沙羅駆 「和藤奏子は死にたくないと言った。自らの意思に反して、他人がその人のものを奪うことは、悪だ。すなわち君は…悪だ」
マリアT 「私とあなたは似たもの同士だと思っていたのに……そうじゃなかったのね。残念だわ」
沙羅駆 「……」
マリアT 「周囲の愚かな人間のせいね」
沙羅駆 「確かに、人間は愚かだ。何度でもを失敗する。が、同時に成長もする。昨日はできなかったことが、今日、できることもある。私一人ではおそらく、君には勝てないのかもしれない。単純にIQのことだけ考えれば、私の負けだ。が、私には仲間がいる。一人一人は凡人かもしれないが、集まれば、IQ300にも立ち向かえる力になる」
マリアT 「詭弁だわ」
沙羅駆 「どうかな」
マリアT 「この世界に未来はあると思う?」
沙羅駆 「この世界は、良いところも、君が言うように悪いところもある。だが、諦めれば未来は終わる。必要なのは、諦めずに考え続けること」
マリアT 「凡人がいくら考えても無駄だわ」
沙羅駆 「凡人の一歩は、小さな一歩かもしれないが、前を向く一歩であればそれでいい。全ての人間に考える価値があり、その違いが、豊かな価値観や感性を生む。人間の可能性を否定する君の考え方は、ああぁ…醜い。醜悪至極なり」
沙羅駆とマリア・Tのデスゲーム(毒薬ロシアンルーレット)での、二人の問答。
沙羅駆は、犯罪(殺人)を「醜悪至極なり!」と糾弾しており、もともと殺人否定派ではあったが、世間の愚かさに諦めていた向きがあった。
しかし、マリア・Tとの問答では仲間を認め、諦めずに考え続ければ未来は変わると言い切った。
これは、真っ直ぐな奏子に影響された故の言葉である。
奏子の命を危うくさせ沙羅駆を怒らせ、悪事を行わせるという罠にはまるところを留まらせたのも奏子。
倉庫の命を救うため、監察助手に頭を下げ「お願いします」と言う沙羅駆。
助けてくれた奏子に(抵抗感を示しながら)「ありがとう」と礼を言う沙羅駆。
沙羅駆、奏子、賢正の信頼関係は、このドラマの大きなテーマであり、面白かった。
しかし、事件等の展開はあまりにも酷かった。
最終話も、毒薬ロシアンルーレットという運だけの戦い。
しかも、沙羅駆は毒薬を増やし死の確率を上げるという不合理な提案。
沙羅駆が「世の中に嫌気がさし、死を厭わない」という考えの持ち主なら理解できるが、命を弄ぶことを否定し、現に毒を飲んだマリア・Tの命を救った。ならば、わざわざ危険度を上げる行為は矛盾している。毒薬を増やす時に毒薬か無毒の違いを見極める為ならわかるが、ドラマを盛り上げるための小細工でしかなかった。それにしても、最後の3粒まで毒薬を引かないのは、なんという引きの弱さ(強さ?)か……すごい確率である。
それにしても、魅力を感じないマリア・T
穴だらけで平凡な完全犯罪は言うまでもなく、こそこそと盗撮やハッキング、物陰に潜んで人を陥れたり脅迫するだけ。
沙羅駆にことごとく完全犯罪を暴かれ敗れ続けたうえ、賢正の銃弾からマリア・Tを庇われたというのに、互角の勝負をしていたかのようにふるまう厚顔さ。
よく分からない「射殺許可命令」
こういう警察用語があるかどうかは知らないが、“許可命令”って日本語としてどうなのか?
