カンボジア経済

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中国系犯罪集団によるカンボジアでの人身取引 日本人にも被害が

2022年09月02日 | 社会・風土
 カンボジアでは、中国系犯罪集団によるものと見られる人身取引、強制労働等の問題が顕在化しています。高給の仕事がある等の甘言に騙されて、台湾、香港、ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア等から、カンボジア南部のシアヌークビルに連れてこられて、特殊詐欺等の犯罪行為に無理矢理従事させられるといったケースの摘発が続いています。
 在カンボジア日本大使館では、「少数ですが邦人の被害事例も報告されています。」と、注意を喚起しています。8月26日付の大使館の注意喚起を全文転載します。くれぐれもご留意ください。

 最近、カンボジアにて好条件の仕事があるなどとして外国で希望者を勧誘し、カンボジアに到着した直後に旅券や連絡手段を取り上げ自由な外出を制限するなど監禁状態に置いた上で、当初約束していた活動とは異なる不法行為に従事させたり、本人の意思に反して労働を強いるような事案が発生しており、少数ですが邦人の被害事例も報告されています。
 様々な被害事例がありますが、概ね共通している特徴は以下のとおりです。
・居住国(日本を含む外国)にて知人や親族(外国人の場合もあれば本国(日本であれば日本人)の国籍者の場合もある)から、カンボジアで条件のいい短期(数週間から数ヶ月)の仕事があると紹介される。
・報酬が示される場合は月額数千ドル程度で、「仕事」の内容は簡単な翻訳作業や事務作業など専門性が低く負担の軽いものと説明されるが詳細な説明はほとんど無い。
・渡航費用や現地滞在費は全て雇用主負担で、査証などの事務手続きも全て雇用主が行う。
・滞在先として高級ホテルを用意したり、移動手段として高級車をあてがうと約束する場合がある。
・カンボジア到着直後に旅券やパスポートを監視役に取り上げられ、行き先も告げられないまま監視付きの施設に移される。
・本国から「案内役」が同行する場合がある
・滞在先の施設では、振り込め詐欺などに悪用されると思しき内容の文章の確認等を強要され、外出や外部との接触が制限される。
 カンボジアでは以前より国内外の犯罪組織による不法な活動が問題となっていましたが、法制度が未発達で汚職も蔓延しているともされており、当局による取り締まりが十分ではなく、こうした不法行為に巻き込まれた場合には解決が容易でないこともあります。
 つきましては、特に知人等からの紹介を受けてカンボジアでの就労を検討・予定されている場合は、上記のような情勢を理解し、安易に勧誘に同意することなく、勤務先が信用に足りるものか、安全が確保されているものか等につきご自身でよく確認し、確認できない場合は渡航を取りやめることも視野に入れて慎重に判断して下さい(大使館では個々の就労先や就労事案の安全性や信憑性について判断できません。)。
(写真は、クメールタイムズ紙より。シアヌークビルで多くの外国人が閉じ込められていた建物)

外務省の海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=136133



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