・マネット首相は、経済成長策を進める一方で、インフォーマル経済・労働者にも目配りをする方針であり、今後も貧困削減が進むことが期待されます。

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2023年10月30日 | 一般
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