英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第36話「武士の鑑」【補足あり】

2022-09-19 12:47:16 | ドラマ・映画
和田義盛は馬鹿(←義村評)なので……
……畠山重忠の説得が、もしかしたら上手くいくかもしれない
……多分失敗するだろうが、正面から本音でぶつかるので、重忠も周囲も納得できる
……最後は腕相撲(皆、《やっぱり》という表情。重忠も読んでいて、機先を制して遮断する。腕相撲では和田には勝てない)
……戦で裏をかいたつもりで、横から奇襲を仕掛けるが、畠山は織り込み済み(《なぜ読まれた?》と不思議がる和田だが、巻き添えを食った部下は気の毒)


武士の鑑、畠山重忠
義時の説得に応じ、少数の手勢を引き連れ、話し合いの為(誤解を解く為)、武蔵から鎌倉に向かうが、その途中、嫡男・重保が騙し討ちで北条配下に討ち取られる(時政は生け捕りにして、重忠の動きを封じようとしたが)
《重忠の選択肢》
①武蔵に帰る……兵を整え戦の準備をする(抗戦の意思)
②そのまま鎌倉に進める……鎌倉殿(北条)に身を委ねる(抗戦しない)

 しかし、重忠はどちらも選ばず、手勢ののまま、戦況把握に有利な高台に陣を構える
《咎められることは何もしていないので、投降はしない》
《自らは戦を仕掛けない》
《戦を挑まれれば、受けて起つ》
という意志。

「戦など誰がしたいと思うか!」…和田義盛を前に、叫ぶ
 己の信念、筋を通すために戦う。
 勝つつもりはない。武士として死ぬために戦う。
 北条を倒すつもりさえない。義時との一騎打ちでも、義時の斬馬刀を折り、小刀での斬り合いも制し、殴り合いでも勝ち。止めを刺さず、誇らしげに去っていった。

 義時も、重忠の意を汲んでいたのだろう。

しがらみに囚われ続ける義時
最善の処置を取ろうとするが、しがらみなど(鎌倉殿の為、北条の為など)に囚われ、結局、中途半端に終わってしまう
上総広常の時も、木曽義高の時も、梶原景時の時も、義家の時も……結局悲劇で終わってしまう


今回は鎌倉殿の威厳を保つために、「畠山討伐」の下文(くだしぶみ)を取り消さない
御家人たちの信望厚い畠山重忠を討伐するのは、北条にとって大きなマイナスにしかならないというのに……
御家人たちは《重忠が謀反を起こすはずがない》、《時政の陰謀だ》と不審の念が大きくなってしまった。

私欲・私情で動いている時政に対しても、重忠を討った場合のマイナスを示し、実利面で説得するべきだった。
ここ数話、《梶原景時だったらどう処理したのだろうか?》と考えてしまう。

義時は、《政治のトップが私利、私欲、私情でことを為すことはあってはならない》と時政排除を決める
 表向き(時政に向けて)は、稲荷重成(北条時政の娘・あきの婿)に陰謀の罪を押し付け、御家人の不信感をそらそうとした(←大江広元の案)
 しかし、これは世間的にはからくりが見え見え。義時の思惑通りにさらに時政への不信感が大きくなり、時政を隠居状態に追い込むことに成功する。

“13人”の現状(36話終了時)
【武官】
梶原景時……鎌倉殿に反旗を翻したとされ、討伐される(梶原景時の変)。第28話「名刀の主」(1200年没)
三浦義澄……病死。「一緒に逝こう!」と時政に抱きついたが、拒絶される。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
安達盛長……病死(自然死)。「目を瞑っているだけです」というセリフを残し退場。第29話「ままならぬ玉」(1200年没)
比企能員……交戦は避けられない状態であったが、騙し討ちで殺害される(比企能員の乱)。第31話「諦めの悪い男」(1203年没)
北条時政……御家人の不信感が大きくなり、義時に隠居状態に追いやられる。第36話「武士の鑑」(本話・1205年)
足立遠元……鎌倉に居るのが怖いと武蔵に帰る。政子を初め、誰からも惜しまれず、そっと退場?(本話・1205年)
和田義盛……侍所別当。健在。
八田知家……便利人?として健在
北条義時……主人公?として健在

【文官】
中原親能……妻・三幡(政子の次女)が闘病の死去したことで、出家し、鎌倉を離れた。第28話「名刀の主」(1208年病没)
二階堂行政…政所で財務を担当。健在。義時の妻・のえの祖父。
三善康信……問注所執事、健在だが実時の相談役(話し相手、和歌の先生)か?
大江広元……政所別当。健在。

“13人”の他で、幕府に係わる人物は……
実朝(鎌倉殿)、政子、三浦義村、畠山重忠(今回退場)、実衣ぐらいか。あとは、北条泰時、北条時房、三浦胤義(義村の弟)、稲毛重成(今回退場)。

寂しくなったなあ……
 
【補足】書き忘れていたことがありました。marumoriさんのコメントがそのまま同意見でしたので、そのまま引用させていただきます。
義時、時政を見限る
義時が重忠の首桶を時政に突き付け、「執権を続けていくのであれば、あなたは見るべきだ!」と叫ぶ場面。結局、時政は見ることができませんでした。あの瞬間に義時は父を見限った。



第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」
第13話「幼なじみの絆」
第14話「都の義仲」
第15話「足固めの儀式」
第16話「伝説の幕開け」
第17話「助命と宿命」
第18話「壇ノ浦で舞った男」
第19話「果たせぬ凱旋」
第20話「帰ってきた義経」
第21話「仏の眼差し」
第22話「義時の生きる道」
第23話「狩りと獲物」
第24話「変わらぬ人」
第25話「天が望んだ男」
第26話「悲しむ前に」
第27話「鎌倉殿と十三人」
第28話「名刀の主」
第29話「ままならぬ玉」
第30話「全成の確率」
第31話「諦めの悪い男」
第32話「災いの種」
第33話「修善寺」
第34話「理想の結婚」
第35話「苦い盃」

【ストーリー】番組サイトより
深まる北条時政(坂東彌十郎)と畠山重忠(中川大志)との対立。りく(宮沢りえ)を信じる時政は、源実朝(柿澤勇人)の下文(くだしぶみ)を得て御家人を招集。三浦義村(山本耕史)、和田義盛(横田栄司)、稲毛重成(村上誠基)らが集い、対応を協議する。一方、手勢を率いて鎌倉を目指す重忠。板挟みとなった義時(小栗旬)は、政子(小池栄子)、時房(瀬戸康史)らと事態の収拾を図る。そんな中、父・義時を心配する泰時(坂口健太郎)は……

脚本:三谷幸喜
コメント (6)
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