英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

Vリーグ「久光製薬スプリングス×日立リヴァーレ」「トヨタ車体クインシーズ×東レアローズ」(1月25日)

2015-02-04 17:26:31 | スポーツ
(タイトルは「Vリーグ」としていますが、正式には「V・プレミアリーグ」です。タイトルの字数制限(全角50文字)に引っ掛かりまして、涙を飲んで(嘘です)省略しました。今後も、うっかり、あるいは、面倒なので「Vリーグ」と書くかもしれません)

 試合が行われてから、既に10日が過ぎていますが、気にしないでください。
 (全日本総合バスケットボールの記事で消耗したうえ、テニス全豪オープン、大阪国際女子マラソン、別大マラソンなどスポーツイベント目白押し状態。ほんとはこれらの記事も書きたいのですが……)
 2試合とも熱戦で、合計の試合時間は4時間17分。観るだけでも根性が必要でした。

と、試合を振り返る前に、今リーグからリーグシステムが変更になったようです。
①4回戦総当たりから3回戦総当たりに変更(新名称「レギュラーラウンド」)
②6位までが「ファイナル6」に進出、下位2チームは「チャレンジマッチ」(入れ替え戦)に回る
③「ファイナル6」は1回戦総当たり。レギュラーラウンドの成績に応じて持ち点が与えられる(1位5点、2位4点……6位0点)。
 上位3位までが「ファイナル3」に進出。
④「ファイナル3」では、「ファイナル6」の成績2位と3位が1試合行い、勝者が1位のチームと「ファイナル」を行う。


 レギュラーラウンドの成績に応じた持ち点が「ファイナル6」に持ち込まれるとはいえ、8チームから6チームに絞るだけと言うのは温過ぎる。
 4チームに絞らないと、レギュラーシーズンの価値が低くなってしまう。
 持ち点がどのくらいの価値があるのかは、実際に「ファイナル6」が行われないと分からないが、1位と6位では6点のハンデで、2勝~3勝分。
 ファイナル進出は3位以内ということなので、3位との差は3点(1勝~1.5勝分)なので、6位からでも挽回は十分可能と考えられる。


さらに、リーグの勝ち点方式も変更された。
 セットカウント3-0または3-1での勝利ならば3点、3-2で勝利の場合は2点、負けても2-3ならば1点、1-3または0-3で敗れると0点。

 最近のバレーボールの国際大会の方式に準拠したのだが、勝敗の価値よりもセットの価値の方が高くなるというおかしなシステムである。
 つまり、チームAがフルセットで3戦全勝した場合2点×3=6点。チームBがストレート勝ちか3-1で2勝し、フルセットで1敗した場合は、3点×2+1点=7点となる。3勝0敗のチームAより、2勝1敗のチームBが上位になってしまうのである。ゲームの勝敗よりセット数が優先する本末転倒のシステムだ。


 ようやく本題です。前置きが長くなったので、簡単感想です(これこそ、本末転倒)。
久光製薬スプリングス×日立リヴァーレ
 久光製薬スプリングスはここ2年連続リーグ制覇、3年連続皇后杯優勝を果たし、今期も31ポイント(11勝1敗)で独走状態(2位岡山シーガルス21点)。
 長岡、新鍋、岩坂、石井、座安と日本代表メンバー(しかもレギュラークラス)を揃えており、このチームを破るのは非常に困難ではないかと思わせる布陣である。
 日立リヴァーレは、入れ替え戦を毎年のように戦うチーム(Vプレミアリーグでは下位、チャレンジリーグでは上位)であったが、昨年はリーグ6位と最高成績を上げ、皇后杯でも決勝に進出する躍進ぶり。今期は6位15ポイント(5勝7敗、第2レグは1勝4敗と不振)。久光製薬の唯一の黒星が日立である。

【感想】
 第1、第2セットは25-17、25-19と完全に久光のペース。メンバー全員が気持ちよくポイントを上げ、このまま快勝かと思われた。
 しかし、第3、第4セットは、何となく、そう、何となく接戦になり、セット終盤に日立が勢いを増し、対する久光は浮足立ってしまうという感じで、22-25、22-25と落としてしまう。
 日立・パオリーニが41打数23得点(決定率56%)と、速攻主体で面白いようにスパイクを決めたのが、チームに勢いをつけたと思われる。センタープレーヤーがこれだけ打つのも珍しい気がする。他の試合を見ていないので何とも言えないが、セッター佐藤美弥と相性がいいのかもしれない。(それはそうと、“ミドルブロッカー”という呼称はどうなのだろう?ブロックしかしなわけでないのに。“センタープレーヤー”良いと思う)
 第5セットは、久光が目を覚まし、15-9と締めた。長岡、石井、新鍋、岩坂は安定したプレーを見せていたが、第3、第4セットを落としたことで、中田監督の機嫌が心配。
 日立新加入の栗原は、二段トスどころか、順当に上がったトスも決められない(53打数10得点、19%)。故障が完全に回復していないのか、セッターとの相性が悪いのか?
 とにかく、ラリーになって、オープントスを決めるエースがいないのは辛い。もう少し決めることができたら、この試合をモノにできたのではないだろうか。


