英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2018将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 準決勝

2018-10-22 20:57:56 | 将棋
(プロ野球の「日本シリーズ」で検索して、このページに辿りついてしまった方、ごめんなさい)

 10月17日(木)A級順位戦(大阪)、21日(日)JT日本シリーズ(名古屋)、23日(火)24日(水)竜王戦第2局(福岡県福津市)……ハードスケジュール過ぎない?
 今日(22日)も前夜祭があるだろうし……

 昨日の日本シリーズの対渡辺戦は攻め倒されそうなところを、切っ先をかわしながら反撃するという将棋。難解で面白い将棋だった。難解な将棋を勝ち切るという将棋が続いており、『羽生衰退説』の声を打ち消すような最近の羽生竜王だ。
 将棋については書きたいことが山積しているにも拘らず、予定外の本記事を書いている。≪私の執筆(←たいそうな言い方だなあ)のエネルギーは、やはり、“○しさ”なんだなあ≫と、改めて実感。(勝敗は既にご存知の方の方が多いと思われますが、敢えて明記しないのは、初見の方や、この先、何かの間違いで、この記事に辿りついた方にとっては、勝敗を知らない方が楽しめると思ったからです。私の記事で楽しめるかどうかは疑問は残りますが)


 第0図の局面は、図に至る手順は違うが竜王戦第1局(10月11日、12日・羽生-広瀬)と同一局面。ただし、竜王戦では羽生竜王が先手で、本局は後手を持っている。また、渡辺棋王も▲渡辺棋王-△豊島八段戦(2017年12月、順位戦A級、肩書は当時)で、この局面を経験していている(渡辺勝ち)。
 
 対豊島戦も本局も渡辺棋王は図から▲3五歩と仕掛ける。「△8一飛とされては仕掛けにくくなります」と対豊島戦での感想がある。
 一方、竜王戦では羽生竜王は▲5六銀と上がり、以下△8一飛に▲6六歩△同歩▲同銀と動いている。(以下△5四銀▲5八玉△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩△8一飛▲7五歩と進行)

 本局は▲3五歩以下、△同歩▲4五桂△2二銀▲2四歩△同歩▲7五歩(第1図)と大きく動くが、これは対豊島戦と同じ手順。

 第1図で豊島八段(当時)は△8四飛。以下▲7一角△5二金▲7四歩△同銀▲2四飛△4四角▲同飛△同歩▲6四角△4五歩▲7三角成△8一飛▲8二角成△同飛▲同馬と大きく振り替わる展開(渡辺棋王は“互角”の感触)

 本局の羽生竜王は△8一飛。以下▲7四歩△同銀に渡辺棋王は▲2四飛と保留していた2四の歩を取る。この手は後手の7四の銀当たりになっている。
 これに対し、羽生竜王は△4四角と反撃の味を見せながら、飛車の横利きを遮って銀取りを受ける。

 本局の△4四角は銀当たりを受けるのが第一の角打ちだが、羽生竜王は攻めておきながらぼんやりとした(特に厳しい狙いがあるわけではない)角を打って、手を渡すことが多い。
 後に効いてくる味のある角打ちであることが多いが、働かずに負担になることも多いような気がする……。「盤上の角」対「持ち角」は、持ち角に分があると言われている。(手番であれば)“いつでも”“どこでも”打てるという潜在能力が大きい。もちろん、盤上の角の働きが素晴らしく局面をリードできることもあるが、実戦的には、角を持たれている側は、角打ちに対して常に注意を払う必要があり、大変である。

 第2図以下▲2九飛に△7六歩と打って▲8八銀と銀を引かせて壁形を強いる。4四角の効果だが、図に乗って△7五銀と出ると▲7四歩と桂頭に打たれる手が痛い。そうでなくても7四の銀自体、浮き駒であるし、後手の2二の銀が壁銀、さらに、▲3三歩の叩きがいつでもある。
 そこで△2四歩。

 先手飛車の利きを遮断して、過激な攻めを予防した手であるが、只だ。もちろん、うっかりではなく、▲2四飛に△2三銀と先手を取り、▲2九飛に△2四歩と1歩を犠牲に銀冠を構築させようというのだ。本譜もそのように進んだ。
 これに対し、渡辺棋王は▲5六銀。≪後手からは“腰の入った攻め”はない≫と見切って、銀を進出させ、“腰の入った攻め”を目指す。
 後手も▲5六銀には△8六歩▲同歩▲同飛と飛先交換して△8四飛と桂頭をカバーしておくのが味が良いが、現地に帯同していた井上慶太九段が「(8筋の歩交換には)▲3三歩△同桂▲同桂成△同角▲5四桂△同歩▲6四角という王手飛車の筋を気にしたのかもしれません」と指摘している。
 確かに、上記のように進むのは後手が悪そう。かと言って、▲5四桂に△5二玉▲6二桂成△同玉と辛抱するのも嬉しくない。また、最初の▲3三歩に△3一金や△2二金とかわすのも勝てる気がしない。
 そこで、羽生竜王は△3六歩と揺さぶりを掛ける。対して▲3九飛とこの歩を取りに行く渡辺棋王。形勢はほぼ互角だと思われるが、渡辺棋王の指し手は自然さ、悠然さを感じる。

 歩取りを見せられて、羽生竜王は△6六歩▲同歩△同角と動く。渡辺棋王は▲3六歩。歩を取られては、羽生竜王も行かざるを得ない。△8六歩▲同歩と8筋の突き捨てを入れて、△4四歩。歩交換をして角を6六に移動させ、角の居た地点に歩を突いて桂取りを掛ける(第4図)。手順の動きだが、“目一杯”の動きに見える。

 3三に飛車と桂が利き、持駒も角と歩が6枚も。いよいよ、“腰の入った攻め”が開始されそう。嫌な予感しかしなかった。 
コメント (5)
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