英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

自民党総裁選挙 ……信用できないなあ

2024-09-13 17:24:30 | 時事
自民党総裁選挙が告示された。
 主張点・論点はいろいろあるが、やはり、《政治と金》の問題が気になる。
 これにより、内閣支持率や自民党支持率が落ち込み、岸田総理は不出馬に至った。
 今回の総裁選は(いや、いつの総裁選もそうだが)、国民の支持が得られる候補者(選挙で勝てる総裁)を選出するのが第一で、その大きな要素が《政治と金》の問題であろう。

 では、まず、各候補者の主張を見てみよう。(以下はNHK NWES WEBより引用)

高市経済安全保障担当大臣
「お金の入り流れ 属人性を完全排除」
 ……ええと、“属人性”って何?
 旺文社「国語辞典」(1985年重版発行)にはその言葉そのものは載っておらず、
【属人主義】…〘法〙国の内外を問わず、自国民に本国法を適用する主義。日本では婚姻・養子・相続などや一定の犯罪について、外国にいる日本人に対して本国法の適用を定めている
 ……高市氏の意図している用法ではないようだ。
 なので、「属人性とは」で検索してみると、「NECソリューションイノベータ」のコラムで「属人化とは?意味やデメリット、解消方法をわかりやすく解説」が、高市氏の主張と合致する意味、説明になっていると思う
【引用】…属人化とは、特定業務に関する手順や状況などの情報が作業担当者しか把握できておらず、周囲に共有されていない状態を指します。「担当者の違いにより製品の品質に差が生じる」「担当者不在で対応方法がわからない」などは、属人化が引き起こすトラブルの典型例です。属人化は業務の再現性を損なってしまうため、持続可能な企業経営を妨げます。
 ……つまり、《ある職務に於いて、特定の個人やその周囲の者にしか分からない手法や情報があり、他者からはよく分からない状況》ということなのだろう。
 高市氏の主張するところは、「お金の流れを完全にオープンにしよう」ということなのだろう。
 じっさいには、「お金の入りと流れから属人性を完全に排除」の後、「会計や財務の専門家の力も借りて、特定の幹部が使途を決めるのではなく、公平に配分され、使途をチェックできる仕組みをつくる」という言葉を続けているが、わかりにくい言葉を用いて、単なる目標を格好良く言っただけ。具体性は無し。

小林鷹之氏
「政治資金改革の徹底は当然」
 「政治資金改革の徹底」という表現だが、先に国会で決めた「政治資金改革の“修正案”を徹底する」ということなのだろうか?
 だったら、当たり前のことであるし、具体性もない。

林官房長官
「政党交付金の使い方を見直し」
 「アメリカのFEC=連邦選挙委員会をモデルに透明性を高め、改革を行う。政党交付金の使い方を見直し、議員がパーティーに頼らなくていい配分を実現する」
 “アメリカのFECをモデルに”と言っても、具体的にはどういう手法なのだろうか?
 「政党交付金の使い方を見直し、議員がパーティーに頼らなくていい配分」…使い方をどう見直すのか? 《党が使う政党交付金の無駄金をなくし、パーティー券販売に頼らなくてもよいようにする》ということなのだろうか?

小泉進次郎氏
「政治資金の透明化に加え改革進める」
 「政治資金の透明化に加えて党改革や国会改革も進める。一丸となって国民の共感を取り戻したい」
 やはり具体案がなく、単なるスローガンだ。

上川外務大臣
「国民目線で国民の声に耳を傾ける」
 「政治への信頼を大きく傷つけたことを心からおわびする。国民目線で国民の声に耳を傾けていきたい。私がスタートラインに立てたこと自体が新しい自民党の姿を示す一歩だ」
 この言葉だけでは、《政治と金》について何も言及していない。岸田総理(特に初期)が言うような言葉だ。“耳を傾け”ても聞こえないんじゃないだろうかと心配になる

