英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

名人戦第3局雑感 その2

2010-05-09 17:16:30 | 将棋

 第1図はひとつの分岐点。
 『将棋世界』の企画「東西対抗フレッシュ勝ち抜き戦」の佐藤天彦五段×稲葉陽四段戦で佐藤五段が指した新手が図の▲5六飛(従来は▲7六飛)。
 この将棋は▲5六飛以下、△6二銀▲3六歩△5四歩▲3三角成△同銀▲3五歩△5五歩(三浦×羽生戦は△4四銀)と進んだ。ここで佐藤五段の予定は▲2六飛だったが、△2三歩とじっくりされても△2四飛と激しくこられても自信がなく、予定を変更して▲3六飛とさしたものの、△2四飛に▲2七歩と受けさせられて、作戦負けに陥っている。
 この将棋の情報を稲葉四段から直接仕入れた糸谷五段は、すぐさま豊島五段にこの新手をぶつけ快勝している。
 糸谷五段は、角交換はしないほうが後手の動きが制約されると考え、▲5六飛以下△6二銀▲3六歩△5四歩▲3五歩△5五歩▲3六飛△5三銀▲3七銀△4四銀▲6八銀△4五銀▲7六飛△2四飛▲2七歩△6四飛▲6六飛と進めている。

 さて、本局は佐藤天×稲葉戦を踏襲した。途中、第2図の▲3六歩に三浦八段は80分以上の長考をした。

 この手は渡辺竜王も言っていたが、凝り形の先手の金銀桂の活用を計りつつ、3筋の攻めを見た必然手に見える。この手に長考するのは不可解な気がするが、三浦八段は常人が気にしない細部に至るまで読んでいたのだろう。
 ともかく、本局は第2図以下、△5四歩▲3三角成△同銀▲3五歩と進み、羽生名人の封じ手で第1日を終えた。

 封じ手は△4四銀で、佐藤天×稲葉戦とここで離れた。
 本局の△2四銀も佐藤天×稲葉戦の△5五歩の展開も、先手から角交換したことによって、自然と後手の左銀が進出でき、さらに△5五歩の筋(▲5五同飛なら△4四角)が生じたのは、先手としては損な気がする。

 さて、△4四銀に▲3六飛(第3図)は三浦八段の苦心の手。

 控え室の検討では▲2六飛と回り△2三歩と受けさせる変化が検討されていて▲3六飛は最初は評判が良くなかった。しかし、この手に△4五銀とすると▲2六飛△2三歩▲3七桂で銀が詰む。しばらくして、▲3六飛の評価が上がってきたとのこと。
 さらに、この手にはある狙いがあった(後述)。

 ▲3六飛以下、△5五歩▲6八銀△7四歩▲7六飛△5四角(第4図)。

 この△5四角では△7五歩▲同飛△5六歩もあったようだ。この手を局後指摘された羽生名人は、「△5四角は変だったかも」という感想。ただ、この変化はかなり突っ込んだところまで読まないと指せない。(中継サイトには変化示されていましたが、有料サイトなのですべてここに載せるのは気がひけます。と言っても、ここまで、結構、載せちゃっているような気も)
 しかし、本譜の△5四角に▲6六飛△7五歩と進む展開は、先手は飛車がウロウロしているだけのようなのに対して、後手は着々と陣を張っていて、後手ペースのように感じる。

 ここで三浦八段は狙いの一着を放つ。▲2三歩(第5図》。

この歩を打ちたいがために、▲2六飛を利かさなかったのだ。


 この歩は次に▲2二角と打ち込む狙い。△3六歩として▲2二角に△同金▲同歩成△3三桂と進める順もあるが、羽生名人は△2三同金と応じ、以下▲2四歩△2二金▲3四角(▲2六飛は△2五歩▲同飛△3六角で大丈夫)△3三金▲2三歩成△3四金▲同歩と進める。

