カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

鉄道空港線 運休長期化に 国道の踏切はアスファルト化

2020年12月18日 | 経済
 カンボジアの鉄道「空港線」は、2018年4月10日に開通したプノンペン駅とプノンペン空港を結ぶ路線ですが、新型コロナの影響で2020年7月から運休中です。運転再開の目途が立たないことから、国道4号線との踏切について、アスファルトで線路の溝が埋められてしまいました。空港駅の駅舎内も、デスクやベンチが取り払われてがらんどうとなっています。
 プノンペン駅から、鉄道は西に延びており、約9キロの地点でシアヌークビルに向かう南線と、タイ国境のポイペトに向かう北線に分岐します。その手前で、プノンペン駅から約7キロのポーチェントン駅付近から分岐する新線約1.5キロを建設して、プノンペン空港まで連結しました。分岐した後の新線は、105K通りを、道路と鉄道の併用軌道(路面電車のような感じ)で進み、国道4号線を平面交差して空港に到着します。当初は客車をディーゼル機関車で牽引する形でしたが、2019年1月からメキシコ製のディーゼル車3両を導入していました。
 新型コロナの終息までには相当の期間を要するとみられることや、2023年にはプノンペン南部に新国際空港が開業する予定で工事が始まっていること、併用軌道周辺の住民から振動や交通事故への不満も出ていること等から、空港線については強い逆風が吹いている状況で、運転再開にこぎつけるまでには様々な困難も予想されます。空港までの新線建設や新車導入に必要な費用は数億円程度と見られ、大変コストパフォーマンスに優れた案件と見られていましたが、残念な状況となっています。

プノンペン国際空港近くの国道4号線との踏切(上の写真と同じ場所)を渡るメキシコ製のディーゼルカー(2019年2月22日撮影)





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カンボジアの太陽光発電所 来年以降続々と稼働へ

2020年12月17日 | 経済
 カンボジア鉱業エネルギー省によりますと、カンボジアでの太陽光発電所の建設が進み、数年以内に、発電容量の約15%を占める465MW程度にまで増強される見込みとのことです。
 現在稼働中の太陽光発電所は5か所で合計約185MWとなっています。スバイリエン州バベット10MW、コンポンスプー州80MW、コンポンチュナン州60MW、スバイリエン州バベット5MW、プルサット州30MW等です。
 2021年中に稼働を見込む太陽光発電所は、4か所合計170MWとなっています。現在、シュナイテエック社が建設中のプルサット州の60MWの発電所は、2021年初頭に稼働し、電力を供給し始める予定です。更に、スバイリエン州バベットの20MW、バンテイメンチェイ州30MW、バッタンバン州60MW等の発電所は工事進捗率90%程度となっており、2021年第1四半期中にも稼働する見込みとしています。この他、シアヌークビルの沖合に位置するロン島で設置工事が行われている小型太陽光発電所が、2021年6月に稼働する見込みです。出力は1.25MWで、島内の電力需要の半分以上をカバーできる計画です。
 また、既に着工済みの発電所として、コンポンチュナン州の60MW、スバイリエン州の20MW等があります。鉱業エネルギー省では、これらの発電所を含めて太陽光発電を2030年には発電容量の17%に相当する1815MWにまで増強したいとしています。
 カンボジアでは、発電容量の約半分が水力発電となっていますが、ダムの容量が少なく季節調整能力が十分でないため、乾季には使用できる水量が大幅に減少して、発電量が減少することとなります。太陽光発電は、晴れた日が続く乾季には、日中は安定した電力を発電できるため、水力発電の落ち込みをカバーするのに適しています。温暖化を考慮すると、石炭火力発電所が難しくなりつつあり、カンボジアとしては、太陽光発電の増強を順次行っていくものと見られます。
(写真はAKPより)


