「この花の名前は?」の解答編です。
下の画像は、耳鼻科やアレルギーのクリニックなどのホームページで使用されている画像です。

いずれも“秋の花粉症の主原因のひとつ”の「ブタクサ」として使用されています。
けれども、これらは「セイタカアワダチソウ」の画像です。
《セイタカアワダチソウとブタクサは似ている》とよく言われているので、《そうなのかなあ》と疑問に感じつつ、《ブタクサの中にはよく似ている種類があったり、花の成熟度が増すと似てくるのかなあ》と思っていました。
で、今回、【歳時メモ】で何回も登場してもらったので、画像をアップしようとして、“ブタクサ”の画像を確認しようと思ったわけです。「ブタクサ」とか「セイタカアワダチソウとブタクサ」とか「ブタクサアレルギー」とかで画像を検索ました。
そうしたら、《えっ?!》となりました。(ブタクサの画像は、あとで出します)
以下はクリニックのホームページの例です。
他にも同様なクリニックもありましたが、半分以上は正しい画像がアップされています。ただし、私の感触では4割近くが問題ありです。これはちょっと……)
【例①】某 呼吸器内科皮膚科クリニック

(青字は引用文)
《ブタクサの特徴》
ブタクサは、特に夏から秋にかけて花粉を多く飛ばす雑草の一つです。
日本の各地でよく見かけることができる雑草で、空き地や道端、河川敷などに生えています。
小さな緑色の花を咲かせることから、一見すると花粉の原因とは思えませんが、大量の花粉を放出することで知られています。
説明文は“緑色の花”と記しているので、“ブタクサ”に関するモノだと思われます。
“緑色の花”と記しながら、あの真っ黄色の画像をアップすることに抵抗はなかったのかなあ?
【例②】某 アレルギークリニック1

(青字は引用文)
《ブタクサとは》
ブタクサ(学名: Ambrosia artemisiifolia)は、キク科に属する植物で、世界中に広く分布しています。
ブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキの3種類が認められます。
この植物は多年生または一年生で、高さは約1メートルになることがあります。
《生息地》
ブタクサはもともとアメリカのミシシッピー流域に自生していた風媒花で、花粉量が多く、アレルゲンとして強いことが知られています。
ブタクサは世界中で見られ、特に暖かい地域や中緯度地域で広く分布しています。
大繁殖し、特にヨーロッパでは花粉症が急激に増加して問題になっています。
このためフランスでは、見つけ次第、完全に除去し、撲滅を目指し、法律が整備されています。
道路脇、野原、耕作地、河川敷など、さまざまな生息地で見られますが、日本ではその数が原因不明ながら減少しています。
かなり詳しく”ブタクサ”の説明がなされていますが、画像は“セイタカアワダチソウ”だと思われます。
(「“セイタカアワダチソウ”にしか見えません」と言いたいのですが、アレルギーの専門家がその原因の植物として説明しているので、断言はできません)
【例③】某 アレルギークリニック2

(青字は引用文)
ブタクサはキク科の1年草です。
ブタクサやヨモギなど、ほとんどのキク科の草花は秋に花粉が飛びます。キクは秋に咲く花ですよね。ブタクサは夏から秋にかけ、キク科の中でも割と長い期間、花粉を飛ばします。
ブタクサは飛散する花粉量が多く、「秋の花粉症」の原因の一つです。
よく似た植物として『セイタカアワダチソウ』があります。同じキク科の草で、花がそっくりですが、葉の形が違います。

『ブタクサ』の葉→ギザギザ
『セイタカアワダチソウ』の葉→真っ直ぐ
セイタカアワダチソウは虫媒花で花粉の飛散が少なく、花粉症は起こしづらいようです。
紛らわしい花として“セイタカアワダチソウ”の説明も丁寧にされています。が……
この二つの画像は確かにそっくりですが、それもそのはず、“ブタクサ”とされている画像も“セイタカアワダチソウ”だと思います。
見分け方として、葉の形の特徴を挙げています。この説明は正しいです。
でも、葉を見なくても分かるほど両者の花は違います。
【ブタクサの画像】