 以下少し進んで第6図。後手は5二に玉をかわし、△3六歩と先手の飛車金銀桂の活用を抑える。その間、先手は桂香を拾い手駒を増やした。

 図では先手の3枚換えの駒得(正確には金桂香対角歩歩)と後手の駒の効率のよさの対抗となっており、後手ややよしとの評判。
 しかし、羽生名人は「駒損が大きく難しかった」と言うような感想。たしかに、後手にすれば、後手の指し手に少しでも破綻が生じればたちまち窮地に追い込まれる。たとえば、今は圧迫されている飛車が飛車や角と交換になったり、敵陣に成り込めたりする。あるいは、先手の金桂香のうち2枚と後手の大駒と刺し違えることが出来れば、残った駒の分が純粋に駒得になる。
 後手を持って勝ち切るのは大変かもしれない。
 実際に第6図では▲9五金△8三飛▲8五金△同飛に▲8六香と飛車を捕獲する手順が生じていた。しかし、これで先手良しかというとそうではなく、控え室の研究では「▲9五金△8三飛▲8五金に△2七歩▲同銀△8五飛▲8六香△2八歩▲同金△9五金▲8五香△9六金▲同歩△3九飛の攻め合いは後手が良い」と、また、三浦八段は「▲9五金△8三飛▲8五金△同飛▲8六香に△8四歩!という手がありよくない」と。さすが対局者はよく読んでいる。

 そこで三浦八段は▲7七桂△7三桂▲4六香(第7図》と攻める。

 控え室やBSの解説では▲4六桂や▲2七銀が調べられていて、本譜の進行は手順に△5三銀引と固めさせて(手抜きで△9四歩も有力)損なのではという意見が多かった。
 ▲4六香の狙いは△5三銀引に▲5六歩と角頭を攻め飛車の活用すること。
 羽生名人は素直に応じ▲5六歩に△7四飛(△6四銀もあった)と先手の飛車を攻めるのを止め、先手の桂頭に狙いを定めた。先の▲7七桂を逆用している。
 △7四飛に先手も▲5五歩と後手の角頭を攻め先手の飛車の活用のめどが立った。時折対局者の様子が映し出されるが、三浦八段の表情は手ごたえを感じているように感じられた。
 しかし、BS中継の深浦王位は「▲4六香の構想があまりよくなく、形勢に差がついた」とも。深浦王位の羽生名人の将棋の形勢判断は辛目なので、羽生ファンとしては心強い言葉だ。

 と、ここまでは、羽生名人の指し手は順調。しかし、▲5五歩に△6三角がつまづきの始まりだった。
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名人戦第3局雑感 その1

2010-05-08 23:33:07 | 将棋
 羽生名人が3連勝、防衛まであと一歩です。羽生ファンとしてはうれしいのですが、この第3局は内容的には不満が多いです。

 将棋の内容に入る前に、気になったこと、気がついたことを少し。

 まず、BS中継。これは第1局から感じたのですが、オープニングのファンファーレのようなテーマ曲、名人戦の厳粛さをぶち壊しているように感じますが、私だけでしょうか。
 第3局の解説は渡辺竜王で聞き手は鈴木女流初段。渡辺竜王の解説は、形勢判断などの局面を検証する時、その根拠や考え方を示してくれるので分かりやすいです。
 聞き手の鈴木女流は、『囲碁将棋ジャーナル』では将棋を把握して手順もしっかり覚えているので、私の評価は高いです。
 初級者への配慮も心得ていて、有段者なら自明のことも、わざと質問してくれます。ただ、それが解説者のリズムを壊してしまうこともあります。しかし、これは背反する事象なので仕方がないです。
 ただ、変化手順の後、盤面を戻す時、時々あやふやになるのが気になりました。(端歩の位置が違って、そのまま解説が始まってしまったことがありました)


~挑戦者の三浦八段について~

A将棋の展開の予想

 研究が深く、序盤はその研究手順を踏襲し、研究範囲を超えるまで考慮時間をあまり使わないタイプなので、一日目にかなりのところまで局面が進む(第1局)か、消費時間にかなり差がつく展開(第2局)になるのではないかと思っていました。
 その予想は、あらかた当たっていると言えますが、その内容はかなり違ったものでした。

B名人戦開始後に判明した三浦八段の特徴を示す事がら
①封じ手の練習
 単に練習するのではなく、練習将棋ではあるが、実戦を利用して封じ手を経験した。まさに実戦訓練である。また、新聞社の記者に封じ手の書き方・形式などを事細かに質問していた。