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カンボジア信用機構 個人向け債務管理アプリを発表

2020年12月16日 | 経済
 11月29日、カンボジア信用機構(Credit Bureau Cambodia: CBC)は、個人向けの債務管理アプリ「CBCモバイル」の運用を開始したと発表しました。CBCは、多重債務者を防止する目的で、金融機関から集めた信用情報を集積し、各金融機関の貸付審査にその情報を提供しています。また、四半期報告では、消費者信用申請状況、消費者信用供与状況、消費者信用の不良債権情報等を取りまとめています。
 今回のアプリは、スマートフォンに簡単にダウンロードでき、銀行等から借り入れを行っている個人は誰でも、自分の借入履歴一覧、自分の信用スコア、信用レポート等を閲覧可能であり、返済期日等に関しリアルタイムの信用モニタリング・アラートも受領可能としています。情報提供だけでなく、潜在的信用リスクや債務不履行(デフォルト)の可能性等もチェック可能であり、各個人の債務健全性のチェック、債務のモニタリング等に役立つとしています。なお、信用レポートは1年に1回までは無料ですが、それ以降は有料となるとしています(1回2万リエル:約500円)。
 CBCは、これまで信用情報を金融機関に提供することで、貸し倒れや多重債務を抑止してきましたが、資金を借り入れる側の個人にも情報を提供していくことは、大きな意義があるものと見られます。こうした基本的な情報提供が、スマートフォンを通じて容易に行えるようになることは、大きな進歩と言えます。新型コロナの影響で返済が困難となっている借入人も多数いる状況ですので、貸し倒れをできる限り防止していくことは、カンボジアの金融セクターにとって当面重要な課題であり、こうしたアプリが活用されていくことが期待されます。
(写真はCBCのフェイスブックより)

カンボジア信用機構の発表(英文です)
https://www.creditbureau.com.kh/press/credit-bureau-cambodia-launches-first-ever-mobile-app-in-cambodia-to-promote-credit-transparency-financial-health-and-responsible-credit-management/


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カンボジア政府 eコマース戦略を発動

2020年12月15日 | 経済
 11月25日、カンボジア商業省は、eコマース戦略を発動する式典を開催際しました。eコマース戦略は、2019年11月に公布されたeコマース法の実施のための戦略で、経済の多様化を図るとともに、ITを軸とした第4次産業革命(インダストリー4.0)を促進することを目的としています。
 eコマース戦略の内容は、戦略と政策、各組織の調整、法規制の枠組み、情報通信技術(ICT)インフラ、決済システム、海外取引等となっています。パン・ソラサック商業大臣は、式典で、企業の競争力強化や生産性の向上、輸出の増大、雇用創出などを図る上で経済のデジタル化は不可欠と強調するとともに、eコマース戦略の策定を通じてインダストリー4.0を推進し、2030年に中所得国、2050年に高所得国入りを目指したいと述べました。
 開発途上国では、先進国が一段ずつ登ってきた技術の階段を一気に飛び越えて、最新の技術を導入するという「蛙飛び(リープフロッグ)」と言われる現象があります。カンボジアのICTセクターはまさにその好例と言えます。カンボジアでは全土をカバーする4G網により、携帯電話の世帯普及率はほぼ100%となっています。また、携帯電話に占めるスマホのシェアも2016年時点で48%に達しており、キャッシュレス決済やネットでの商品購入、デリバリーサービス等を支えています。既に中央銀行デジタル通貨の「バコン」も実用化して、電子決済の取引コストを引き下げつつあります。カンボジア産業開発政策でも、イノベーション産業の振興を図るとしており、カンボジアのICTセクターの今後の発展が期待されます。



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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年12月14日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 12月14日