トヨタ車体クインシーズ×東レアローズ
 トヨタ車体は、2006年度よりプレミアリーグに進出し、この年は10の最下位であったが、入れ替え戦を勝ち残留。その後、7位、5位、7位、5位、7位、5位と規則性のある成績(7位時は入れ替え戦に勝ち残留)で下位安定であったが、徐々に地力をつけ、昨年は4位に躍進。
 今期はここまで7位13ポイント(4勝9敗)と苦戦(第2レグは2勝3敗)。
 東レアローズは、2000年よりユニチカを引き継いで創部した。2007年シーズンからは、荒木、大山、木村、中道らを擁し、優勝、優勝、優勝、準優勝、優勝、準優勝、3位と堂々たる成績。ここ数年は久光に派遣を譲ったが、今期は3シーズンぶりに木村が復帰し、覇権奪回が期待された(迫田はともかく、もう一人のエースポジションが高田では苦しい。荒木も抜けたし)。
 第1レグが1勝6敗と大きく負け越したが、第2レグに入りチームがこなれてきて、4勝1敗と上昇機運。ここまで5位16ポイント(5勝7敗)。

【感想】
 第1セットは、一進一退を繰り返す大接戦。これを28-26で制したトヨタに流れが傾き、第2セットは25-16でトヨタが取り、完全にトヨタペース。
 しかし、第3セット中盤から、攻撃守備とも安定し(トヨタの監督によると「サーブが弱くなってしまった」とのこと)、25-19とこのセットを取ると、第4セットは25-16と一気に走る。(特にブロックが機能した)
 第5セットに入ると、第4セット終盤、メンバーを交代しリフレッシュさせたのが良かったのか、様相が一変。0-1からトヨタが5連続ポイント。しかし、第3セットから当たりだした迫田(打てば決まるという状態)を軸に反撃、4ポイント連取で5-5。
 その後は一進一退を繰り返し10-10。ここから東レが2点連取したのが大きく13-11と勝利目前。
 しかし、ここでサーブミス、13-11。
 次のプレー、迫田のスパイクをブロックに掛けたボールをカナニがレシーブ。それをセッター藤田がライトにトス、山田が決め、同点。

 東レ、タイムアウト。
 トヨタ・泉川監督「4番(迫田)だ、4番だぞ」と指示。

 迫田にトスが上がった!迫田スパイク!シャットアウト!14-13と逆転、マッチポイント。
 迫田もさすがで、次のプレーでは、トヨタのブロックを突き破り、14-14、デュース。
 ここで、峯村がピンチサーバー。強烈なサーブがある。
 しかし、フローターサーブ。これがエンドラインを割り、アウト。15-14、再びトヨタのマッチポイント。
 峯村は第2セットに数プレーしただけ(3ローテーション)。しかも、サーブとサーブレシーブ1本、それとレシーブミス。このレシーブミスは、相手が返しただけのイージーボール(しかもアウトボール)をセッターに返そうとして、相手コートに返してしまい、ダイレクトスパイクを決められた痛いプレー。
 その後、プレー機会なし。それで、この緊迫した場面で使うのは酷である。思い切ってサーブを打ったのならともかく、入れにいったサーブ。これでは、起用された意味はない。一体、どういう指示をしたのだろうか?


 最後は、迫田のスパイクがアウトになり、ゲームセット。
 東レが勝てた試合だった。(トヨタにすると、3-0で勝つべき試合だった)

 解説者、アナウンサーで不満だったのは、「第1、第2セットは完全にトヨタ車体のペースだった」というフレーズを何度も繰り返したこと。
 実際は、第1セットは大接戦で、トヨタペースは第2セットと第3セット前半だった。印象で言ってしまった感じだ。

 トヨタ車体の勝因は、レシーブが良かったことだが、何よりプレーに気迫があった(特に竹田と藤田)。カナニは54打数25得点、46%とチームを引っ張ったのも大きい。衛藤も24打数11得点、46%と良かった。
 東レは、迫田が58打数24得点、41%と奮闘。スパイクの切れも非常に良かった。スパイクの失点は1という記録だが、これが最後に出るとは……。
 木村は57打数21得点、37%とそれなりの数字。ただ、ラリー中の2段トスや、オープントスのほとんどが軟打で決まらない。これでは、ラリーになると苦しい。しかも、士気が上がらない。どこか故障しているのだろうか。全日本でも、思い切りスパイクを打つシーンが減ってきている。
 あと、リベロの小平が今一つ。でも、この試合の敗因はベンチワークの差のような気がする。

 個人的には、トヨタ車体の藤原の高いジャンプからのスパイクが気持ちがいい。控えなのが残念。どこか、移籍して先発で小気味よいスパイクをどんどん決めてほしい。
コメント (2)
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