地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が、2022年1月1日に発効することとなりました。RCEPは、関税の削減などを通じて貿易の自由化を進める協定で2020年11月に15カ国(ASEAN10か国、日本・中国・韓国・オーストラリア・ニュージーランド)が署名しました。参加国の国内総生産(GDP)と人口の合計は世界の3割を占める規模となります。環太平洋経済連携協定(TPP)に比べると貿易自由化率やルール水準は低いものの、中国が参加する唯一の大型自由貿易協定となる見込みです。
RCEP協定は、参加しているASEAN10カ国のうちの6カ国と非ASEAN5カ国のうちの3カ国の批准書がASEAN事務局長に寄託された日から60日後に発効すると定められています。これまでに、ASEAN6か国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム)、非ASEAN2か国(日本、中国)が批准手続きを完了していましたが、11月2日にオーストラリアとニュージーランドも批准書の寄託を完了したため、2022年1月1日の発効が決まりました。
二国間で多数の自由貿易協定が結ばれると、民間の輸出入者からは制度が分かりにくくなり、「スパゲッティボウル」とも呼ばれる多数の協定内容が絡み合った状況になりやすいため、日本はRCEPやCPTPPといった地域的多国間協定を推進してきました。また、物品貿易の関税削減に留まらず、サービス貿易、人の移動、知的財産権、紛争解決等を包括的に定めたRCEPが、アジア地域では主たる協定となると見られます。
中国は、米国と同盟国による中国包囲網が強まる中で、「中国抜き」の貿易の枠組みが進展しないうちにRCEPをテコにASEANで地域貿易の主導権を握る狙いを有していると見られています。カンボジアも中国の意向を受けて、RCEP歓迎方針を強く打ち出すととともに、RCEP批准手続きを前倒しで進めていました。RCEPがカンボジアにどの程度の輸出拡大効果をもたらすかは、今後の推移を見守る必要があるものと見られます。
(写真は、日本の支援で整備されたシアヌークビル港)
日本の外務省の発表
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_009162.html
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RCEP協定は、参加しているASEAN10カ国のうちの6カ国と非ASEAN5カ国のうちの3カ国の批准書がASEAN事務局長に寄託された日から60日後に発効すると定められています。これまでに、ASEAN6か国(ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム)、非ASEAN2か国(日本、中国)が批准手続きを完了していましたが、11月2日にオーストラリアとニュージーランドも批准書の寄託を完了したため、2022年1月1日の発効が決まりました。
二国間で多数の自由貿易協定が結ばれると、民間の輸出入者からは制度が分かりにくくなり、「スパゲッティボウル」とも呼ばれる多数の協定内容が絡み合った状況になりやすいため、日本はRCEPやCPTPPといった地域的多国間協定を推進してきました。また、物品貿易の関税削減に留まらず、サービス貿易、人の移動、知的財産権、紛争解決等を包括的に定めたRCEPが、アジア地域では主たる協定となると見られます。
中国は、米国と同盟国による中国包囲網が強まる中で、「中国抜き」の貿易の枠組みが進展しないうちにRCEPをテコにASEANで地域貿易の主導権を握る狙いを有していると見られています。カンボジアも中国の意向を受けて、RCEP歓迎方針を強く打ち出すととともに、RCEP批准手続きを前倒しで進めていました。RCEPがカンボジアにどの程度の輸出拡大効果をもたらすかは、今後の推移を見守る必要があるものと見られます。
(写真は、日本の支援で整備されたシアヌークビル港)
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