2020年12月14日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規陽性者数は、4月12日以降ゼロの日が続いていました。しかし、11月3日にカンボジアを訪問し、その後陽性が確認されたハンガリーのシーヤールトー外務貿易大臣関係で国内感染が疑われる陽性者が11月7日以降に4名確認されました(11月3日事変と呼ばれています)。更に、11月28日市中感染事件と命名された国内感染により12月13日時点で40名の陽性者が確認されました。また、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されています。先週の海外帰国者の新規陽性は3名です。12月13日の保健省発表によれば、累計陽性者数は359名(12月6日から13名増)となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は307名です。なお、海外からの入国者の新規陽性者は、日本から韓国経由で帰国したカンボジア人1名、マリから韓国経由で帰国したカンボジア人1名、ヨルダンから韓国経由で入国したヨルダン人1名とのことです。
 11月28日に、国内感染が疑われるカンボジア人女性1名が陽性と確認されました。ここから市中感染が始まり、40名が陽性と確認される事態となり、11月28日市中感染事件と名付けられています。陽性者は、家族から、接触者に広がり、陽性者が訪問した洋品店PEDRO、中国銀行、キャセイ・ユナイテッド銀行、ハンバーガーのカールスジュニア等で陽性者が確認されています。陽性者が出たり、陽性者が訪問した施設の閉鎖が相次ぎ、先週はクラチェ州やモンドルキリ州のホテルや観光地も閉鎖されました。また、市中感染防止のために対策が強化されていますが、12月7日に保健大臣から対策強化に関する通達も発出されました。また、保健省は11月29日から12月12日までに接触者等の合計1万5380検体の検査を行っているとしています。なお、保健省は、陽性者・接触者等と接触した可能性のある人は検査を受けるように呼び掛けています。12月8日等にオリンピックスタジアム等で大規模な検査を行い、多くの市民が集まったとしています。
 この市中感染事件の影響もあって、全国高等学校卒業試験の再延期が決まりました。現在の予定では、年明けの1月11日に実施される予定です。また、学校やスポーツの再開については、期限を定めずに延期となっています。この他、一旦は再開された映画館、博物館等も当面閉鎖とされ、再開の目途は立っていません。
 12月7日、フン・セン首相は、ワクチンについて政府関係省庁で緊急会議を開催することを指示しました。また、12月8日、ワクチン接種の優先順位として、医療従事者や教師、軍人等50万人(各2回接種)を優先すると発表しました。首相の指示を受けて、12月8日には、保健省や経済財政省が参加して新型コロナウイルスワクチンの調達に関する緊急会合が開催されました。ワクチン購入のための資金手当て等が検討された模様です。他方、首相の呼びかけもあって、ワクチンを購入するためのファンドへの寄付も相次ぎ、合計で3000万ドル(約31億円)以上が集まっているとのことです。財閥のトップ等が、一人で300万ドル(約3億1000万円)、500万ドル(約5億1000万円)といった大口の寄付を行っていると報道されています。
 カンボジアでは、新規陽性者の数が落ち着いていることから、感染防止対策が次第に緩んできていて、経済活動も復旧してきていました。しかし、11月3日事変や11月28日市中感染事件が起きたことにより、一般国民レベルでも国内感染への不安が広まったこともあって、対策がかなり引き締められている模様であり、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策が再び強化されています。カンボジアの陽性者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という欠点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。感染対策を十分に行う等、十分な注意が必要です。
(写真は、閉鎖が長引いている映画館。12月12日撮影)

カンボジア日本人会のフェイスブック
https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000197.html


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地場カフェの新たなお店 BROWN Roastery Khalandale

2020年12月13日 | 生活環境
 プノンペン北部ボエンコックのカランダ―ルモール内に新たに開店したカフェブラウンの大型店「BROWN Roastery Khalandale」です。カフェブラウンは、プノンペンカフェ戦争の勝ち組で、素敵なインテリア、美味しいコーヒー、おしゃれなフードで、カンボジアの若者を惹きつけています。新たなBROWN Roastery Khalandaleも素敵なインテリアで、広々とした大空間を感じさせる開放的な雰囲気で、お洒落な雰囲気も併せ持っています。階段状になったお店はそれぞれ異なったテーストとなっています。落ち着いてパソコンを開ける感じです。もちろん、コンセントも多数ありますので、充電しながら仕事もできます。メニューは、カフェブラウンのスタンダードに若干のプラスもあるようです。お客さんは、地元のお洒落な若者や、外国人の方が多いようです。お勧めです。お試しください。

BROWN Roastery Khalandale
https://www.browncoffee.com.kh/page/Location

可愛いエッグベネディクト。スモークサーモンが敷いてあります。


店内は階段状というかピラミッド状みたいになってます。最上階からは良い景色です(写真上)。



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もちもちパスタが美味しい Pacific Pasta Co.