②二日制の対局は思いのほか疲れたと漏らす
 初日から疲労し、対局後一週間は疲れが抜けないという。

考察
 ①は普通に考えれば、用意周到。
 しかし、第3局を観て、ちょっと違うと感じた。第3局はタイミング的には三浦八段が封じ手にしてもいいような展開だった。せっかく、封じ手の練習までしたのだし、二日制のタイトル戦でないと経験できない行為だ。なので、初日の夕方、封じ手にするのではないかと予想する人が多かったのではないか。
 しかし、封じ手にはしなかった。
 これをストレートに考えると、研究範囲のところで時間を消費するのは勿体ないという結論になる。けれども、②を合わせて考えると、違うような気がする。

 ②は名人戦前の予想とは逆の現象だ。事前研究を踏襲するだけなら、初日から疲労するのはおかしい。久しぶりのタイトル戦、前夜祭や多くの取材陣に気を遣いすぎたという推論も成り立つが、これも違う気がする。
 中継を見ていると、羽生名人の考慮中も必死に読んでいるように見える。また、33手目の▲3六歩に一時間20分の長考。「これしかないところなのに、何を考えているのでしょう」と渡辺竜王も訝しがっていた。
 おそらく、事前の研究やこれまでの読みの検証に加え、新たな変化や気になる変化を精密に読んでいたのだろう。

 ①②を合わせて考えると、物事に正面から誠実に対応するという性格であると結論が出る。まじめ、慎重、誠実の三拍子揃った棋士なのだろう。
 しかし、私の推測は、ここにとどまらない。もしかしたら、「慎重」を通り越して「心配性」なのではないだろうか。
 ちょっとでも気になる変化があれば、とことん考えてしまう。
 封じ手に関して言えば、自分が封じると、封じた手が最善手かどうか心配で眠れなくなるのではないかと心配しているのかもしれない。また、なれない封じ手がうまくできるか不安、できればしないでおきたい。でも、封じ手時刻直前に羽生名人に指される可能性もある。そういった事態も想定しての封じ手の事前練習だったのではないだろうか。
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となみチューリップフェア

2010-05-07 23:45:59 | 日記
 5月4日に「となみチューリップフェア」(富山県砺波市)に行ってきました。妻にとっては長年の念願(私にとっては懸案)の地です。

 目的地のチューリップ公園までは134.3キロです。そのほとんどが高速道路なので(武生~砺波間は約130キロ)、MapFanWeb(マップファン)のルート検索によると、所要時間は1時間49分とのこと。
 9時40分に出発し、11時半に到着。北陸道は通常の7~8倍の車の量でしたが、砺波インターの出口から会場までが渋滞しただけで、予想以上にスムーズで、ほぼ検索通りにはこびました。


 会場に入ると、赤黄ピンクなどのチューリップが大勢で出迎えてくれます。
 「原色で大粒の花がたくさん→会場に入ると原色が迫ってくる」という想像でしたが、丈が低いので、「原色が迫ってくる」という感じはなく、綺麗な帽子をかぶった小人か妖精が出迎えてくれているような趣です。
 連休が始まったころは「5分咲き」という情報でしたが、いい天気が続いたので8分~9分は咲きそろっているような感じです。写真の手前のようにつぼみが固いモノもありますが、それはそれで葉の緑がきれいです。


 「色とりどり」という表現がぴったりですが、「青いチューリップは今のところない」という説明書きを見たような気がします。


 円形の水上花壇が漂っています。
 水上花壇は砺波で発案された方法だそうで、水栽培したチューリップの円形花壇が水面を漂っています。


 園内には、500品種のチューリップが咲いているそうで、一見ユリのようなモノ(葉はしっかりチューリップ)や花弁がギザギザしているモノもありました。


 写真は八重咲きの品種で牡丹のようです。
 「八重咲きのモノもあるんだあ~」と当日感心していましたが、帰ってみると、家のプランタにも八重咲きのチューリップが咲いていました(笑)。



 隣接する美術館の前の広場には、花の地上絵があり、写真は3階から撮ったものです。
(地上の写真も撮ればよかったと反省。地上の写真をお見せした後、3階からの写真をジャジャ~ン!とできたのに)


