1.被害者の健次郎が残したダイイングメッセージ?の「中」に似た記号
2.健次郎の不思議な言動
・冠城のカードを「キラキラ光っている」と言う(特に輝いては見えなかった)
・中井小百合は、落し物を見つけてくれた健次郎から身元を明かしていないのに、「落し物が見つかった」と会社に電話がかかってきた
・2年前に窃盗犯とぶつかった際、散らばった1万円札を一瞬見ただけなのに、98万円と正確に証言した
・数学に非常な才能を発揮していた
・健次郎のノートに残された数学の問題
……………………………………非常に興味深い序盤であったが……
純粋で優しい不思議な全力少年の被害者の“ケンちゃん”について調べていき、上記の健次郎の謎を『窃盗犯とぶつかった時に頭を打ち、“サヴァン症候群”を発症し、記憶と数学に非常に高い能力を発揮するようになった』という結論に至った。(冠城のカードのIDナンバーが素数で、輝くように感じた)
……う~ん、サヴァン症候群…。窃盗犯と衝突し、頭を打ったこと分かった時点で、そういう気はしたが……。都合の良い展開だなあ。
“サヴァン症候群”は記憶に関して特殊な能力を発揮することが多いようだが、健次郎は記憶能力に留まらず、数学的才能も発揮していた。この件について、突っ込みたいところだが、“サヴァン症候群”というと、中居正広主演の『ATARU』を思い出す。主人公のチョコザイ(だったかなあ)も人並み外れた記憶力を持っていたが、彼の場合は、閃きも凄く、無意識に事件解明の言葉を発していた。なので、今話の“サヴァン症候群”に関するご都合主義展開は、目を瞑ることにしよう(何しろ、ドラマ全体にご都合主義が充満している)。
それにしても、普段の並はずれた記憶力や今回の数学問題を苦もなく解く右京はサヴァン症候群なのかもしれない。
一番ダメと感じたのは、入試の数学問題の設定や展開
①「問題は解けるが、正解の選択肢がなかった」……有り得ない!
大学独自の数学の入試問題で、選択肢を設けるというのは、まずないと思う(大学入試など遠い過去の話なので“思う”と表現しました)。選択肢をつけるのは、数学能力を判定するのに不要。
さらに、数値設定ミスで解けないとかいうのではなく、選択肢に正解が存在しないというのは、あまりにも迂闊過ぎ!
結果的にダイイングメッセージとなった“空集合マーク”を健次郎に書かせる為の無理やりな設定に他ならない!
②入試問題を盗み出すぐらいの報酬で会社が立て直せるものなのだろうか?
健次郎の特殊能力を利用して入試問題を盗み出すという方法も疑問。
兄の会社が倒産の危機という偶然もご都合主義で、弟思いの兄が拒否する危険性もかなりあるだろうし、弟も拒否することも考えられる(実際、土壇場で拒否)。
これも、今話の主題である兄と講師(犯人)“歪んだ優越感、プライド”が動機というストーリーを展開させたいがためのご都合主義
会社が持ち直したにもかかわらず計画を中止しなかったのは、兄としてのプライドの為、弟に罪を犯せたかったと言うが、弟に頼み込んだ時点で、プライドを捨てている。
③殺害直前の不自然さ
仮にも“神童”と言われ、プライドも高い犯人なら、「自分で解けよ!」と言いたい。
選択肢なしの出題ミスを不思議がる健次郎の様子を≪嘲笑った≫と思い込んで殺害に至るための、ご都合主義。
教授の助手なら、もっとうまい入試問題の入手法はなかったのだろうか?
その他の突っ込みどころ
・「やばいよ」という彼女に「大丈夫だから」と強引に元ボーリング場の廃屋に連れ込む彼氏……何が目的だったのだろうか?殺人現場でなくても、危険な奴が潜んでいなくても、彼と一緒に人気の思いっきりないところに行くことこと自体、“大丈夫ではない”だろう
・健次郎が殺害された直後に、その現場を見つけてしまう元窃盗犯は健次郎と相当な縁があるのだろう
・衝動的にボーリングのピンで殴打したが、指紋は拭き取ったのだろうか?足跡も残っていそうだ。元窃盗犯は、殴打した音が聴いて現場に辿りついたようで、痕跡を消し去る時間はなかったはず。そもそも、鉢合わせしなかったのだろうか?
(話の本筋とは外れますが)
★内田朝陽さんの起用法について
“一見誠実そうで裏がある人物”というイメージがあるが、私だけ?
そういうイメージがあるので、何か裏があるのでは?と思ったが、ストレートな犯人ではないだろうと。
結局、天才になった弟に優越感を感じることが出来なくなり、弟に犯罪を犯させようとした歪んだ人物。適切な起用法とも言えるが、私なら、感情(愛情)を示すのが下手な不器用な誠実な人物として使いたい。
脚本は“要注意脚本家”の金井寛氏であった。(詳しくはリンク記事後半をご参照)
【ストーリー】番組サイトより
死体に残された謎のダイイングメッセージ
解読不能の数式が特命係を翻弄する!