2020年12月12日 | 生活環境
 プノンペン北部ボエンコックのカランダ―ルモール内に開店したイタリアンのお店「Pacific Pasta Co.」です。シェフは、アメリカやイタリアで修業された方とのことです。インテリアは、赤い椅子が素敵なイタリアンテーストを出しています。メニューは店名通りにパスタの種類が多いです。今回は、サラダとパスタ何種類かから選べるランチセットで、シーザーサラダとスパゲッティ・アグリオ・オリオ(写真上)をお願いしました。セットで9ドルです。シーザーサラダはアメリカン風で、サクサクとした食感がいい感じです。スパゲッティは、手作りパスタで、もちもちとした太麺です。つるんとしたアルデンテとはまた違った美味しさがあり、特に日本の方には受けるのではないかとも思います。他にもたくさんの種類の手作りパスタがあるようです。がっつりのお肉メニューも目を惹きます。デザートも美味しそうです。バーカウンターもあって、お酒も色々あるようでした。コロナ中なので、お客さんが少なかったようですが、行きやすい場所なので、今後が期待されます。お試しください。

Pacific Pasta Co.
https://web.facebook.com/pacificpastaco/?ref=page_internal
http://www.pacificpastaco.com/

ちょっとアメリカンなシーザーサラダ


店内は良い雰囲気です。



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カンボジア 2020年10月の物価上昇率

2020年12月11日 | 経済
 国家統計庁から発表された2020年10月の物価上昇率(対前年同月比)は、3.7%の上昇となりました。物価上昇率は、2012年以降、安定的に推移しています。細かくみると、2013年後半から若干の上昇が続いた後、2014年後半から下降し、2015年終盤から若干の上昇に転じています。その後、2017年初頭に4%台まで上昇しましたが、2017年5月以降は3%未満で安定していました。2018年10月は久しぶりに3%を超えてきましたが、11月は2%台に戻り、12月以降はさらに低下しました。しかし、2019年8月以降3%台となる月が出てきています(2015年1月0.4%、2月1.6%、3月1.1%、4月1.2%、5月1.0%、6月0.7%、7月0.8%、8月1.0%、9月0.9%、10月1.3%、11月1.9%、12月2.8%、2016年1月3.1%、2月2.3%、3月2.0%、4月2.8%、5月3.2%、6月3.3%、7月3.0%、8月3.0%、9月2.9%、10月3.4%、11月3.6%、12月3.9%、2017年1月4.4%、2月4.0%、3月4.2%、4月3.2%、5月2.5%、6月2.3%、7月2.3%、8月2.6%、9月2.7%、10月2.1%、11月2.3%、12月2.2%、2018年1月2.0%、2月2.3%、3月2.3%、4月2.4%、5月2.9%、6月2.8%、7月2.3%、8月1.9%、9月2.6%、10月3.1%、11月2.5%、12月1.6%、2019年1月1.6%、2月2.4%、3月2.3%、4月2.6%、5月2.3%、6月1.6%、7月2.2%、8月3.1%、9月1.7%、10月1.3%、11月1.8%、12月3.1%、2020年1月3.6%、2月2.7%、3月2.8%、4月1.9%、5月2.4%、6月3.2%、7月3.1%、8月2.0%、9月2.9%)。なお、9月と比べると10月は0.7%の上昇でした。
 ガソリン価格は、政府による価格メカニズム導入の効果もあって細かく動いています。9月の3063リエル/リットルから、10月は3063リエル/リットルと横ばいでした。ディーゼルは、9月の2716リエル/リットルから、10月は2716リエル/リットルに横ばいでした。国際原油価格(ニューヨーク市場のWTI)は、激しく動いています。昨年は中東問題で60ドル/バレル台に一時上昇することもありましたが、概ね50ドル台で推移していました。しかし、コロナウイルス問題等で3月には一気に30ドル近辺に下がり、4月は先物期日の特殊要因とは言え史上初めて価格がマイナスとなりました。その後も激しく上下動しましたが、5月には20ドル台、6月には30ドル台後半にまでもどし、最近は40ドル台中盤で推移しています。カンボジアのガソリン価格も国際価格に連動して動いており、4月に2250リエルまで低下した後、上昇し、その後は落ち着いています。
 国際機関は、カンボジアの物価上昇率を引き続き安定的と見ています。2020年の物価上昇率について、アジア開発銀行は2.1%、世界銀行は3.0%、国際通貨基金(IMF)は2.5%と予測しています。
(写真は、プノンペン市内のガソリンスタンド。10月20日撮影)  