許可なら許可と言えばいいし、命令なら“射殺命令”でよい。意味不明。
純粋に日本語として考えれば、“射殺の許可を出せ”という命令のような気がする。
おそらく、「沙羅駆を逮捕する際、抵抗するなら射殺しても良い」という意味であろう。
しかし、SAT達は“射殺するか、しないか”の選択しか、しなかった。
ぐだぐだのSATとの絡み
「奏子がSATに撃たれる」という重要な要素はあったが、ディーン・フジオカのアクションの見せ場でもあった。しかし、そのせいで2度も銃口を向けられ、重複感が強かった。
武道の達人の賢正に対して、間合いを詰める狙撃隊の不可解な行動。
反撃しつつ隙を見せず後退した賢正に対し、あっという間に四方を取り囲む忍者のようなSAT。
奏子を撃ったSATに沙羅駆の怒りの説教に対し、心を揺らす隊員が、すぐ銃を構え直した。“命令は絶対”という信念で構え直したのなら納得もいくが、隣の隊員の「テロリストが(何をほざく)」の呟きに対してというのは中途半端だった。
全く威厳のない御前様
(詳細を書くに値しないので省略)
見たい気がする飼い犬みたいなマリア・T
「殺人衝動のパルスを感じ取ると反応し、付けている者のIQを犬並みに下げる首輪」
しかも、一度付けたら絶対に外せないという優れモノ。
マリア・Tが自分の意思で沙羅駆の飼い犬の立場に甘んじるというラストはなかなか良かった。
できれば、マリア・Tが馬鹿になり、犬のように沙羅駆に尻尾を振るシーンを見てみたい。
それも、マリア・Tが人格を失くすのはかわいそうなので、一時的に知能が低下し、しばらくして我に返り羞恥するというのを希望する。
【ストーリー】番組サイトより
マリア・T(中谷美紀)の策略で警察からマリア・Tの仲間と見なされてしまった沙羅駆(織田裕二)は奏子(土屋太鳳)や賢正(ディーン・フジオカ)と共にアジトから逃げ出したマリア・Tを追いかけようとするが、その矢先に警視総監の棚田(篠井英介)が発動した“沙羅駆射殺許可命令”によって現れた機動隊に取り囲まれてしまう。
問答無用で追い詰めてくる機動隊員たちを賢正が何とかやり込め、沙羅駆たち3人は取り囲んでいた機動隊からの脱出を図る。だが3人が車に乗り込もうとしたところ、物陰で沙羅駆の命を狙っていた警察のスナイパーに気がついた奏子が沙羅駆を庇い、撃たれてしまう。腹部に被弾し倒れる奏子の姿を前に、スナイパーへ激しく憤る沙羅駆。賢正はそんな沙羅駆に奏子の治療をすることが先決だといさめ、二人は奏子を連れて病院へと駆け込むのだが……。
脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第1話 脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第2話 脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第3話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄
第4話 脚本:栗本志津香 監督:坪井敏雄
第5話 脚本:木村涼子 監督:韓哲
第6話 脚本:栗本志津香 監督:木村ひさし
第7話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄
第8話 脚本:木村涼子 監督:韓哲
第9話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄
マリアT 「私とあなたは似たもの同士だと思っていたのに……そうじゃなかったのね。残念だわ」
沙羅駆 「……」
マリアT 「周囲の愚かな人間のせいね」
沙羅駆 「確かに、人間は愚かだ。何度でもを失敗する。が、同時に成長もする。昨日はできなかったことが、今日、できることもある。私一人ではおそらく、君には勝てないのかもしれない。単純にIQのことだけ考えれば、私の負けだ。が、私には仲間がいる。一人一人は凡人かもしれないが、集まれば、IQ300にも立ち向かえる力になる」
マリアT 「詭弁だわ」
沙羅駆 「どうかな」
マリアT 「この世界に未来はあると思う?」
沙羅駆 「この世界は、良いところも、君が言うように悪いところもある。だが、諦めれば未来は終わる。必要なのは、諦めずに考え続けること」
マリアT 「凡人がいくら考えても無駄だわ」
沙羅駆 「凡人の一歩は、小さな一歩かもしれないが、前を向く一歩であればそれでいい。全ての人間に考える価値があり、その違いが、豊かな価値観や感性を生む。人間の可能性を否定する君の考え方は、ああぁ…醜い。醜悪至極なり」
沙羅駆とマリア・Tのデスゲーム(毒薬ロシアンルーレット)での、二人の問答。
沙羅駆は、犯罪(殺人)を「醜悪至極なり!」と糾弾しており、もともと殺人否定派ではあったが、世間の愚かさに諦めていた向きがあった。
しかし、マリア・Tとの問答では仲間を認め、諦めずに考え続ければ未来は変わると言い切った。
これは、真っ直ぐな奏子に影響された故の言葉である。
奏子の命を危うくさせ沙羅駆を怒らせ、悪事を行わせるという罠にはまるところを留まらせたのも奏子。
倉庫の命を救うため、監察助手に頭を下げ「お願いします」と言う沙羅駆。
助けてくれた奏子に(抵抗感を示しながら)「ありがとう」と礼を言う沙羅駆。
沙羅駆、奏子、賢正の信頼関係は、このドラマの大きなテーマであり、面白かった。
しかし、事件等の展開はあまりにも酷かった。
最終話も、毒薬ロシアンルーレットという運だけの戦い。
しかも、沙羅駆は毒薬を増やし死の確率を上げるという不合理な提案。
沙羅駆が「世の中に嫌気がさし、死を厭わない」という考えの持ち主なら理解できるが、命を弄ぶことを否定し、現に毒を飲んだマリア・Tの命を救った。ならば、わざわざ危険度を上げる行為は矛盾している。毒薬を増やす時に毒薬か無毒の違いを見極める為ならわかるが、ドラマを盛り上げるための小細工でしかなかった。それにしても、最後の3粒まで毒薬を引かないのは、なんという引きの弱さ(強さ?)か……すごい確率である。
それにしても、魅力を感じないマリア・T
穴だらけで平凡な完全犯罪は言うまでもなく、こそこそと盗撮やハッキング、物陰に潜んで人を陥れたり脅迫するだけ。
沙羅駆にことごとく完全犯罪を暴かれ敗れ続けたうえ、賢正の銃弾からマリア・Tを庇われたというのに、互角の勝負をしていたかのようにふるまう厚顔さ。
よく分からない「射殺許可命令」
こういう警察用語があるかどうかは知らないが、“許可命令”って日本語としてどうなのか?
