エルソル飛脚ブログ ~Run 4 Fun~

四万十川周辺をチョロチョロしている飛脚の記録です。

エルソル大阪物語■58■「新人タカシ」

2018年01月30日 | エルソル大阪物語

■58■


売上的には軌道に乗ってきたヘアテック、
今度は学校から新卒のインターン生(見習い)が入店する事になりました。

「芸術祭」で自分も審査したワイディング(パーマ)部門での入賞者でした。

『四藤タカシ』、インターン(男)
信太出身(大阪人男性には何故か「信太」というだけで笑いが取れる)
小太り、汗っかき、男っぽい。

今度は自分がしっかりと面接しました。
初対面で緊張した四藤君は手の震えが止まらない様子でした。

しかし、今ドキの若い子でないようなしっかり者でした。
「昭和」の匂いがする、根性論が通用しそうな感じで好感が持てました。

ビジュアル的にはオシャレな男性美容師のようにはいかず、
「もっさい」という言葉がぴったりとくるような青年でした。

四藤「あの、店長、」
  「この制服ベスト、ちょっとキツイんですけど・・」(小太り)

上田「・・・我慢し。」

ヨシコとは違い、「一」からのレッスンでした。
刈布の掛け方、シャンプーの仕方、教える方も教えがいがあります。

それでも真面目な四藤君は、
汗ダラダラになりながら言われたことをきちんと吸収してくれます。
「これはモノになる」、すぐにそう思いました。

閉店後のレッスンも始めました。
だらだらと時間だけを費やすのではなく、
「課題」を出し、クリア出来ればすぐに帰れます。
クリア出来なければ当然帰りは遅くなります。

お隣「コラージュ」も人の出入りがありました。
チーフ「片岡君」が辞めました。
同じ技術者として、吉福店長との方向性に違いを感じたそうです。

「コラージュ」は採用ラッシュでした。
『鳥取衣川』(女)『石川今田』』(女)『狩野』(インターン・女)

それに関美が送り込んだ優等生インターン三銃士、
『広島井垣』(男)『三重前本』(男)『イケメン上山田』(男)

コラージュは計『11人』の大所帯となりました。


ヘアテックの新人「四藤君」がお店に友達を連れてきました。
友達は大学生らしいです。
友達を見れば四藤君の普段の様子も伺えます。

友達はよく喋りました。
友達「四藤はココでは普段と全然ちゃうなぁ~」

四藤「(汗)そんな事あるかいな、いっつも真面目や」

友達「真面目!?はぁ?ほな、カバン開けてエエんやな!」

四藤「(大汗)ああーっヤメッッ!!」
  「うわッ、最悪や・・・」

四藤君のカバンの中から5本ものエロビデオが出てきました。

四藤「あ~あ、これまでせっかく真面目キャラできてたのに・・」

上田「どうせそんな奴やと思うとったワ」
  「それより1本貸せ!」


「うわッ、最悪や・・・」
昼休憩に入り、カバンを開けた四藤君がつぶやきました。
四藤君が取り出したお弁当は、小さな可愛いらしいキティちゃんのお弁当箱でした。
四藤君にはカナコという中学生の妹がいました。
お母さんが入れ間違ったようです。

上田「多分妹の方が今頃最悪や!って言ってると思うぞ」
  (四藤君はいつもドカベン)

「うわッ、最悪や・・・」
朝出勤して、カバンを開けた四藤君がつぶやきました。
四藤君が取り出した制服の白のカッターシャツは、小さな可愛らしい妹のスクールシャツでした。
お母さんが入れ間違ったようです。

上田「多分妹の方が今頃最悪や!って言ってると思うぞ」
四藤「しゃーないワ・・」
小太りの四藤君がピチピチの妹シャツを着て仕事しました。(へそ出し)

「ふ~っ、最悪でしたワ・・・」
デンジャラスゾーンから無事に帰還した四藤君がつぶやきました。
相当長い時間監禁されていたようで、汗ビッショリでした。

上田「デンジャラスやったやろ?」
四藤「アレはイカンでしょう・・、1回入ったら出られへん」

「店長っ!あの人、バッファロー吾郎でしょう」
蒸しタオルを取りに移動した時、四藤君が囁きました。
OPEN時からの常連さんのお客さんの事を指しているようでした。
上田「あの人は竹若さんっていう人やで」

四藤「ほら!!やっぱり!バッファロー吾郎の竹若や!」

上田「何やねん、バッファロー吾郎って・・」

どうやら若手漫才師のようでした。
四藤君は「お笑い」に詳しいようで、吉本の若手芸人が来るたびに興奮していました。

上田「ちなみに四藤君、ショウショウって知ってる?」

四藤「何ですか、それ?」

上田「・・・(健ちゃん頑張れ)」

6月になりました。
四藤君も仕事が少し出来るようになりましたが、
売上は横這いのままさまよっていました。

カット椅子は5台もあります。
社長にCUTが出来る技術者をお願いしました。

社長「OPENの時から探すように言ってあるけどね~」
  「上田店長、知っている人いたら声掛けてくれる?」

専門学校の同期で、今現在お店で活躍している奴・・・、
頭の中で考えました。
たったの5人しか居ませんでした。

その中のひとり、
「あの男に声掛けてみるか・・・」

■58■


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