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カンボジアの最新の政治・経済事情セミナー2020

2020年12月10日 | 経済
 日本アセアンセンターは、12月9日(水)15時00分~16時00分(日本時間)にオンライン(Zoom)で、カンボジアにおける最新の政治・経済事情を紹介するウェビナーを開催しました。オンラインで約400名が参加しました。
 カンボジアは、内戦や貧困を乗り越えて高度成長を続け、低位中所得国まで駆け上がってきました。しかし、今年は新型コロナウイルスのパンデミックで、大きな困難に直面しています。カンボジアの主要産業は、欧米への輸出がメインの縫製産業、中国等からも観光客に支えられた観光業、海外投資による建設・不動産業等です。これらの産業は、いずれも新型コロナウイルスによる世界的な経済の落ち込みにより、大きな打撃を受けています。
 しかし、南部経済回廊による国際的サプライチェーンや低賃金といったカンボジアのメリットが失われたわけではありません。こうしたメリットを活用した部品製造業等も輸出に貢献し始めています。また、日本からは、イオン等の第三次産業の投資も増えてきています。更に、世界に先駆けて、中央銀行デジタル通貨「バコン」を稼働させ、動きの遅い先進国を一気に追い越すような動きも見せています。
 他方、政治外交面では、現政権の強権的対応に欧米は批判を強めており、EUは特恵関税を一部停止しました。また、米中対立深刻化の中で、カンボジアは中国への傾斜を強めつつあります。
 そのようなカンボジアの最新の政治・経済事情、日系進出企業の企業戦略について、カンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストの鈴木博が解説しました。今年は新型コロナの影響で大きな打撃を受けているカンボジアですが、日本から引き続き熱い視線を浴びていると見られます。
(写真は、セミナー講師の鈴木博が利用したコワーキングプレースのBasisipoint)

日本アセアンセンターのサイト
https://www.asean.or.jp/ja/invest-info/eventinfo-2020-17/


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新型コロナウイルス感染症がカンボジア経済に与える影響と見通し