許可なら許可と言えばいいし、命令なら“射殺命令”でよい。意味不明。
純粋に日本語として考えれば、“射殺の許可を出せ”という命令のような気がする。
おそらく、「沙羅駆を逮捕する際、抵抗するなら射殺しても良い」という意味であろう。
しかし、SAT達は“射殺するか、しないか”の選択しか、しなかった。
ぐだぐだのSATとの絡み
「奏子がSATに撃たれる」という重要な要素はあったが、ディーン・フジオカのアクションの見せ場でもあった。しかし、そのせいで2度も銃口を向けられ、重複感が強かった。
武道の達人の賢正に対して、間合いを詰める狙撃隊の不可解な行動。
反撃しつつ隙を見せず後退した賢正に対し、あっという間に四方を取り囲む忍者のようなSAT。
奏子を撃ったSATに沙羅駆の怒りの説教に対し、心を揺らす隊員が、すぐ銃を構え直した。“命令は絶対”という信念で構え直したのなら納得もいくが、隣の隊員の「テロリストが(何をほざく)」の呟きに対してというのは中途半端だった。
全く威厳のない御前様
(詳細を書くに値しないので省略)
見たい気がする飼い犬みたいなマリア・T
「殺人衝動のパルスを感じ取ると反応し、付けている者のIQを犬並みに下げる首輪」
しかも、一度付けたら絶対に外せないという優れモノ。
マリア・Tが自分の意思で沙羅駆の飼い犬の立場に甘んじるというラストはなかなか良かった。
できれば、マリア・Tが馬鹿になり、犬のように沙羅駆に尻尾を振るシーンを見てみたい。
それも、マリア・Tが人格を失くすのはかわいそうなので、一時的に知能が低下し、しばらくして我に返り羞恥するというのを希望する。
【ストーリー】番組サイトより
マリア・T(中谷美紀)の策略で警察からマリア・Tの仲間と見なされてしまった沙羅駆(織田裕二)は奏子(土屋太鳳)や賢正(ディーン・フジオカ)と共にアジトから逃げ出したマリア・Tを追いかけようとするが、その矢先に警視総監の棚田(篠井英介)が発動した“沙羅駆射殺許可命令”によって現れた機動隊に取り囲まれてしまう。
問答無用で追い詰めてくる機動隊員たちを賢正が何とかやり込め、沙羅駆たち3人は取り囲んでいた機動隊からの脱出を図る。だが3人が車に乗り込もうとしたところ、物陰で沙羅駆の命を狙っていた警察のスナイパーに気がついた奏子が沙羅駆を庇い、撃たれてしまう。腹部に被弾し倒れる奏子の姿を前に、スナイパーへ激しく憤る沙羅駆。賢正はそんな沙羅駆に奏子の治療をすることが先決だといさめ、二人は奏子を連れて病院へと駆け込むのだが……。
脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第1話 脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第2話 脚本:泉澤陽子 監督:木村ひさし
第3話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄
第4話 脚本:栗本志津香 監督:坪井敏雄
第5話 脚本:木村涼子 監督:韓哲
第6話 脚本:栗本志津香 監督:木村ひさし
第7話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄
第8話 脚本:木村涼子 監督:韓哲
第9話 脚本:泉澤陽子 監督:坪井敏雄