亘(反町隆史)が顔見知りになったコンビニの店員・森山健次郎(西井幸人)が殺害された。捜査一課では、2年前に健次郎の証言で逮捕され、最近仮出所した窃盗犯・宍戸(菅原卓磨)が事件現場付近で目撃されているため、逆恨みの犯行ではないかと消息を追っていた。
亘に担ぎ出される形で捜査に乗り出した右京(水谷豊)は、健次郎の遺体の手に漢字の『中』と読める文字が書かれていたのが気になる。そんな中、2人は金融コンサルタントをしている健次郎の兄・真一郎(内田朝陽)から話を聞く。すると、事務員に中井小百合(久保陽香)という女性がいて、健次郎が一方的に好意を寄せていたことが分かる。
また、勉強が不得意だった健次郎が最近、大学で数学の講義を受けていたことも判明。指導にあたっていた教授の中垣(山中敦史)と講師の服部(池田良)は、健次郎をなぜか「逸材」と評価していた。次々と証言が集まるにつれて、右京は被害者の身に起きた、ある可能性を感じ始めるが…!?
浮かび上がる複数の容疑者と謎のメッセージ
真相を解く鍵は被害者の不思議な言動の中に!?
事件に潜む悲劇の方程式を特命係が解き明かす!
ゲスト:内田朝陽 西井幸人
脚本:金井寛
監督:橋本一
2.健次郎の不思議な言動
・冠城のカードを「キラキラ光っている」と言う(特に輝いては見えなかった)
・中井小百合は、落し物を見つけてくれた健次郎から身元を明かしていないのに、「落し物が見つかった」と会社に電話がかかってきた
・2年前に窃盗犯とぶつかった際、散らばった1万円札を一瞬見ただけなのに、98万円と正確に証言した
・数学に非常な才能を発揮していた
・健次郎のノートに残された数学の問題
……………………………………非常に興味深い序盤であったが……
純粋で優しい不思議な全力少年の被害者の“ケンちゃん”について調べていき、上記の健次郎の謎を『窃盗犯とぶつかった時に頭を打ち、“サヴァン症候群”を発症し、記憶と数学に非常に高い能力を発揮するようになった』という結論に至った。(冠城のカードのIDナンバーが素数で、輝くように感じた)
……う~ん、サヴァン症候群…。窃盗犯と衝突し、頭を打ったこと分かった時点で、そういう気はしたが……。都合の良い展開だなあ。
“サヴァン症候群”は記憶に関して特殊な能力を発揮することが多いようだが、健次郎は記憶能力に留まらず、数学的才能も発揮していた。この件について、突っ込みたいところだが、“サヴァン症候群”というと、中居正広主演の『ATARU』を思い出す。主人公のチョコザイ(だったかなあ)も人並み外れた記憶力を持っていたが、彼の場合は、閃きも凄く、無意識に事件解明の言葉を発していた。なので、今話の“サヴァン症候群”に関するご都合主義展開は、目を瞑ることにしよう(何しろ、ドラマ全体にご都合主義が充満している)。
それにしても、普段の並はずれた記憶力や今回の数学問題を苦もなく解く右京はサヴァン症候群なのかもしれない。
一番ダメと感じたのは、入試の数学問題の設定や展開
①「問題は解けるが、正解の選択肢がなかった」……有り得ない!
大学独自の数学の入試問題で、選択肢を設けるというのは、まずないと思う(大学入試など遠い過去の話なので“思う”と表現しました)。選択肢をつけるのは、数学能力を判定するのに不要。
さらに、数値設定ミスで解けないとかいうのではなく、選択肢に正解が存在しないというのは、あまりにも迂闊過ぎ!
結果的にダイイングメッセージとなった“空集合マーク”を健次郎に書かせる為の無理やりな設定に他ならない!
②入試問題を盗み出すぐらいの報酬で会社が立て直せるものなのだろうか?
健次郎の特殊能力を利用して入試問題を盗み出すという方法も疑問。
兄の会社が倒産の危機という偶然もご都合主義で、弟思いの兄が拒否する危険性もかなりあるだろうし、弟も拒否することも考えられる(実際、土壇場で拒否)。
これも、今話の主題である兄と講師(犯人)“歪んだ優越感、プライド”が動機というストーリーを展開させたいがためのご都合主義
会社が持ち直したにもかかわらず計画を中止しなかったのは、兄としてのプライドの為、弟に罪を犯せたかったと言うが、弟に頼み込んだ時点で、プライドを捨てている。
③殺害直前の不自然さ
仮にも“神童”と言われ、プライドも高い犯人なら、「自分で解けよ!」と言いたい。
選択肢なしの出題ミスを不思議がる健次郎の様子を≪嘲笑った≫と思い込んで殺害に至るための、ご都合主義。
教授の助手なら、もっとうまい入試問題の入手法はなかったのだろうか?