 球根生産のために摘み取られた花を使った壁画です。


 公園内には写真の5連水車や江戸時代の旧家などもあり、昔懐かしい趣もあります。昔懐かしとは違いますが、オランダの風車もありました。

 園内にはチューリップの他にも水仙やマーガレットなどいろいろな植物もあります。

 八重咲きの桜です。綿菓子みたいにふわふわしています。

 フェア期間中は花かごづくり、押し花のしおりづくり、折り紙でチューリップを作るコーナーなどの体験コーナーなどもあります。
 また、いろいろ連携イベントや連携施設もあるようです。
 なんだか、チューリップフェアの宣伝の趣が強くなってしまいました。

 詳しくはチューリップフェア(チューリップ四季彩館)のページへと振ろうと思いましたが、フェア期間終了でフェアのイベント情報は削除されています。でも「開花状況」や「チューリップ」や「チューリップフェアの写真集」の項をクリックすれば花壇の写真やチューリップの品種や去年の写真を見ることができます。
 ライブカメラの映像も開園時間内なら観ることができるようです。


 本当は、お茶会の和服の綺麗な女性やプリンセスチューリップのみなさんの写真を撮りたかったのですが、妻が隣にいたもので……


 天気も良く、会場の雰囲気は良く、すごく和めました。ただ、1日過ごすのには、もう1ひねり欲しい気がしました。
 しばらくは妻の機嫌が好調そうです。めでたし、めでたし。
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『絶対零度~未解決事件特命捜査~』 第4話「秘密」

2010-05-05 23:50:23 | ドラマ・映画
 このドラマ、取り上げるのは先週で終わりにしようと思ったのですが、今回は非常に強烈だったので、書かずにはいられませんでした。

 今回のポイント
①純情男子3人組の誤った友情
②ひどい女
③後味の悪さ…情けない主人公


①バラバラだった天文学部に学園のマドンナで優等生の四之宮真紀(篠原真衣)が入部して、彼女を中心に、火浦忠広(遠藤雄弥)、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)
は甘酸っぱい青春の日々を過ごしていた。
 では、彼女の存在がなかったら、彼らに友情は生まれなかったのかと、ちょっと意地悪なことを思ってしまった。
 時間に余裕があれば、仲良し3人組が彼女の出現により微妙な関係になり、一波乱後、堅い友情で結ばれるという流れもあったかもしれないが、それが主眼でないので、そこまで求めるのは無理だろう。

 彼女が顧問教師の朝倉聡(中野英樹)に襲われたと知り、激昂し殺害、死体を埋めてしまう。その秘密を共有することによって、卒業後も友情で結ばれていた。もしかしたら、それがなくても、友情が続いていたかもしれないが、きっかけが彼女だとすると、そうは思えない(まあ、そんなことはどうでもいいのですが)。
 ただ、罪悪感によって、夢を手放してしまった3人組、それとは対照的に、ニュースキャスターの夢を実現した彼女。その彼女を守ったという満足感が、彼らのよりどころだったのだろう。

 しかし、真実は顧問教師が彼女を襲ったのは嘘で、万引きをしたのを顧問の教師に正されようとして、そのことを内密にしようと体を差し出したが、拒否され叱られた。切羽詰まった彼女は、教師に襲われたと嘘をついた。
 その際、3人組からプレゼントされたペンダントも引きちぎって捨ててしまった。

 悲しいことに、彼女にとっては友情ごっこだったのだ。
 ……あやふやな友情と、偽られた友情ごっこだった。 

②保身のため、身体を売り、嘘をつく。
 しかも、ペンダントを引きちぎったことを考えると、天文部での日々も、彼女にとっては単なる息抜きで、偽りだった。中学時代は純情だったが、世間に出てスレテしまったのではなかった。
 彼らの犯罪も、純情な彼女を守ったというのなら救われるが、本当にくだらない嘘に起因したものだった。……救われない。
 もっと救われないのは、命を奪われてしまった教師。そして、その家族。
 あれだけいい先生だったら、失踪事件で済まないのではないだろうか。最後に会ったのが、天文学部の生徒だったのなら、もっと追及されるだろうし。(まあ、1時間枠だから見逃しましょう)