………どうです?
似ていないこともないのですが、“そっくり”とは思えません。
目に飛び込んでくる黄色の強さが違いますし、花のつき方も違います。
《セイタカアワダチソウは花が横に繋がり、それが段上に上下に連なる》。1本の外形としては、紡錘型。《三角帽をかぶった黄色い妖精(お化け)》のイメージです(個人的感想です)。
葉の形を検証するまでもなく、一目で判別できると思います。
ブタクサは目に飛び込んできませんが、“セイタカアワダチソウ”は河原や野原だけでなく、道端など街の至る所で目に入ります。
私は「エブリホエヤ」と呼びたくなりました
この両者が混同された理由として、秋の花粉症が多発している時、このエブリホエヤ(セイタカアワダチソウ)があちらこちらで出現しているので、“セイタカアワダチソウ”が原因ではないかという嫌疑が掛けられたそうです。
しかし、“セイタカアワダチソウ”の花粉は風で飛散しないことが分かり(実際は虫が運ぶ)、花粉症の原因にはなりにくいことが判明しました。
この誤解の名残が原因ではないかと思っています。
当然、アレルギーの専門家は、秋野は分相の主な要因の一つが“ブタクサ”(“セイタカアワダチソウ”ではない)と認識していますが、花のイメージとして“セイタカアワダチソウ”が強く残ってしまった……のではないかと。
で、今回、もう一つ気になったことがあります。
“ブタクサ”画像を検索した際、「ブタクサ 花粉 画像(無料写真)」 という名称の画像がヒットしました。
『ブタクサ花粉画像』

……これは罪が重い。こういう画像はストレートに誤解に繋がります。
と言う訳で、思わせぶりな「その1」記事をアップしたと言う訳です。
本当は、「その1」記事2つの画像と共に

頑張って背丈を伸ばしたのに、その重さに耐えられなくて(強風で)、傾いてしまっているセイタカアワダチソウをアップして、《頑張りすぎだよ》と感想を述べたかっただけなのですが……
【補足】勘違いのパターンについての考察
➀アレルギー関連の医師の場合(ホームページ管理者の時もありそうですが)
「セイタカアワダチソウの画像」を「ブタクサの画像」だと認識している――
では、セイタカアワダチソウはどんな花だと思っているのか?
全てではありませんが、ホームページの文意を考えると、《この両者の花は非常に似ており、葉の形状で区別するのがよい》と考えている方が多い気がします。
②一般人の場合
上記のパターンも多いと思いますが、《セイタカアワダチソウとブタクサは同じ花》(セイタカアワダチソウはブタクサの別名、ブタクサはセイタカアワダチソウの別名)という方も多いように思います。
下の画像は、耳鼻科やアレルギーのクリニックなどのホームページで使用されている画像です。




いずれも“秋の花粉症の主原因のひとつ”の「ブタクサ」として使用されています。
けれども、これらは「セイタカアワダチソウ」の画像です。
《セイタカアワダチソウとブタクサは似ている》とよく言われているので、《そうなのかなあ》と疑問に感じつつ、《ブタクサの中にはよく似ている種類があったり、花の成熟度が増すと似てくるのかなあ》と思っていました。
で、今回、【歳時メモ】で何回も登場してもらったので、画像をアップしようとして、“ブタクサ”の画像を確認しようと思ったわけです。「ブタクサ」とか「セイタカアワダチソウとブタクサ」とか「ブタクサアレルギー」とかで画像を検索ました。
そうしたら、《えっ?!》となりました。(ブタクサの画像は、あとで出します)
以下はクリニックのホームページの例です。
他にも同様なクリニックもありましたが、半分以上は正しい画像がアップされています。ただし、私の感触では4割近くが問題ありです。これはちょっと……)
【例①】某 呼吸器内科皮膚科クリニック

(青字は引用文)
《ブタクサの特徴》
ブタクサは、特に夏から秋にかけて花粉を多く飛ばす雑草の一つです。
日本の各地でよく見かけることができる雑草で、空き地や道端、河川敷などに生えています。
小さな緑色の花を咲かせることから、一見すると花粉の原因とは思えませんが、大量の花粉を放出することで知られています。
説明文は“緑色の花”と記しているので、“ブタクサ”に関するモノだと思われます。
“緑色の花”と記しながら、あの真っ黄色の画像をアップすることに抵抗はなかったのかなあ?
【例②】某 アレルギークリニック1