2020年12月09日 | 経済
 12月3日、国際通貨研究所は、「新型コロナウイルス感染症がカンボジア経済に与える影響と見通し」と題するレポートを公表しました。著者は、同研究所開発経済調査部の梅原直樹上席研究員です。
 レポートでは、「カンボジアの経済成長率は2011年以降、7%前後で推移し、2019 年も7%台を維持している。国際社会の支援を得て国造りや財政基盤の強化に努めてきたが、近年は中国の影響力が強まっている。」と分析しています。新型コロナの影響については、「国内の重要産業である縫製業や観光業が打撃を受けている。世界の新型コロナの感染が徐々に抑制されていけば、2021年以降、カンボジア経済は回復に向かうとみられるが予断を許さない。観光客が2019年の水準に戻るには今後数年の時間を要するともみられ、回復は現在の見通しより緩慢になる可能性がある。」としています。
 また、リスクとしては、「2020年は、歳入減のなかで新型コロナの公衆衛生対策に加え雇用対策などの経済対策も必要となり、財政赤字はGDP比9%程度に達するとみられる。当面は外貨準備の蓄積もあり国際収支の急激な悪化には至らないとみられるが、財政赤字が単年度にとどまらず複数年度継続する場合、格付機関が現状の信用格付けを下げる可能性が高まる。」と指摘しました。
 今後の課題としては、「カンボジアの労賃は2013年以降、高騰を続け、バングラデシュやミャンマーより高くなった。低賃金を武器に労働集約型産業を誘致する成長モデルが今後も通用するか疑問が残る。新型コロナの克服後、産業構造の高度化を進め、革新的な経済発展戦略を打ち出していく必要がある。」と提言しています。
 カンボジア経済の現状を総合的に俯瞰するには最適のレポートです。ぜひご覧ください。

国際通貨研究所のサイト
https://www.iima.or.jp/docs/newsletter/2020/nl2020.28.pdf


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日本人商工会 2020年度第1回税制・労務セミナー

2020年12月08日 | 経済
 12月4日、カンボジア日本人商工会(JBAC)は、「2020年度第1回税制・労務セミナー」をオンライン(Zoom)で開催しました。オンラインで100名以上が参加した模様です。
 税制セミナーでは、「税務アップデート」についてErnst & Young (Cambodia) Ltd.の清水裕介氏から、「会計監査とは」についてKPMG Cambodiaの在原伸氏から説明がありました。また、労務セミナーでは、「労働法ケーススタディ」についてTMI SOHGOHの永田有吾氏より説明がありました。
 税務アップデートでは、新たに導入予定のキャピタルゲイン税や電子申告(E filing)等について解説されました。会計監査関連では、監査が予定通り進まなかった事例や新たに規定された会計及び監査に関する罰則等について解説されました。労働法ケーススタディでは、JBAC会員からの事前質問に答える形で、実務上の問題点と現状等について細かく説明されました。
 JBACでは、官民合同会議等を通じて、日系進出企業の直面している問題・課題等をカンボジア政府に対して提起し、その解決に向けて一緒に努力してきています。また、税務総局や関税消費税総局とも個別に協議し、会員向けのセミナー等も実施の予定です。今後も引き続き、分かりにくい制度の理解促進や、制度改善に繋げていく地道な活動が期待されます。

カンボジア日本人商工会のサイト
https://jbac.info/


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メルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」今週号は本日発行です

2020年12月07日 | 一般
 ブログ「カンボジア経済」は、毎日更新して、カンボジア経済情報をデイリーにお伝えしています。これらの情報をまとめて週刊でメルマガ「週刊カンボジア経済ニュース」を発行しています。毎週月曜日に発行しています。「無料」です。
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新型コロナ カンボジアの状況 12月7日