 それにしても、ひどい女だ。
 くだらない嘘で、ひとりの人間の命がなくなり、3人の人生が台無しになってしまった。にもかかわらず、
「私は悪くない。自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか。先生を殺したのは、あの人が勝手にやったことです。」
と開き直り。
 さらに、「3人はあなたにとって、大切な友達だったんですよね」という桜木の問いに対して、
「今は、赤の他人です」
と、桜木の手を振り払い去っていく。
 ……ひどい女だ。

 後味の悪い話だった。
 この後味の悪さは、四之宮の最低ぶりだけではなく、手を振り払われ去っていく彼女に対して、桜木が呆然と見送るだけだったこと。

「自分を守るために嘘をつくなんて誰だってすることじゃないですか」
「嘘をつくことは自分を偽ることになる。そんな嘘で固めた人生なんて何の価値もない。しかも、あなたの「自分を守る」嘘によって、ひとりの人間が命を失い、3人の人生を台無しにした。法では捌かれないけれど、あなたはその重い罪を一生背負って生きなければいけないのよ」
 ぐらい言い返したれ!
 室長にぼやいて、慰めてもらうだけなんて、情けないぞ!

 後味の悪さは、ドラマのシリアスさを出そうとしたのかもしれないが、後味悪過ぎ。

その他の疑問として
④7月25日の日誌の謎
 日誌をコピーしてまで、天文部の思い出を大切にしたかった日浦だが、7月25日の日誌のコピーだけはなかった。
 この日は、四之宮の誕生日で、彼女に3人でプレゼントを渡し、彼女を3人で守るという誓いをした日。
 確かに3人で「彼女を守るという誓い」は隠ぺいには邪魔かもしれないが、かたくなに隠すほどのものではないし、遺体と一緒に出てきたペンダントのことを伏せたかったということも考えられるが、被害者が自らペンダントをポケットにしまったので、知らなかったと考えられる。
 それよりも、彼にとってはその日は特別で大切な思い出で、その大切な日の日誌のコピーがないのはおかしい。

④の2 7月25日の日誌の謎の2 
 桜木がふと眼をやった机の中に日誌が覗いていたって、おい!と突っ込みたくなるような都合のよさ。
 その机、物置代わりに使われている部室、たぶん他の教室の不要な机なのでは?その机の中に、その時の日誌(かなり薄かった)だけがあるのは……


あと、気になるのは
⑤事件後の彼らの学校生活
 殺人を犯し、隠ぺいした後、彼らの学校生活はどうだったのだろう?
 少なくとも、日誌を書く心境にはなれなかったはず。桜木の捜査は、8月以降の日誌には何も触れなかったが、気になる。