(青字は引用文)
《ブタクサとは》
ブタクサ(学名: Ambrosia artemisiifolia)は、キク科に属する植物で、世界中に広く分布しています。
ブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキの3種類が認められます。
この植物は多年生または一年生で、高さは約1メートルになることがあります。
《生息地》
ブタクサはもともとアメリカのミシシッピー流域に自生していた風媒花で、花粉量が多く、アレルゲンとして強いことが知られています。
ブタクサは世界中で見られ、特に暖かい地域や中緯度地域で広く分布しています。
大繁殖し、特にヨーロッパでは花粉症が急激に増加して問題になっています。
このためフランスでは、見つけ次第、完全に除去し、撲滅を目指し、法律が整備されています。
道路脇、野原、耕作地、河川敷など、さまざまな生息地で見られますが、日本ではその数が原因不明ながら減少しています。
かなり詳しく”ブタクサ”の説明がなされていますが、画像は“セイタカアワダチソウ”だと思われます。
(「“セイタカアワダチソウ”にしか見えません」と言いたいのですが、アレルギーの専門家がその原因の植物として説明しているので、断言はできません)
【例③】某 アレルギークリニック2

(青字は引用文)
ブタクサはキク科の1年草です。
ブタクサやヨモギなど、ほとんどのキク科の草花は秋に花粉が飛びます。キクは秋に咲く花ですよね。ブタクサは夏から秋にかけ、キク科の中でも割と長い期間、花粉を飛ばします。
ブタクサは飛散する花粉量が多く、「秋の花粉症」の原因の一つです。
よく似た植物として『セイタカアワダチソウ』があります。同じキク科の草で、花がそっくりですが、葉の形が違います。

『ブタクサ』の葉→ギザギザ
『セイタカアワダチソウ』の葉→真っ直ぐ
セイタカアワダチソウは虫媒花で花粉の飛散が少なく、花粉症は起こしづらいようです。
紛らわしい花として“セイタカアワダチソウ”の説明も丁寧にされています。が……
この二つの画像は確かにそっくりですが、それもそのはず、“ブタクサ”とされている画像も“セイタカアワダチソウ”だと思います。
見分け方として、葉の形の特徴を挙げています。この説明は正しいです。
でも、葉を見なくても分かるほど両者の花は違います。
【ブタクサの画像】



………どうです?
似ていないこともないのですが、“そっくり”とは思えません。
目に飛び込んでくる黄色の強さが違いますし、花のつき方も違います。
《セイタカアワダチソウは花が横に繋がり、それが段上に上下に連なる》。1本の外形としては、紡錘型。《三角帽をかぶった黄色い妖精(お化け)》のイメージです(個人的感想です)。
葉の形を検証するまでもなく、一目で判別できると思います。
ブタクサは目に飛び込んできませんが、“セイタカアワダチソウ”は河原や野原だけでなく、道端など街の至る所で目に入ります。
私は「エブリホエヤ」と呼びたくなりました
この両者が混同された理由として、秋の花粉症が多発している時、このエブリホエヤ(セイタカアワダチソウ)があちらこちらで出現しているので、“セイタカアワダチソウ”が原因ではないかという嫌疑が掛けられたそうです。
しかし、“セイタカアワダチソウ”の花粉は風で飛散しないことが分かり(実際は虫が運ぶ)、花粉症の原因にはなりにくいことが判明しました。
この誤解の名残が原因ではないかと思っています。
当然、アレルギーの専門家は、秋野は分相の主な要因の一つが“ブタクサ”(“セイタカアワダチソウ”ではない)と認識していますが、花のイメージとして“セイタカアワダチソウ”が強く残ってしまった……のではないかと。
で、今回、もう一つ気になったことがあります。
“ブタクサ”画像を検索した際、「ブタクサ 花粉 画像(無料写真)」 という名称の画像がヒットしました。
『ブタクサ花粉画像』

……これは罪が重い。こういう画像はストレートに誤解に繋がります。
と言う訳で、思わせぶりな「その1」記事をアップしたと言う訳です。
本当は、「その1」記事2つの画像と共に

頑張って背丈を伸ばしたのに、その重さに耐えられなくて(強風で)、傾いてしまっているセイタカアワダチソウをアップして、《頑張りすぎだよ》と感想を述べたかっただけなのですが……
【補足】勘違いのパターンについての考察
➀アレルギー関連の医師の場合(ホームページ管理者の時もありそうですが)
「セイタカアワダチソウの画像」を「ブタクサの画像」だと認識している――
では、セイタカアワダチソウはどんな花だと思っているのか?
全てではありませんが、ホームページの文意を考えると、《この両者の花は非常に似ており、葉の形状で区別するのがよい》と考えている方が多い気がします。
②一般人の場合
上記のパターンも多いと思いますが、《セイタカアワダチソウとブタクサは同じ花》(セイタカアワダチソウはブタクサの別名、ブタクサはセイタカアワダチソウの別名)という方も多いように思います。