その他の突っ込みどころ
・「やばいよ」という彼女に「大丈夫だから」と強引に元ボーリング場の廃屋に連れ込む彼氏……何が目的だったのだろうか?殺人現場でなくても、危険な奴が潜んでいなくても、彼と一緒に人気の思いっきりないところに行くことこと自体、“大丈夫ではない”だろう
・健次郎が殺害された直後に、その現場を見つけてしまう元窃盗犯は健次郎と相当な縁があるのだろう
・衝動的にボーリングのピンで殴打したが、指紋は拭き取ったのだろうか?足跡も残っていそうだ。元窃盗犯は、殴打した音が聴いて現場に辿りついたようで、痕跡を消し去る時間はなかったはず。そもそも、鉢合わせしなかったのだろうか?
(話の本筋とは外れますが)
★内田朝陽さんの起用法について
“一見誠実そうで裏がある人物”というイメージがあるが、私だけ?
そういうイメージがあるので、何か裏があるのでは?と思ったが、ストレートな犯人ではないだろうと。
結局、天才になった弟に優越感を感じることが出来なくなり、弟に犯罪を犯させようとした歪んだ人物。適切な起用法とも言えるが、私なら、感情(愛情)を示すのが下手な不器用な誠実な人物として使いたい。
脚本は“要注意脚本家”の金井寛氏であった。(詳しくはリンク記事後半をご参照)
【ストーリー】番組サイトより
死体に残された謎のダイイングメッセージ
解読不能の数式が特命係を翻弄する!
亘(反町隆史)が顔見知りになったコンビニの店員・森山健次郎(西井幸人)が殺害された。捜査一課では、2年前に健次郎の証言で逮捕され、最近仮出所した窃盗犯・宍戸(菅原卓磨)が事件現場付近で目撃されているため、逆恨みの犯行ではないかと消息を追っていた。
亘に担ぎ出される形で捜査に乗り出した右京(水谷豊)は、健次郎の遺体の手に漢字の『中』と読める文字が書かれていたのが気になる。そんな中、2人は金融コンサルタントをしている健次郎の兄・真一郎(内田朝陽)から話を聞く。すると、事務員に中井小百合(久保陽香)という女性がいて、健次郎が一方的に好意を寄せていたことが分かる。
また、勉強が不得意だった健次郎が最近、大学で数学の講義を受けていたことも判明。指導にあたっていた教授の中垣(山中敦史)と講師の服部(池田良)は、健次郎をなぜか「逸材」と評価していた。次々と証言が集まるにつれて、右京は被害者の身に起きた、ある可能性を感じ始めるが…!?
浮かび上がる複数の容疑者と謎のメッセージ
真相を解く鍵は被害者の不思議な言動の中に!?
事件に潜む悲劇の方程式を特命係が解き明かす!
ゲスト:内田朝陽 西井幸人
脚本:金井寛
監督:橋本一
うーん。前回の『銀婚式』が良作だっただけに、今回は脚本の粗が目立ちましたね。金井氏は、魅力的な素材を持ってくるのに、調理で失敗して残念な結果になることが多いと思います。
金井氏の担当した作品の中では、シーズン13の『ママ友』やシーズン14の『伊丹刑事の失職』はよかったと思います。
ツッコミどころは英さんがほぼ書いてくれたので、私自身が気になった点を少々。
・冠城に焚きつけられて乗り出した右京。「なんでもかんでも事件に首を突っ込むのはどうかと思いますがねえ」って、あなたがそれを言いますか(笑)
・印刷所では、残業を頼んでも嫌な顔一つせず引き受けていたというケンちゃん。しかし、給料は毎月10万円で固定。残業代が適切に支払われていたか気になります。
・夜中の元ボウリング場の廃屋の中って、街頭の明かりがあるとしても、あんなに明るいものなのでしょうか?
>金井氏は、魅力的な素材を持ってくるのに、調理で失敗して残念な結果になることが多いと思います。
同感です。金井氏の脚本については、本文中のリンク先(相棒 season15 第8話「100%の女」)で語らせていただいています。season14 第13話「伊丹刑事の失職」、season13 第17話「妹よ」は評価していました。
>・冠城に焚きつけられて乗り出した右京。「なんでもかんでも事件に首を突っ込むのはどうかと思いますがねえ」って、あなたがそれを言いますか(笑)
おそらく、オンエア中、たくさんの相棒マニアが、どうような突っ込みをしたことでしょう。
>・印刷所では、残業を頼んでも嫌な顔一つせず引き受けていたというケンちゃん。しかし、給料は毎月10万円で固定。残業代が適切に支払われていたか気になります。
確かにそうですね。
私は、あまりに定額なので、脅迫しているのかと思いました。でも、印刷所を脅迫するのはおかしいですね。
>・夜中の元ボウリング場の廃屋の中って、街頭の明かりがあるとしても、あんなに明るいものなのでしょうか?
確かに、電気の無駄と言うか、灯りがあるのは不自然です。(まあ、映像的に暗すぎるのは分かりにくいので…)
それにしても、刑事ドラマで潜伏先や殺害犯行現場に元ボウリング場の廃屋が登場し過ぎですよね。
コメント、ありがとうございました。