 印象度は抜群の話でした。
  
【番組サイト あらすじ】
 4係に送付主不明の荷物が届いた。桜木泉(上戸彩)が開けると、そこには人骨が。検査の結果、人骨は11年前に捜索願が出されていた中学校教師で天文学部の顧問をしていた朝倉聡(中野英樹)で、死亡時期が失踪と同時期であること、骨に土が附着していたことから土に埋められていたことがわかった。
 4係は最後に朝倉を目撃した天文学部の4人の生徒を訪ねるが、水木丈太郎(金井勇太)、風間進(北条隆博)、四之宮真紀(篠原真衣)は朝倉の死にも、かつての仲間にも興味を示さない。
 一方、泉と倉田工(杉本哲太)が訪ねた火浦忠広(遠藤雄弥)は、マンションから転落した直後だった。意識不明の火浦だが、指紋から荷物の送り主であることがわかった。朝倉殺害に関わっている可能性があると、火浦の自宅から証拠品を押収。すると、天文部への思い入れの深さがうかがえる部員4人で写っている写真や日誌のコピーなどが出てきた。
 しかし、朝倉や火浦の件で警察に呼ばれた水木と風間は顔を合わせてもろくに会話もしない。泉は2人の様子に寂しさを感じつつ、天文部の日誌をチェックする。
 朝倉が埋められていた穴が発見され、残りの骨や衣類のほかにネックレスがみつかった。ネックレスが隕石アクセサリーであるとわかると、高峰涼子(山口紗弥加)は何かに気付き押収品を調べ始める。また、火浦のパソコンを調べた結果、火浦のブログにはプロキオンとベテルギウスと名乗る人物からのコメントが多いことと、転落する2日前にプラネタリウムで待ち合わせを示す記事が残っていた。プラネタリウムの防犯カメラには、火浦と水木と風間が会っていて、水木が火浦につかみかかっている映像が映っていた。
 改めて警察に呼ばれた水木と風間は、それぞれ朝倉殺害と火浦を突き落としたことを認めるが、それぞれ単独犯であると言い切る。一方、天文部の写真から隕石アクセサリーが真紀のものだとわかった高峰は、事情を聞くが、真紀は関連を一切認めない。
 天文部の7月25日の日誌だけが抜けていることに気付いた泉は、中学校を訪ねて原本をみつける。同じ頃、意識を取り戻した火浦が「死んで罪をつぐないます」という書置きを残して病院から姿を消した。そのことを水木と風間に告げると、2人は11年前に朝倉が3人のマドンナ的存在であった真紀を襲い、それを助けようとした3人がもみ合いになったはずみで殺してしまったことを自供した。自首しなかったのは犯罪が明るみになることで真紀を傷つけないよう3人で決めたことで、プラネタリウムでの一件は、火浦が今になって自首を申し出たことからの起きたことだった。
 火浦が1人で罪をかぶろうとしていることを察し、火浦を助けて欲しいと涙ながらに訴える水木と風間。倉田工から火浦がいなくなったと連絡を受けた泉は、中学校の屋上で飛び降りようとしている火浦を発見。水木や風間がすべてを話したことを告げ、なんとか火浦を止めた泉。
 火浦は、最近になって朝倉とのやりとりは万引きを親に話されることを恐れた真紀がついたウソだったことを知り、それを水木と風間に言えなかったと泣き崩れた。 泉は真紀に3人の逮捕と、最後まで真紀を守ろうとしていたことを告げる。
 しかし、「私は悪くない」と言い張り、3人を赤の他人だと言う真紀の言葉にやりきれない思いを抱える。
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藤、花水木そして謎の輝く美女

2010-05-03 12:19:08 | 歳時
いい天気です。いい天気過ぎです。
外回りがてら、写真を何枚か撮りました。


近くの芝生の公園で、その周囲に藤棚があります。まだ、咲き始めのようです。



藤棚ができてから、かなり経ったので、蔓が成長してしまい、棚の上方に花が咲いています。最初のころは、棚の下に花の房が下がっていたように思います。





芝生(藤棚)の隣には、立派な庭園があります。




ん?
何やら輝いている美しい女性が…



正体は、紫式部さんでした。
彼女の少女時代、父上がこの越前に赴任するに伴って来たそうです。



近くの道路です。


街路樹としては、プラタナス、イチョウ、ソメイヨシノ、しだれ柳、コブシなどありますが、最近は花水木をよく見かけます。
可憐でしかも清々しさが素敵です。
本当はセンターラインに立って、シャッターを切ると街路樹がきれいに撮れるのですが、その根性はありません。



思った以上に、花がたくさん密集しています。
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『臨場』 第4話「似顔絵」

2010-05-02 15:22:09 | ドラマ・映画
 今回のポイントは
①似すぎている似顔絵
②現場にあるべき物がなくなっている物……煙草のラップ(セロファン)とバスタオル
そして、
③女の復讐



①は第1容疑者(柳井の妻・香奈恵(宮本裕子))に嫌疑を向けたが、かえって、目撃者(証言者)のホテル・ハウスキーパーの三原あゆみ(奥貫薫)に疑惑が向けられることになってしまった。

 あれだけ似るのはおかしい。
 それも、もっともだが、いくら証言がしっかりしていても、証言だけで、あれだけ似るものなのか?
 実際に倉石検視官(内野聖陽)が、似顔絵屋さんに三原あゆみの似顔絵をかかせたが、あまり似ていなかった。(似顔絵屋さんは見て描くプロ、警察官は訊いて描くプロという違い。また、一方は怨念によるという証言者の脳裏に刻みつけ方が違う)
 まあ、それはさておき、「似すぎている」というポイントの他に、「実際と似顔絵とでは髪型が違う」という点。3年前の顔が脳裏に刻みつけられていた。怨念の深さですね。