2020年12月07日 | 経済
 カンボジアでの新型コロナウイルスの国内感染による新規陽性者数は、4月12日以降ゼロの日が続いていました。しかし、11月3日にカンボジアを訪問し、その後陽性が確認されたハンガリーのシーヤールトー外務貿易大臣関係で国内感染が疑われる陽性者が11月7日以降に4名確認されました(11月3日事変と呼ばれています)。更に、11月28日市中感染事件と命名された国内感染により12月6日時点で30名の陽性者が確認されました。また、海外帰国者の陽性者が空港での検査や2回目以降の検査等で発見されています。先週の海外帰国者の新規陽性は7名です。12月6日の保健省発表によれば、累計陽性者数は346名となっています。死者は引き続きゼロとなっています。また、治癒数は306名です。なお、海外からの入国者の新規陽性者は、日本から韓国経由で帰国したカンボジア人2名、中国から帰国したカンボジア人2名、中国から入国した米国人2名、米国から台湾経由で入国した米国人1名とのことです。
 11月28日に、感染経路不明のカンボジア人女性1名が陽性と確認されました。国内感染が疑われます。ここから市中感染が始まり、30名が感染する事態となり、11月28日市中感染事件と名付けられています。陽性者は、家族から、接触者に広がり、陽性者が訪問した洋品店PEDRO、中国銀行、キャセイ・ユナイテッド銀行、ハンバーガーのカールスジュニア等で陽性者が確認されています。陽性者が出たり、陽性者が訪問した施設の閉鎖が相次ぎ、イオンモール1(解除済)、カナディアタワー(解除済)、プノンペンホテル(解除済)等も一時閉鎖されました。また、市中感染防止のために対策が強化され、20人以上の集会が禁止され、スタッフだけでなく顧客もマスクの着用を義務付ける通達が出ています。また、保健省は11月29日から12月5日までに接触者合計1万772人に検査を行い、そのうち30名の陽性を確認したとしています。イオンモール1やカナディアタワーでは陽性者は確認されなかった模様です。なお、保健省は、感染源となった疑いのあるカンボジア人2名について氏名・写真を公開し、接触した可能性のある人は検査を受けるように呼び掛けています。
 11月18日からカンボジアへの入国規制が大幅に変更されましたが、11月28日市中感染事件の影響もあり12月12日からは入国規制が厳しくなり、短期出張者用のいわゆるビジネストラックが停止され、入国者は全員14日間の強制隔離対象となります。手続きの詳細は、日本大使館、日本人会等のサイトをご参照ください。なお、当初の説明と違っていたり、カンボジア各省関係者で説明が異なる等の事例もあり、運用も確定していない模様です。くれぐれもご留意ください。
 カンボジアでは、新規陽性者の数が落ち着いていることから、感染防止対策が次第に緩んできていて、経済活動も復旧してきていました。しかし、11月3日事変や11月28日市中感染事件が起きたことにより、一般国民レベルでも国内感染への不安が広まったこともあって、対策がかなり引き締められている模様であり、マスク、手洗い、アルコール消毒等の対策が再び強化されています。カンボジアの陽性者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という欠点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。感染対策を十分に行う等、十分な注意が必要です。
(写真は、スタッフに陽性者が出て閉鎖された中国銀行。12月3日撮影)

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https://web.facebook.com/Jacambodia/

在カンボジア日本大使館のサイト
https://www.kh.emb-japan.go.jp/itpr_ja/b_000197.html


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日本映画フェスティバル オンラインで再開

2020年12月06日 | 経済
 11月6日から、プノンペン等の映画館で開催される予定だった「日本映画フェスティバル」は、ハンガリーの外務大臣が新型コロナ陽性と確認された11月3日事変の影響で、中止・延期となっていました。このフェスティバルが「日本映画フェスティバルプラス(Japanese Film Festival Plus: JFFP)」として12月4日~13日の予定で、オンラインで再開されることとなりました。
 フェスティバルでは、アニメ「マジンガーZ」の格納庫を実現できる形で設計する実話をもとにした「前田建設ファンタジー事業部」等、最近話題の映画が27本上映されます。アニメ作品も多数です。私も最近の日本映画はあまり見ていないので、興味があります。なお、日本大使館のフェイスブックには、クメール語でJFFPを紹介される三上大使の動画がアップされています。こちらもぜひご覧下さい。
 なお、オンライン上では、映画は公開当日であれば24時間いつでも視聴できるとのことです。視聴は無料ですが、オンラインでご覧になるには、簡単な登録が必要となっています。ぜひお近くのカンボジアの方々にもお知らせください。
(写真は、JFFPのサイトより)

JFFPのフェイスブック
https://web.facebook.com/jffcambodia/

在カンボジア日本大使館のフェイスブック
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