英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第24話「変わらぬ人」

2022-06-20 17:09:53 | ドラマ・映画
悲しい人生……
★いい人――蒲殿・源範頼
 比企に急き立てられ、“鎌倉殿の後釜”を名乗ってしまった蒲殿。
 兄を蹴落とすとか、野望とか、全く抱かない良い人だっただけに、不憫。
 窮地の元凶の比企を責めることなく、逆に庇うなんて…良い人過ぎる。
 潔白を訴える起請文も大江広元に難癖をつけられ、《謀反の心あり》と決めつけられてしまう。
 《兄の生を信じず、鎌倉殿を名乗ってしまった自分が悪い》と自分の非を恥じたのだろうか……それ以上の弁明をせずに、処断を受け入れる。
 比企尼(草笛光子)の戒めが受け入れられて、死罪は免れ、修善寺に幽閉・蟄居されたが……
………大姫の死が、蒲殿の呪いのせいだと思われ、善児(梶原善)に暗殺されてしまう……


★「好きに生きるということは、好きに死ぬということ」――大姫
 源義高への思いに囚われていたが、同じく義仲への思いに囚われていた巴御前の気持ちの変化を語られ、前向きに生きようと決意。
 でも、入内(じゅだい←こう読むのか?)は極端。
 丹後局(鈴木京香)のイビリに傷つき、失踪。雨に打たれ、高熱を発し、そのまま、衰弱し、死去……(丹後局は、義仲に斬殺されるべきだったなあ)
 「死ぬのはちっとも怖くないの。だって、死ねば義高殿に会えるんですもの」…悲しすぎる言葉だ。折角、前向きな気持ちになったのに、生への気持ちを失ってしまった……


 上記の二人は悲しい死だったが、短い人生を散らしてしまった大姫はともかく、清廉な道を歩んだ蒲殿は良い人生だったように思う。

 それに比べ……
頼朝――人を信じることができない悲しい人生
 多くの共に戦った者を非業の死に追い詰めた。故に、余計に人を信じることができなくなっていった。人を信じられない……不幸でしかない。
 まだ、ドラマでは存命だが、一番不幸な人生であろう
(この人に、《人を幸せにしよう》という気持ちがあれば、もっと違った人生になったはずだ)


☆ホラーな善児
 蒲殿を殺めるシーン……蒲殿にピントを合わせ、ぼやけた背景の中で崩れ落ち絶命する老夫婦……並のホラー映画より怖い
 老夫婦は、蒲殿暗殺に巻き込まれたわけだが、その場に居合わせた少女は?
 ああこの子も犠牲に……と思われたが、善児は、血塗られた手で顔を拭う。“拭う”というよりは、顔に血を塗りたくるという行為だったが、これまでの善児なら、間を置かずに殺害したはず。
 《顔を拭う(顔を血で染める)》という動作を《殺害する》作業に置き換えたのだろうか?


 幼い少女を殺害するのに気がとがめたのか?……否、それはないか?千鶴丸は躊躇なく殺害している。
 いや、千鶴丸は暗殺対象だった……無関係の少女を手に掛けるのは、流石に躊躇したとも……
 もしかしたら、少女嗜好があった……いやいや、大河ドラマ的…と言うより、通常のコンプライアンスに抵触しそうだ

 気まぐれか?……考えられるが、それよりも、今後、何か役に立つと考えたのか……。自分の後釜に、と考えたのかもしれない。
(おそらく、この少女の行く末は、ネットで調べれば判明すると思いますが、教えないでくださいね)

【その他の感想、状況の補足】
・前話で、比企に陰謀を示唆した岡崎義実は、やはり、陰謀に加担した嫌疑が掛けられ、出家
・流れに身を任せる主義の三浦義村だが、親父たちに格下だった北条に差をつけられてしまっている現状に苛立ちの言葉をぶつけたり、義時に、「いざこざが嫌になった、隠居する」と弱音を吐いたのは意外
 今後、義村は義時と袂を分かつのだろうか?
(これも、少女の件同様、教えないでくださいね)


第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」

【ストーリー】番組サイトより
源頼朝(大泉洋)と万寿(金子大地)が巻狩りを終えて無事に戻り、喜ぶ政子(小池栄子)。しかし、頼朝は自身に代わって鎌倉殿の座に就こうとした弟・範頼(迫田孝也)を許さず、余波が鎌倉を揺るがしていた。比奈(堀田真由)を傍らに、三浦義村(山本耕史)、金剛(坂口健太郎)と思いを巡らせる義時(小栗旬)。そんな中、亡き許嫁いいなずけ・源義高(市川染五郎)を慕い続ける大姫(南沙良)は、頼朝が用意した縁談話を歯牙にもかけず……

脚本:三谷幸喜
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