②あるべきバスタオルが何故なくなっていたのか?
 職業習慣で、バスタオルを証拠隠滅に利用してしまった。そして、それが彼女専用のカートに殺害現場にあるべき煙草のラップに残っていた。
 種がわかれば、「な~んだ」というたぐいのものだが、視聴者側から観れば、謎で、それが解けて、スッキリ。

 その他、香奈恵が犯人だと不可解な殺害現場の状況の論理展開もおもしろかった。

 不満点は、首つり自殺未遂した後、絞め直して殺害した時は、その跡が2つ残るはず。確か、『臨場』で以前、現場で講釈していたはず。『相棒』かもしれないが。


③第1発見者の柳井と証言者のあゆみは深い因縁があった。

 あゆみは3年前の贈収賄事件の時の経理担当で、柳井は彼女に情報を提供させ、贈賄犯逮捕に漕ぎ着けた。彼女の女心を利用したのだ。
 そのせいで彼女は人とかかわり合うような職場にいられず、現在のホテルハウスキーパーをしていた。そして、柳井への復讐心で生きてきたという。

 このドラマの作りとして、彼女の復讐心の深さは、ドラマ後半まで語られることはない。そのせいかもしれないが、私には彼女の心情が理解できない。
 今回殺害された元議員秘書・中西(吉野正弘)とあゆみは直接かかわり合いはなく、恨みもないはず。それなのに、自殺しかけたところに居合わせたとはいえ、殺害してしまうのはひどい。「死にたかったのなら、手伝ってあげよう」という理由づけはできるが、ふつう、死にかけた状態の人を見かけたら、助けようとするのではないだろうか。
 その人が生きていては困るという状況なら理解できるが、直接的な恨みはない。他の方のブログでは、犯人の歩みには同情的である方も多かったように思うが、私は全く同情できない。私が男だからなのだろうか。
 この点、「それは違うわ」とお思いの女性の方で、私を諭してあげようという奇特な方がいらっしゃいましたらご指摘ください。

 また、「さようなら、いい人生を」と伝えて欲しいと言い残し、笑顔を見せたあゆみでしたが、あれの真意はどういうものだったのでしょうか?
 柳井への恨みを晴らし、落ちるところまで落としたので、もう「いい人生」は無理だから、皮肉を込めて言ったのか?それとも、恨みが晴れて、あるいは、倉石の説教に諭されて、心から幸せを願ったのか?真意はどうだったのでしょうか?あのシーン、ちょっと他の事に気を取られていました。

 実はくうふう3さんのブログで、この質問したところ、「皮肉」と答えてくださいました。くうさんがおっしゃるので、間違いないと思いますが(いつも信頼し同意して読んでいます。今回はごめんなさい)、他の方の分析・印象をお聞かせください。
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『絶対零度~未解決事件特命捜査~』 第3話「連鎖」

2010-05-01 19:52:56 | ドラマ・映画
 今回のテーマ(事件未解決の罪)
・犯人が世の中に密かに、あるいは、堂々と生活している怖さ
・その犯人が新たに犯罪を犯す可能性がある

もちろん、未解決な事件によって、事件にとらわれ抜け出せないでいる関係者の苦しみは根底のテーマである。

 今回は、新たに起きた殺人事件が、過去の未解決の事件と同一犯であるかどうかが焦点で、事件周辺の状況を検証し、推理する過程が面白かった。
 また、被害者の共通点は一体何か?それを見つけるために、主人公・桜木刑事の奮闘ぶりも見所だった。

 それらの点に焦点を絞ったので、面白味はあったと思う。その分、犯人逮捕に至る過程はかなり強引だったが、1時間枠では、両立させるのは無理があり、仕方がないのかもしれない。
 それから、やはり、長期未解決による関係者の苦悩は重たい。それと、事件発生時の捜査のずさんさ、このドラマにおいては、目をつむるべきであろう。

 今回に限って、現事件捜査班(殺人犯課)が4係を邪見に扱っていた(今まではなかった)。やはり、4係は日陰の部署なのだろうか。
 それはともかく、警察内で縄張り争いは了見が狭いなあ。実際もそうなのだろうか?

