密室
一般的なパターンとしては、部屋の中で人が死んでいて、中から施錠されている(他の者が外部から侵入できない、出入りができたとしても部屋の外からでは鍵がかけられない、鍵がかけられたとしても部屋の内部にその鍵が存在する)いわゆる密室状態の場合、犯行が不可能とされ、自殺や事故と判断される。
また、怪人二十面相などの怪盗が厳重に保管された宝物を盗み出すのも、密室モノの一種と言えるかもしれない。
こういった場合、「犯人はいったいどうやって密室から脱出したのか(鍵を掛けたのか)?」という観点になる。
しかし、今回のケースは、「密室だった=被害者が部屋の中に居た」という理屈で、この後被害者が部屋を出て殺害されたという論理を成立させ、これを利用したアリバイトリックであった。
ホログラムを利用した密室
ホログラムを使って、中から鍵が掛かっていたと美砂に思わせ、密室成立。
これにより、被害者・篠田真希はこの時点で部屋に居たことになり(被害者しか施錠できない)、この後殺害されたと判断された。
容疑者・野木祐子が不在だった時間は20分(入浴していたと証言)では、現場まで往復して犯行を行うことが不可能と、湯川の検証によって立証された。
過飽和
一番最初にお風呂(湯船)に入ると、体に小さな気泡が付く。これは過飽和が起こす現象である。
過飽和状態とは、空気は温度が上がると水に溶けていられなくなり、泡となって追い出されるが、実際には追い出され切れずに、許容範囲以上の空気がまだ水に溶けている状態のこと。
この状態は何らかの刺激があると、解消され気泡となって突起物(体毛)などに付いたりする。
なので、この現象は一番最初に湯船に浸かった時しか起こらない。
ところが、2番目にお風呂に入った美砂にこの現象が起こった。
一番風呂だった祐子の「湯船に浸かって眠りそうになった」という言葉と矛盾する。
≪祐子は嘘をついている≫⇒≪祐子の犯行だ≫と、科学的論理と刑事・女の勘を駆使して結論付けた。
≪お風呂に入ったと見せかけた時間で犯行を行った≫という推理は、湯川の検証によって否定されてしまったが、なかなか頑張ったと思う。それに、推理が否定された後でも、祐子の周辺や経歴を調べたのも評価できる。
こういったトリックや推論など、大筋としては面白かったが、突っ込みどころも多い。
・「ホログラムを使って密室状態を作り、真希が部屋にいるように思わせたが、実際にはもっと早く殺害していた」という仮説が可能であることを証明しただけで、それの裏付け(証拠)は何もない(美砂の仕事だ)
・関係者の証言による見せかけの死亡推定時刻と、実際の死亡時刻の差が大きく、検死によってアリバイに疑問がもたれそう。
・密室と判断したとしても、あの死亡状況で自殺と断定するのはおかしい
・遺体を計画より前に他の誰かに発見される可能性や、犯行そのものやその前後を目撃される可能性が低くない
・「湯船に浸かっていない」と証言を翻したのは科学者らしくない。「湯船に浸かったのは○○の為」というようにもっともらしい言い訳をひねり出すとか、「私の犯行を証明してみろ」と開き直った方が科学者らしい。
【その他疑問点】
・美砂はなぜ「自分へのご褒美説を言ったのは湯川だ」と嘘をついたのか?記憶違いをしたのか?
・この記憶違いのシーンをなぜ入れたのか?
・湯川が数式(物理式)を書いたテーブルはいくらしたのか?
テーブルの賠償の請求をされなかったか?
【ストーリー】番組サイトより
帝都大学物理学科准教授・湯川学(福山雅治)のもとを訪れた貝塚北署の岸谷美砂(吉高由里子)は、山歩きのイベントで起きた殺人事件への捜査協力を依頼する。
事件当日、岸谷は、某有名企業の主任研究者・野木祐子(夏川結衣)が主催する山歩きのイベントに参加していた。死亡したのは、イベント参加者のひとりで、祐子の同僚でもある篠田真希(遊井亮子)。美砂に続いて宿泊先のペンションに到着した真希は、美砂やペンションのオーナー・藤村伸一(おかやまはじめ)に挨拶をすると、疲れているからと言ってすぐに部屋にこもり、夕食の時間になっても姿を現さなかった。心配した祐子は、美砂とともにベランダ側に回って真希に声をかけた。だが、窓は施錠されており、返事もなかった。ところがその1時間ほど後、藤村は、真希がベランダから出ていったらしいことに気付く。渓流で真希の死体が発見されたのは、翌朝のことだった。地元警察は、現場の状況から自殺だと判断していた。
だが美砂は、祐子に疑いの目を向けていた。食事の後、最初に風呂に入ったのは祐子で、その間の20分間、彼女は美砂たちの前からを消していたのだ。実は美砂が祐子を疑ったのは、もうひとつ、科学的なある理由があったからだった。祐子の写真を見て「美人だ」と反応した湯川は、美砂の言う「科学的な理由」に興味を抱き、事件があったペンションを訪れるが…。
一般的なパターンとしては、部屋の中で人が死んでいて、中から施錠されている(他の者が外部から侵入できない、出入りができたとしても部屋の外からでは鍵がかけられない、鍵がかけられたとしても部屋の内部にその鍵が存在する)いわゆる密室状態の場合、犯行が不可能とされ、自殺や事故と判断される。