加藤元官房長官
「政策活動費は原則公開」
「国会に独立した第三者機関を設け、政治資金の透明性を確保する。旧『文書通信交通滞在費』の未使用分は国庫への返納を徹底する」
 この言葉を実践できるのであれば、評価できるが……
 「国民の所得を倍増」とか大風呂敷っぽいことを公言しているので、氏について少し検索してみたら
《政治資金収支報告書への不記載があった議員に「説明責任を果たすように徹底して働きかけるつもりだ」と明言した。党が不記載相当額を国庫に返納する案を検討すると言及した》(他の候補も、もっと語っているかもしれません)
 是非、実行していただきたい。
 
河野デジタル大臣
「国民の信頼勝ちえるのが今回の総裁選挙」
 「難しい問題も国民にきちんと説明し、この国を任せられるのは自民党しかないという国民の信頼を勝ちえるのが今回の総裁選挙だ。ひるまず論戦を挑んでいきたい」
 政治と金の問題については方針を述べただけ。確か少し前に、返納云々と言っていたような……

石破元幹事長
「説明責任果たし国民が納得するまで全力」
 「国民から信頼される自民党、未来を切りひらく自民党でありたい」……方針とモットーを述べただけ。

茂木幹事長
「政策活動費を廃止する」
「まったく新しい自民党をつくっていく覚悟を示し、二度と同じ問題を起こさないために、党の規律や運営体制、財務体質をゼロベースで見直し政策活動費も廃止する」
 本心なのだろうか?出来るのだろうか?
 そもそも、世間から批判を浴びた時、自民党幹事長として対応していた時とは、全く違う方針だ(この件については、後述)

 【この記事を書いていて、どうも情報が不足しているなあ……と。そこで、新聞記事(福井新聞)から、“各候補者の主張”】
高市氏
《裏金議員の公認》有権者の信頼を回復できない場合は難しい  
《製作活動費》廃止した方が良い

小林氏
《裏金議員の公認》党のルールにのっとり、適切に判断 
《製作活動費》毎年公開できなければ、廃止
  
林氏
《裏金議員の公認》何も理由がないのに処分を変えるのはおかしい 
《製作活動費》「10年後公開」を前倒し

小泉氏
《裏金議員の公認》新執行部で厳正に判断
《製作活動費》廃止する

上川氏
《裏金議員の公認》党内の手続きにのっとり、対応
《製作活動費》調査する必要がある

加藤氏
《裏金議員の公認》既に出ている処分を尊重 
《製作活動費》党の活動のために必要なものはある

河野氏
《裏金議員の公認》まずは不記載相当額を返納してもらう
《製作活動費》領収書を付けて公開

石破氏
《裏金議員の公認》公認する場合は、総裁も説明責任を果たす
《製作活動費》可能な限り明らかにする

茂木氏
《裏金議員の公認》説明責任を尽くしたかを踏まえ、厳正判断
《製作活動費》廃止する

 これまでの自民党の決定と整合性を持たそうとする候補者、条件などを付けて曖昧にしようとする候補者、世論を優先させ党の決定とは異なる方針を示す候補者といろいろ。
 これまでの党の決定と異なる方針を示した候補者は、《これが正しい》という感じの論調だが、当然整合性はない。だったら、あの時、真相を解明し、責任の追及をしろよ!
 党の決定を尊重する候補者は、整合性はあるが世論の支持は得られない。
 私は、前者の方針を歓迎するが、整合性はないので、信頼はできない。
 後者は、《このまま自民党の都合をゴリ押し、悪事のしらを切り通すのか!》とやはり、信頼できない。

 《これまでの党の決定とは矛盾するが、その自民党の決定が、政治への不信感を高め、自民党への支持を失ったのは事実。
 これは、党の総裁選挙なので、自民党への支持を取り戻すため、延いては政治の信頼を取り戻すため、政治資金や製作活動費については厳しい姿勢が必要である》

とか、述べてほしいなあ

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