 殺人犯課、手柄だけは横取りしているし…


 あと、ドラマ終盤は主人公・桜木刑事のひとり舞台(活躍)になってしまうのは、主役が
上戸彩なので、当然のドラマ構成と割り切るべきだと思う。
 個人的には、第2話>第3話>第1話の順に好きだ。しかし、犯人(父親)は最低だ。

 【公式サイトのあらすじ】

 桜木泉(上戸彩)ら4係が、8年前に起きた連続殺人事件の再捜査に着手することになった。前日に蒲田の河川敷で女性の遺体が発見され、深沢ユウキ(丸山智己)がその事件と8年前の事件が似ていることに気付いたためだ。
 2002年、1ヶ月の間に4人の若い女性が立て続けに殺害される事件が起きた。遺体にはすべてナイフでGODという文字が記され、髪が切り落とされていたことから“神の処刑事件”と言われ世間を震撼させたが、被害者に共通点はなく、4人目の殺害を最後に犯行はピタリと止まっていた。
 今回の事件と神の処刑事件は類似点もあるが、相違点も多く、同一犯である確証が得られないまま捜査がスタートする。河川敷の遺体発見現場に向かった高峰涼子(山口紗弥加)と深沢だが、殺人犯係の捜査員に疎まれ、捜査状況の情報を教えてもらえない。
 同じ頃、8年前の被害者の1人・田口成美(大矢敦子)の父親・健史(遠藤たつお)を訪ねていた塚本圭吾(宮迫博之)と泉は、事件を引きずり、家庭が崩壊した健史の現状を目の当たりにして胸を痛める。
 泉たちが4係へ戻ると、殺人犯係の係長・古賀(矢島健一)が怒鳴り込んできた。古賀は倉田工(杉本哲太)に、河川敷の事件は容疑者の目星がついてるため4係に邪魔をされるのは迷惑だと言い、情報は渡せないと帰っていく。
 その夜、泉が科捜研を訪ねると、深沢もやってくる。今回の事件と“神の処刑事件”の関連に妙にこだわる深沢を興味津々にみつめる大森紗英(北川弘美)。実は“神の処刑事件”は深沢が刑事になって初めて担当した事件だったのだ。そんな中、竹林匠(木村了)が証拠品から当時は発見されていなかった、ゴルフ場などで使われている砂をみつけた。
 “神の処刑事件”被害者の共通点を探るため、1人目の殺害された当日の行動をたどる泉。そんな中、蒲田の事件の容疑者が殺人犯係によって逮捕された。容疑者は女性にストーカー行為をしていて、8年前は傷害で刑務所に入っていた男だった。同一犯でないことがわかり肩を落とす深沢。直後、科捜研から過去の4件すべてに同じ砂が検出されたと報告が入る。蒲田の事件でも同じ砂が発見されれば同一犯の可能性もあると、証拠を得るために動き出す面々。蒲田署に向かった塚本がこっそり資料を見たことがバレてしまい古賀が4係に怒鳴り込んでくるが、やはり同じ砂が検出されていたことがわかる。
 古賀は殺害方法が違うことをあげるが、4係は捜査を続行。泉は蒲田の事件も含めた全被害者の行動をたどり、同じ場所を通っていた可能性があることを探り当てた。その矢先、新たな被害者が出た。蒲田の事件とは共通点があるが、逮捕された男は取調べ中であることから誤認逮捕であることが確定。捜査の主導権が特命に移された。
 捜査の結果、泉の仮説が正しかったことがわかり、さらに科捜研から新たに2人の被害者からゴルフグローブに使用される成分が検出されたことも判明。被害者が通った場所にはゴルフ練習場があり、そこでアルバイトをしている合田直規(札内幸太)のロッカーから血のついたゴルフグローブが出てきた。
 泉たちが直規の自宅へ行くと、直規は無表情で地下室にこもっていた。取調べでは、8年前に母親が不倫の末に家を出ていて、それを恨んでの犯行と推測するも直規は無反応。しかし、父親・昌人(伊藤洋三郎)に対しては異常に怯え、体には無数のアザがあることがわかる。8年前、妻を恨み、事件を起こしていたのは昌人だった。昌人は8年前の殺害を認め、体が不自由になった自分に代わって直規に殺人を強要したことを供述。3日後には新たに犯行を重ねるつもりだったと聞き、泉は改めて未解決事件の怖さを痛感する。
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