また、怪人二十面相などの怪盗が厳重に保管された宝物を盗み出すのも、密室モノの一種と言えるかもしれない。
こういった場合、「犯人はいったいどうやって密室から脱出したのか(鍵を掛けたのか)?」という観点になる。
しかし、今回のケースは、「密室だった=被害者が部屋の中に居た」という理屈で、この後被害者が部屋を出て殺害されたという論理を成立させ、これを利用したアリバイトリックであった。
ホログラムを利用した密室
ホログラムを使って、中から鍵が掛かっていたと美砂に思わせ、密室成立。
これにより、被害者・篠田真希はこの時点で部屋に居たことになり(被害者しか施錠できない)、この後殺害されたと判断された。
容疑者・野木祐子が不在だった時間は20分(入浴していたと証言)では、現場まで往復して犯行を行うことが不可能と、湯川の検証によって立証された。
過飽和
一番最初にお風呂(湯船)に入ると、体に小さな気泡が付く。これは過飽和が起こす現象である。
過飽和状態とは、空気は温度が上がると水に溶けていられなくなり、泡となって追い出されるが、実際には追い出され切れずに、許容範囲以上の空気がまだ水に溶けている状態のこと。
この状態は何らかの刺激があると、解消され気泡となって突起物(体毛)などに付いたりする。
なので、この現象は一番最初に湯船に浸かった時しか起こらない。
ところが、2番目にお風呂に入った美砂にこの現象が起こった。
一番風呂だった祐子の「湯船に浸かって眠りそうになった」という言葉と矛盾する。
≪祐子は嘘をついている≫⇒≪祐子の犯行だ≫と、科学的論理と刑事・女の勘を駆使して結論付けた。
≪お風呂に入ったと見せかけた時間で犯行を行った≫という推理は、湯川の検証によって否定されてしまったが、なかなか頑張ったと思う。それに、推理が否定された後でも、祐子の周辺や経歴を調べたのも評価できる。
こういったトリックや推論など、大筋としては面白かったが、突っ込みどころも多い。
・「ホログラムを使って密室状態を作り、真希が部屋にいるように思わせたが、実際にはもっと早く殺害していた」という仮説が可能であることを証明しただけで、それの裏付け(証拠)は何もない(美砂の仕事だ)
・関係者の証言による見せかけの死亡推定時刻と、実際の死亡時刻の差が大きく、検死によってアリバイに疑問がもたれそう。
・密室と判断したとしても、あの死亡状況で自殺と断定するのはおかしい
・遺体を計画より前に他の誰かに発見される可能性や、犯行そのものやその前後を目撃される可能性が低くない
・「湯船に浸かっていない」と証言を翻したのは科学者らしくない。「湯船に浸かったのは○○の為」というようにもっともらしい言い訳をひねり出すとか、「私の犯行を証明してみろ」と開き直った方が科学者らしい。
【その他疑問点】
・美砂はなぜ「自分へのご褒美説を言ったのは湯川だ」と嘘をついたのか?記憶違いをしたのか?
・この記憶違いのシーンをなぜ入れたのか?
・湯川が数式(物理式)を書いたテーブルはいくらしたのか?
テーブルの賠償の請求をされなかったか?
【ストーリー】番組サイトより
帝都大学物理学科准教授・湯川学(福山雅治)のもとを訪れた貝塚北署の岸谷美砂(吉高由里子)は、山歩きのイベントで起きた殺人事件への捜査協力を依頼する。
事件当日、岸谷は、某有名企業の主任研究者・野木祐子(夏川結衣)が主催する山歩きのイベントに参加していた。死亡したのは、イベント参加者のひとりで、祐子の同僚でもある篠田真希(遊井亮子)。美砂に続いて宿泊先のペンションに到着した真希は、美砂やペンションのオーナー・藤村伸一(おかやまはじめ)に挨拶をすると、疲れているからと言ってすぐに部屋にこもり、夕食の時間になっても姿を現さなかった。心配した祐子は、美砂とともにベランダ側に回って真希に声をかけた。だが、窓は施錠されており、返事もなかった。ところがその1時間ほど後、藤村は、真希がベランダから出ていったらしいことに気付く。渓流で真希の死体が発見されたのは、翌朝のことだった。地元警察は、現場の状況から自殺だと判断していた。
だが美砂は、祐子に疑いの目を向けていた。食事の後、最初に風呂に入ったのは祐子で、その間の20分間、彼女は美砂たちの前からを消していたのだ。実は美砂が祐子を疑ったのは、もうひとつ、科学的なある理由があったからだった。祐子の写真を見て「美人だ」と反応した湯川は、美砂の言う「科学的な理由」に興味を抱き、事件があったペンションを訪れるが…。
>一番風呂じゃなかろうと、風呂にざぶんと入れば風呂の中に空気が入り気泡は体につく。
そうなんですか。明日、試してみます。
試してみました。
下手なのか、条件がそろっていなかったのか、うまく気泡はつきませんでした。その後も、腕だけですが、何度もバシャッと、やったのですが、上手くいかなかったです。
もし、ざぶんと入って気泡がつくという説が正しいとしても、 ドラマでは、おそらく普通に入浴したと思われますので、ドラマの推理は認めてあげたいです。